Going Under | ナノ
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【微睡】

 海が自分の母親の葬儀の際、突如住んでいた日本海側の田舎の土地からこの日本列島より離れたこの土地まで何時間もかけて運転して会いに来るとは思っていなかった。
 だが、最愛の母親を亡くした男にとって今の支えは紛れもなく海だけだった。
 そんな海がもちろんすぐにとはいかずとも結婚を視野に入れた同棲期間を設け、自宅に転がるようにして一緒に暮らし始め、付き合い始めてお互いをようやく知ったばかりの2人。
 そんな二人の生活、他人と暮らす事、ましてただでさえ他人を自分の聖なる領域に招くことを拒んできた男がいきなり結婚を前提にした真剣に将来を見据えた恋人との甘い甘い砂糖水に浸る様な、そんな生活が待っている期待に高鳴る胸を、抑える事は出来なかった。

「海、そろそろ寝るぞ」
「はぁい……」

 他人と暮らす、それが住居環境だけでなく人間関係においても深く踏み込まれたりあれこれ詮索されるのを嫌う潔癖でもあり、潔癖で神経質な一面のある自分が耐えられるのだろうか。
 歴代の女性たちとの交際時も自分の他人に踏み込まれたくない領域を踏み込まれた時のように、海ともそれで仲違いをしたり、キリのない論争や争いが発端となり、喧嘩になるのだろうか。
 そんな一縷の不安が脳内を過ぎったが、自分の不安を裏切るように海もどちらかと言えば神経質な性格があり、自分との適切な距離の取り方を仕事で働いたのもあり理解してくれているように見えた。
 仕事では何かとやらかしていたそそっかしい一面のあった彼女だが、私生活はまるで別人のようだった。
 これまで母が亡くなってからあの強面の父親と二人暮らしてきたからなのか、元々家事に手慣れているのか、掃除や洗濯などから料理は勿論細かい部分も、自分がいちいち指摘しなくても清潔な空間を維持してくれていた。
 仕事をしていない後ろめたさもあるのか、家の中で海が座る事はほとんどなく、常に動き回り、かといって自分と叔父の部屋など領域になる空間には触れないように配慮をしてくれたり、物静かな海は時々同じ部屋にいる事を忘れそうなくらい大人しかった。
 だからこそ、仕事で疲れて帰ってきても、部屋はいつも清潔だし、美味しい料理が用意されていて、そして何よりも愛しい恋人が自分と共に生活を共にしている。それがリヴァイにとっては何よりも嬉しかった。
 よくできた申し分のない恋人。嫌な面が見えた時に自分はそんな時でもあんなにも会いたくて焦がれる程に思っていた海でさえ嫌いになったり、初めて抱いた初恋のように吐かないこの感情がそのまま冷めてしまったりしないだろうかと、一縷の不安を抱いたが、その問題はすぐに解決された。

「オイ、海」

 大きなクイーンサイズのベッドが真ん中に鎮座したマンションの奥の寝室。壁に設置したテレビを前に二人まったりとした空間でベッドに凭れながら週末のロードショーを観ていたのだが、正直当時の話題作だったにしてはどこかありがちなストーリーにただ流し観して傍らにスマートフォンを弄り情報を得ている時間の合間に海はいつの間にかうとうと、夢心地の世界に旅立っていたようだった。
 自分の隣であおむけの状態でおやすみモードなのか。化粧を落とし、真っ新な肌に薄手のキャミソールワンピースにどこからどうみても海外のおばあちゃんを連想させるナイトキャップ姿の何ともへんてこりんな姿で無防備に寝入ってしまっている。

 一旦寝てしまってもゆすっても起きない。風呂等は映画の始まる前に済ませたし、寝る準備はしているが、彼女のベッドサイドにはアルコール9%の缶チューハイの飲みかけが置いてありまだ最後の歯磨きが残っている。
 一日くらいなら構わないが、彼女が気にするかと思いリヴァイは剥き出しの肩を掴んで優しく揺さぶりながら海を起こそうとするが、海は起きるどころか眉を寄せて嫌そうに顔を歪めると自分に背中を向けて完全に無視状態だ。

「チッ、海、お前、歯ぐらい寝る前に磨けよ」

 酔っている中でこうしてうたた寝するのが気持ちいいのは分かるが、正直酒に酔ってひっくり返ってよくリビングのソファでふんぞり返って寝ていた長身痩躯の叔父を思い出してそれが何よりムカついてよく蹴りを入れていたのでそれを思い出してリヴァイの苛々スイッチが入る。
 外見はおっとりしておりながらも内面はまるで一本筋の通った強情な一面を持つ海が大人しく起きて洗面所へ行くかと思えばそうではない。

