話相手大作戦



「ブリングが前線に出たと思ったら、デヴァインもリヴァイヴもヒリングも前線…私だけお留守番………そりゃないわ、リボンズ」



指折り数えながら、嘆息したユメコは、たった今、リヴァイヴとヒリングに遠からず前線に赴いてもらう旨を告げたリボンズを、恨めしげに見遣った。

普段からユメコの遊び相手であるヒリングは慰めるように抱き着いてきたし、リヴァイヴも宥めるような苦笑を浮かべ、猫可愛がりに可愛がっている彼ら兄弟達はユメコのご機嫌を伺ったが、あまり効果はないようだった。



「僕がいるじゃないか、ユメコ」

「ねぇリボンズ、私も一応戦闘用じゃあなかった?」

「それでも君は、工学系統の方が得意だろう?」

「それはリボンズが、そういう仕事しか私に回さないからでしょー」



もうひとりの居残り組、リジェネの自己主張はただの独り言になり、彼を余所にリボンズとユメコは会話を続ける。

部屋の中で、リジェネの回りだけ温度が急降下したが、誰も意に介せず、存在感は急降下どころか消滅一歩手前。



「だって、皆行っちゃったら、私話相手いなくなるよ。リボンズは常に独り言だから、なんか会話出来ないし」

「だから僕g」

「だよねぇ、やっぱり私がいないと」

「僕でしょう? ヒリングはいつもわぁわぁ煩いだけですからね」

「黙れ奇怪ヘアー。女同士だから築ける関係ってもんがあんのよ」

「女だから築けない関係というのもありますけどね。姉妹止まりで終了フラグちゃんと回収して下さいね」

「何も心配しなくても、君達がいない間、僕がいるっていってるじゃないか。いくらでも話相手になるよユメコ?」

「「「黙れニート」」」



リヴァイヴ、ヒリングとユメコの声が綺麗に重なった。

リジェネ、再起不能。

やれやれと言った様子で、リボンズが重い腰を上げた。



「仕方ないね、君がそんなに寂しいというのなら、話相手を確保してあげるよ」

「ホント!?」



ユメコはキラキラと期待の篭った視線をリボンズに向けた。



「まぁ少し時間が掛かるけれどね。だから君達は心置きなく前線に行ってくるといい」

「「チッ」」



準備のためか、部屋を出ていくリボンズに、跳びはねるようについていくユメコ。

結局はリボンズもユメコにはたいがい甘いということなのだろう。


やっぱりリボンズが一番頼りになるー、なんて黄色い声を出しているユメコに、敗北感を覚えたリヴァイヴとヒリング。

しかしそれ以上に、イノベイターどころか人として扱ってもらえたかも定かでないリジェネよりは幾分マシだろう。彼は眼鏡を片手に握りしめ、挫折感に打ちひしがれていた。















〜ディヴァイン、リヴァイヴ、ヒリングが前線に赴き、リジェネプチ家出中〜





「ユメコ」

「ん〜?」

「約束していた話相手、連れて来たよ」

「ホント! リボンズ大好き!」

「あっちの部屋にいるよ」



珍しくにっこり微笑んだリボンズに、わくわくして付き従うユメコ。

彼の後について、部屋に踏み入った瞬間、彼女は期待に満ち満ちた表情のまま、凍り付いた。



「さぁ、好きなだけ相手をさせるといいよ。僕は仕事があるからね」



思考停止に陥ったユメコに気付くことなく、一人颯爽と部屋を後にするリボンズ。


ユメコの目の前には、前線に出て、しかも戦死したはずのブリング、とディヴァイン、とブリングとディヴァインとブリングとディヴァインとブリングと………



何人いるかも分からない、整然と並んだ、ブリングとディヴァイン。吹き抜けの二階を見てもブリングとディヴァイン。
どこまでみてもブリングとディヴァ(以下略



「一人一人に挨拶するだけで日が暮れる……」



案外、それがリボンズの狙いかもしれなかった。






(僕以外の誰かと親密になる必要なんてないんだよ、ユメコ。ね)
















。.。.。.。.。.。.。.

長らく、超絶長らくお待たせしました、静音様200000hitキリリクで、イノベヒロインでイノベギャグ夢。とのことで。


ギャグ夢は普段全く書かないので、チャレンジ精神満々で書かせていただきましたが、ギャグってどうやって書けばいいんだろうか…笑いのセンスがまるで無い大阪人な管理人で、泣きを見ました。

普段、シュールなギャグ(?)しか言わないんですよ……おかげで毒舌言われますヽ(´▽`)/


………なんか色々すみませんでした。




それにしても、今回で自分がちゃんとイノベのキャラを把握出来てないことに気付きました。キャラ崩壊万歳。

時系列とかも色々おかしいですが、全力で見逃してやって下さい。武力介入しないで下さい。


ギャグってそういうものでしょう……?(違います




090517


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