俺の恋人は最強です






今日は待ちに待ったデートの日!
お互い多忙で数少ない先輩と過ごせる大切な日!

待ち合わせはいつもの場所。
なんかいっスね、いつもの場所って響き!

待ち合わせの時間まであと30分。時間が空いたから早めに到着―と、

「先輩!」
「―…黄、瀬?」
「ハイっス」

待ち合わせの場所にはもう先輩がいて、
そわそわしててああもう可愛いまだ30分もあるんスよとかまぁホントはもう少し観察していたかった←

顔を合わせた先輩は少しだけ目を丸くして、
それから、感心したみたいに呟いた。

「今日は眼鏡なんだな」
「はい。仕事帰りなんで。似合います?」
「ああ。流石だな」

流石って何がっスか?
なんて訊く前に先輩が先頭切って歩きだした。

「行くぞ」

手は繋げない。

けど、少し引っ張られるような感覚がして先輩を見ると、耳を赤くして俺の服な裾を引っ張ってるのが見えた。

ああもう俺の恋人可愛い!






スポーツショップに行って、適当に歩き回って。
マジバに寄る。基本的に俺らのデートっつったらこう。
それにしても今日の先輩はなんか落ち着きがない。

だからといって目が合えば反らされる。

マジバで向かい合っているときもたまに視線を感じる。

「どうかしました?」

いい加減気になって、ジュースを啜る先輩に声をかけた。

そうしたら先輩ばビクッと身体を震わせて、視線をさまよわせた。
小さく「なんでも、」と聞こえたけど、ちょっとして、先輩は決心したみたいに顔をあげた。

「なんか…、眼鏡かけたおまえと歩くの、違う人間と歩いてるみたいだった」

少し寂しかった。
と、顔を真っ赤にして訴えた先輩。
もう可愛くて仕方ないんだけどお持ち帰りしていっスか。

「そうっスか?先輩は眼鏡かけないんスか」
「いや…授業中はかけてる」

笑いを噛みしめて、訊いてみると意外な応え。
正直想像できない。

「へぇ。…授業中か…じゃあ見れないスね」
「見らんでいい」

あからさまに残念がって見せると即答で却下された。
とはいえ、気になるものは気になる。

「そうだ!眼鏡、かけてみます?」
「いっ、いいっ!必要ない!」
「そんなこと言わずに、俺にも先輩の眼鏡姿見せてくださいよ」

自分の伊達眼鏡を先輩に差し出して言うと、
今度は先輩は全力で拒否し始めた。

「なんでっスかクラスの人ばっかり狡いっスよ俺も先輩の眼鏡姿みたいっ」
「狡いってなんだよ狡いって!」
「そのまんまの意味っスよ」

暫く攻防を続けて、
やっとのことで隙をついて先輩の目に眼鏡をひっかけた。

「も…っ、駄目だっつってんだろうが馬鹿黄瀬…っ!」

先輩は、攻防の勢いをそのままにテーブルへとうつ伏せる。

「ほらほら先輩、もう諦めましょう♪」

半ば無理矢理に先輩の顔をあげさせると、真っ赤で涙目の先輩の顔。
文句なしに格好いい。いつもの凛々しい顔つきにちょっと理知的なかっこよさ、みたいな。
でも、その涙目と顔の赤さで相殺っていうか余計に可愛いさが浮きだって、

「………………センパイ」

「な、なんだよっ!?」

「今晩はお持ち帰りさせていただきマス」

「……は」


ああもう、
俺の恋人は最強です。





あとがき



はい、ありがとうございましたっ!
リク主優瀬様のみお持ち帰り可です。

申し訳ありませんでしたっ!
リクの内容は「眼鏡をかけた笠松先輩に一人で悶える黄瀬」ということで…っ、文面的には勉強会をお望みなのかとも思った
んですが、
判りやすく暴走しましたっ!!
こちらのお話は
授業中だけ眼鏡かけてる時って眼鏡かけてるの見られるの恥ずかしいよねってことでしてっ!
ホント申し訳ないです。

ま、またいらしてくださると嬉しいです








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