「うううぅ〜〜んん……」

 むにゃむにゃとなにか喃語のような言葉をブツブツ口から漏らしながら何度も寝返りを打つ海。
 しかし、長い睫毛は伏せられて決して目を覚ます気配は感じられない。
 極めつけに海は酒といつもより夜更かしで眠いのか揺り起こす自分の手を振りほどいて静かに枕を抱き、突っ伏した状態のまま自分にこう、告げたのだ。

「うるさい……寝かせてよ、もぅ、お父さんしつこい」
「あ??」

 夢と現実が混合しているのか、それとも長く父親と二人暮らしだったからなのか。海は自分を父親と間違えたまま冷たくそう吐き捨てると頭から肌触りがいいからと自宅から持って来た年季の入った毛布をすっぽりかぶって完全に無視を決め込んで寝てしまったのだ。

「オイ……テメェ、誰が、お前の親父だ」

 顔どころか人相も性格もまるで違う海の父親に間違われただけでなく無視をするとは何事だ。
 しかも、幾ら父親と勘違いしているとはいえ、海は初めて自分に対して反抗的な態度を取って来たのだ「うるさい」と。
 例え人違いで夢の中では自分を父親と錯覚していたとしても、初めて結婚を意識する程になるまで愛する彼女にこうしてオヤジ呼ばわりされ、邪険にされたのはリヴァイにとってはかなりショッキングな出来事だったらしい。
 頭を鈍器で殴られたような感覚に陥りつつ、リヴァイの怒りにもスイッチが入る。

「そうか、良い度胸じゃねぇか……まさか一緒に暮らしている恋人を親父と間違えるとは……」

 むくむくと湧き上がる加虐心に促されながらリヴァイは一人悪そうな顔でうっすらと妖しい笑みを浮かべた。
 こうなったら何が何でも起こしてやろう。そう決めて、リヴァイは海の頭からかぶっていた毛布をひったくるとそのまま頭にかぶっていた長い髪の毛を傷めない素材のナイトキャップも引っこ抜くように脱がせてベッドの下にぶん投げた。
 真っ白のシーツに広がる柔らかな色彩の髪の毛からほのかないい香りを漂わせながら長い髪が真っ白なシーツに広がって行く。

「うぅん……さむい」

 寒そうに身じろぎながらも薄手のキャミソールワンピース姿と言うあまりにも無防備すぎるその装い。仰向けに抱きか抱えるとより一層その服装の危うさに気付いた。
 寝息を立てる度上下する膨らんだ胸、そして剥き出しの鎖骨から首筋のラインは酒を飲んだのもあり赤く火照っていて。
 幾ら気を許した恋人の前であっても一応結婚前の女性がするような服装ではない。異性でもある父親の前やかつて歴代の恋人でも一番印象に残っているあの馬面もこんな風に無防備に肌を晒していたのだろうか。

「うぅ……ん」

 普段よりもその声が甘やかに聞こえたのは自分も同じアルコール度数の高い無糖の缶チューハイを飲んでいたせいだろうか。
 それとも、このつまらない映画に退屈しているからなのかは分からないが、キャミソールワンピースからは夜用の下着に包まれ、中央の寄せられたことであおむけに寝てもいつも流れてしまう胸は綺麗なお椀の形を保っていて、上下しており、触れると自分の手の中で温もりを与え、アルコールを摂取したことでいつも以上に海の心臓の鼓動がダイレクトに手に伝わる。
 半開きのぽってりした唇は艶やかに映え、たまらずリヴァイは自分の唇でその半開きの唇の中に舌をねじ込ませていた。

「っ、んん……っ」

 身に纏うマキシ丈の裾。身じろぎしたことで太ももまでまくれ上がり、柔らかそうな無駄な毛のない真っ白な脚が見える。
 もちろんその裾を腹まで一気にまくり上げてしまえばきっと彼女が履いているであろうその下着もどんな色柄をしているかダウンライトの明かりの中、見えるだろう。

