□重なる 1/5 賢木side 葵と別れた賢木は地下駐車場にようやくたどり着いた (これ以上誰にも会わないように早く帰らないと…) 賢木はあれ以来所持する武器をいくつか増やしている ECM対策に小型のECCM、拳銃にスタンガンを常に常備することにした すると声を掛けられた 「賢木さん今日は早いですね。」 (誰だっ…!?) 瞬時にサイコメトリーを発動した 普通の人々ではなく、顔見知りの警備員のお兄さんだった 念の為に少し距離をとった (あの時の警備員は普通の人々で、今目の前にいるのは顔見知りの警備員…。 動揺するな…、いつも通り接したらいいんだ…) 握り締めた手が汗ばんできた 「あ…今日非番になったんですよー。 俺用事あるんで…、お疲れ様でした」 「お疲れ様です。最近、物騒な事件が多いですから気を付けてくださいね」 同じフレーズをあの時も聞いたような気がする (場所とシチュエーションが同じだからか、あの時と重なって…) そう思った瞬間、視界がぐらりと揺れた → |