【朝焼けの色】




薄暗い部屋の、カーテンの隙間から光が差し込む。はぁ、とひとつ、息を吐いてぼう、と霞んだ思考の端で規則正しい寝息を聞いた。

汚れてくしゃくしゃに寄ったシーツを申し訳程度に自身の横で呼吸に合わせて上下する白い身体にかけ、その端正な横顔を何ともなしに眺める。起こさないように気を付けながらさらりと滑る髪に指を通して軽く頭を撫でた。

中途半端に閉められていたカーテンを勢いよく開けば、昨夜の大雨の名残は全くといっていいほど残っておらず、ベランダの正面に植えられたら植木の葉が陽の光を反射した。
雨に洗われた空が青く、高い。あまりの眩しさに思わず眉を寄せた。


今日はいい天気だ。

絶好の休日日和、なんて窓を開けてその空気を肺いっぱいに吸い込む。気持ちのいい朝だ。
さて、今日は何をしようか、と遠くを見ると、その視界を遮るかのように、足音を忍ばせた白い腕が絡まった。

導かれるまま、赤く熟れた唇に自分の唇を重ねて、そっと触れるだけのキスを味わう。ふふふ、と唇の上で空気が揺れて、何事か呟いたそれをまた奪う。ゆっくりと果実のように甘くすら感じるキスで交わりながら、再び汚れたシーツへと舞い戻る。

んく、と唾液を飲む音で一旦唇を放して顔を上げると、凛と濡れた黒曜のような瞳が笠松を見上げる。ぎくり、とその視線に射抜かれるように動きを止める。光の下で組み敷いた恋人に思わずこくりと喉を鳴らした。
赤く染まり弧を描いた唇が、また、声もなく何事か呟く。

今日は休日。

誘われるままに唇を重ねれば、腰に絡みつく脚の重さに安堵した。




あとがき

ゆらゆらの鰆様よりリクエストいただき、
主な話の流れ等は鰆様の発案で、全体を補完していくという形で合作させていただきました。
鰆様は、私が笠月にハマるきっかけとなったお方で、正直雲の上の女神様であったのは言うまでもありません。
まぁ、ぶっちゃけ、「女神様のネタがフラゲできる(ΦωΦ)ギンッ」って感じでテンションあがったやつです。
それでは、お読みいただきありがとうございました。






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