□緊張 
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「っすいません…!!」

「いえ、気にしないでください」


嫌な態度をとってしまった賢木に、顔色ひとつ変えず手渡してくれた

今度は振り払わないように気を付けながら人形を受け取った



"なんだよコイツ…!!せっかく拾ってやったのに振り払いやがった。拾うんじゃなかった…"



受け取った瞬間流れてきた思考に、賢木の顔は強張った


(まぁ、そりゃそう思うよな…。せっかく拾ったのにあんな態度とられたら…)


立ち止まっているうちに追っていた男を見失ってしまった


手に握っていた携帯から着信音が流れ、画面を見ると皆本からだった



「もしもしっ…!!賢木っ今何処にいるんだ!?」


電話越しでも心配しているのは伝わった


「あー…近くにいるから、トイレの前で待っててくれるか?」


「…分かった」



電話を切った後、少し画面を見つめていた

画面に映った自分の顔を見て苦笑した


(こんな顔じゃ何があったか訊かれちまうよな…。俺ってこんなにネガティブだったか?)


数回頬を叩き、強張った顔の緊張を解いた




一息ついてから、皆本が待っているトイレへと向かった






  
   


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