「海……なぁ、起きてくれよ」

 鼻から抜ける様な声がしたが、久々の飲酒で海はかなり深い眠りにまで一瞬で誘われているようだ。半ば腹いせのような状態で、リヴァイは据え膳食わぬは男の恥だと言わんばかりに、海の半開きの唇へと本当に身も心も食いつくしてやる、そんな勢いで食らいついていた。「起きないお前が悪い、なぁ。そうだろう」そう低い声で、囁いて。無防備な寝姿にそういえばこうして彼女を組み敷いて抱くのはいつぶりだろうかと、普段忙しい平日に追われてなかなかこうして触れ合う機会も遠ざかっていたことを思い出す。
 欲はある、人並みに、そして今日は週末の金曜日の夜。明日は休み、邪魔する者はいない。
 海が起きないのをいいことに、むしろ起きない海を見て余計に普段消沈している情欲に火が付いたのだ。焚きつけたのは目の前の海だ。

「相手してくれよ。寂しいじゃねぇか……」

 ▼

――「いいかリヴァイ? くれぐれもなぁ、女の寝込みだけは襲うような男になんなよ。そんなことしたつてダメさ、女は少しくらい意地悪で乱暴なのがいいとか勘違いしてるなら言っとくが女は気持ちが乗らねぇとぜーんぜんダメだからな、まぁお前は俺と違ってモテねぇだろうからその心配は……不要か」

 叔父が聞いても居ないのに女はな……。といつも自分が恋愛の達人とでも言わんばかりに謎の持論や色んなことを口にしていたが、今その言葉が蘇るとは思わずに海に覆い被さりながらキャミソールワンピースを肩から引き抜き、胸を覆うナイトブラを生地が伸びると後から文句を言われようがお構いなしに肩からずり落とした。
 寄せた胸の脂肪が背中に流れないように固定されていて掴みやすくなっているその胸を鷲掴んで自由自在に形を変え、自分にはない女の肌が持つ柔らかさを堪能していた。
 普段の大人びた化粧を落としてしまえば眠る顔はまるで幼い少女の風貌なのに、身体は成熟した女性そのもの、顔と体、そのアンバランスさに翻弄されリヴァイは何が何でも起こしてやる。
 目の前のこの子はこのまま無防備な寝顔を何時までしていられるだろうか。
 起きないのなら最後までしてやると決めて海の真上に跨り、夢中だ。
 まさか自分がケニーの教えを破ったつもり、いや、そもそもケニーに教えを乞うたつもりはないが女の寝こみを襲うとは。
 もしこれが恋人同士でなければ合意の無い行為になってしまうが、自分たちは恋人同士だし結婚を約束してるし、これ以上の事なら、何度もしてる。海も自分の持つテクニックにすっかりメロメロだから。

「あっ、はぁ…ン…っ」

 むにゅむにゅと自分の手の中で形を変える胸を揉みしだきながらリヴァイは思わず聞こえた普段の海ではない、行為特有に響かせてくれるいつものあえやかな声がじわじわと聴覚から染み込み下半身に熱を帯びるように熱くなる。
 普段は大人しい海が行為になるとやや高めになる事を知った自分はその声が弱いと気付いた何度目かの行為の後。

「やっと起きたか?」

 普段の自分からは信じられないくらいの優しい声で。そう尋ねても、海の両眼は固く閉ざされたままだ。この状態を知られたくないからなのか、それとも気付いてほしいのか、色んな感情がリヴァイの脳裏をグルグルと支配する。
 柔らかな胸の中央の痛い位に主張し始めた彼女の胸の硬く隆起した突起に触れ誘われるがままにそれをつまんで若干痛みを覚えるくらいに摘み上げると海はまた甘い声で身じろいだ。

「は、」
「ん、ぁ、っ、ふっ……」

 何時も触れられているから、身体は覚えているのだろうか。微かな反応を見せ始めた海。
 自分に抱かれてから未開発だった膣奥や膣の入口のざらついた部分も花開き始めてから海はあっという間に自分がどこをどう触れても敏感に震えて反応を見せるようになって。
 指先で擦り上げれば背中から尾てい骨を通りびくびくと腰を震わせて反応を見せ始めている。
 彼女の反応を見ても起きているのか、寝ぼけているのか、そこまでは伺えないが、リヴァイの中に芽生えた悪戯心がもう戻れない、このまま最後まで、と囁く。
 頑なに目を開けようとしないのかさえ思う程、長い睫毛を伏せたまま、まるで人形のように。
 寝息が甘い声に変わるのを見逃さずに、海の姿にリヴァイは勢いよくナイトブラを首元まで押し上げ、無理やり柔らかな両胸を引きずり出すと、揺れながら自分の目の前で触れと言わんばかりに突起が痛い位に主張するから、両手で感触を確かめるように揉みながらそっと唇を這わせたのだ。

