企画部屋 | ナノ



ロゼッタ、元気にしてる?
私は昨日壁外調査から帰ったばっかりなの。
もうクタクタなんだけど、明日休暇をもらえることになったから街に行こうと思ってる。
訓練兵団もその日は休みでしょ?
予定がないなら、街の入口で落ち合いましょう。

                                    ペトラ






「ロゼッタ!」

自分の名前を呼ぶ明るい声に、胸が弾んだ。
この声は、間違いなく、


「お姉ちゃん、久しぶり!」
「やっぱりロゼッタだ。後ろ姿でもわかったよ」
「そう?お姉ちゃんも変わってないね」

ロゼッタとよく似ている、それでいて大人っぽい顔つきのペトラが微笑むと本当に綺麗で、
妹であるロゼッタでさえその笑顔に見惚れてしまう。

「それにしても、大きくなったね」
「そうかなぁ?」
「うん。前はこのくらいの大きさだった」

ペトラがジェスチャーで昔のロゼッタの身長を説明するが、
その高さはどう考えても当時のロゼッタの身長には達していなくて、思わずクスッと笑いが漏れた。

「そんなに小さくなかったよ」

「そうだったっけ」

どうやら本当にそう思っていたようだ。
少し天然なところも変わってなくて、安心する。

「どう?訓練兵団の生活は。もうすぐ卒業でしょ?」
「楽しいよ。訓練はすごくつらいけど、周りにはいい人達ばかりだから」

一つ一つの出来事を思い出しながらペトラに説明する。
この3年間どれだけ頑張ったか、どれだけ充実していたか少しでも多く伝えたくて。

「クリスタっていう子は一番最初に仲良くなったの。本当に可愛いんだよ」
「そうなの・・・楽しそうでよかったわ」
「まぁね。それからね、」
「ねぇ。好きな人とかできたりした?」

不意に問いかけてきたペトラにロゼッタの頬が一気に熱くなった。
あぁだめだ、バレる。

「やっぱりいるんだ。あんたもそんな歳になったんだね」

嬉しそうに目を細めるペトラを目の前に、隠し事など出来そうにない。

「うん。えっとね、ジャンって人なんだ」
「そっかそっか。どんな人なの?」
「え?えぇと、たまに意地悪で、たまに優しくて、」

思いだしては口元を緩めるロゼッタに、ペトラは感づいた。

「もしかして、もう付き合ってたりするの?」

またもや不意打ちで投げかけてきた質問に、ロゼッタはますます慌てる。
なんでばれた?そんなこと一言も言ってないのに。

「なんとなく、カマかけただけなんだけどね」

そうケロっと言うペトラに眩暈がした。
昔はこんなに意地悪じゃなかった気がする。

「少し前からね・・・」
「そっか。いい人なんだね、ジャンは。こんな我儘娘を拾ってくれるなんて」
「失礼だなぁ、もう。そういうお姉ちゃんはどうなの?」
「こっちにはオルオってうるさい同期がいるくらいで、普通よ」
「違う違う。好きな人だよ」

仕返しだ、と言わんばかりのロゼッタの笑みにペトラは言葉を詰まらせる。
年上としての威厳を、なくしてはいけない。

「な、な、なに言ってるの?私は訓練一筋で、」
「誰なの?」

先ほどのロゼッタ同様顔を真っ赤にさせたペトラの言うことには説得力がない。
分かりやすいところが似ていたとは・・・

「その、好きって言うか、その」
「まぁ、もしかしなくてもリヴァイ兵長でしょ?」
「ッ!」

ロゼッタの口から出てきた人物の名前は、今まさにペトラが思い浮かべている人物だった。

「もう、誰でもいいでしょ」
「私には色々聞いてきたくせに・・・」

ジトリと睨んでくるロゼッタからペトラは目を外して話を逸らせた。

「ロゼッタ、あなた調査兵団に来るの?」
「・・・うん」
「そっか」

調査兵団の現実を知っているペトラのことだから、てっきり止められると思っていたロゼッタは拍子抜けした。

「どうしてそんなに調査兵団に入りたいの?」
「お姉ちゃんみたいに強くなって、人類のために戦うんだから」

真剣な表情をしてそんなことを言うロゼッタと、一生懸命後を着いてきていた昔のロゼッタを重ねて、ペトラは笑った。

「あんたは本当に変わらないね」



ペトラと夢主の絡みでした!
訓練兵時代にペトラと夢主は接触したという設定にしていましたが、
本編では書ける場所がなかったのですごく丁度よかったです!
本編で書きたかったところを書けて満足しました(´∀`*)

新しい長編の方もぜひ楽しみにしててください!
快琉様、リクエストありがとうございました!!





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