「海……なぁ、起きろよ、寂しくなるじゃねぇか」

 ちゅっ、ちゅっ、とリップノイズが生々しく映画のBGMをかき消していく。愛し気に口づけを落とし眠る恋人を抱く自分は旗から見たらどれだけ滑稽に見えるだろうか。しかし、もう止められない。  
 多少乱暴なくらいの手つきで触れても反応を見せない控えめな姿に普段抑え込んでいた加虐心に火が付き、嫌でも啼かせてやりたいと思った。

「なぁ、見てみろ。乳首、すげぇ勃ってるぞ」

 赤く色づいた突起を口に含み、その柔らかさとお菓子のグミのような弾力のある胸の先端を勢いよく吸ったり、尖らせた舌先で転がせば下半身はすっかり腹部までまくれ上がり、柔らかな括れのラインが艶やかに見える。
 このウエストを掴んで後ろから乱暴に突き上げられるのが痛いのに気持ちいいと海はいつも快楽に泣き叫ぶのだ。
 履いていた総レースの下着のクロッチ部分の上から普段隠されている秘めやかな場所を思い切り擦り合わせれば、確かに自分の指先からくちゅくちゅと卑猥な音。
 それは明らかに海の秘所が疼いて濡れているのだと、淫猥な光景に思わず口元が歪んだ。

「は……オイオイオイ、何だよ、海。寝てるのに、何濡らしてんだ?」
「あ、っ、んっ、はうっ、」
「寝てんのか、本当に、」

 微かに聞こえた吐息と、ビクン、ビクンと、身じろぎする姿にリヴァイは完全に海は寝ていない、「狸寝入り」しているかもしれないと可能性を抱く。
 寝ているのなら、胸を好き勝手揉んで下着越しで擦り合わせて触れただけでこんな音がするはずがない。
 ずるりと総レースの下着を柔らかな臀部からずり下げればそのまま脹脛から華奢な足首まで引きずりそのまま完全にベッドの下へ落とし、寝ているフリなのかどうか確かめるよりもまずは剥き出しの両脚を開かせた。
 剥き出しの芳醇な女の匂いに当てられ無駄な毛のないそこに顔を近づけて。当たり前のように顔を埋めると、反射的に閉じようとした海の太腿の内側の柔らかい肉の部分にリヴァイはうっとりと甘く噛みついたのだ。

「あっ、やっ、んん、ンン〜!」

 噛みついた瞬間、明らかに腰が跳ね上がり、ダウンライトの元ひくひくと蠢く秘所から溢れた愛液を親指で拭うとそのままその女の割れ目の上にある突起を愛液をまぶした親指で擦り始めた。
 その下の秘裂へ大きく開かれた唇から覗いた赤い舌で下から上に向かってべろんと舐めあげると海は完全に覚醒して目を見開き、甘い声を上げた。
 どうやらもう我慢の限界だったらしい。

「なんだよ、海。ン、ちゅっ、起きてんじゃねぇか……」
「ひっ、あっ、んあぁっ、」

 潔癖症の自分が恋しい女の其処を愛し気に口で愛することがたまらなく恥ずかしいのにその羞恥と背徳感にますます溢れる愛液が口いっぱいに広がる。
 海のつま先を見ればピンと張りつめて、明らかに感じているのが分かる。
 本当に寝ているならこんなに反応したりしない、まさか狸寝入りだったとは。
 リヴァイは内腿の柔らかさを堪能しながら尖らせた舌でそのまま何度も何度も秘裂をなぞり、突起部分も愛液を纏う親指で一緒に刺激するのを忘れない。
 枕に顔を埋め必死に声を押さえようとするのを阻止すべくさらなる快楽で海を陥れていく。

「俺に狸寝入りとはいい度胸だな、海」
「あっ、んんっ、あうっ、駄目っ、だめぇ……ああっ、んんっ、」

 突起を舌で嬲るようにぢゅううううっと激しく吸い付けば海は甘い声を漏らし何度も仰け反れば柔らかな胸が揺れて触れと言わんばかりにリヴァイの目に映る。
 下肢の間に顔を埋め当たり前のように口と舌で愛撫を続けながら彼の逞しい血管が浮き出たその腕は海の両胸へ伸び、上下を同時に攻める。
 彼の容赦ない器用な攻め技に海の三十路の男が持つ経験とテクニックに完全に作り替えられた身体はたやすく上り詰めてしまいそうになる。
 無遠慮に揉みしだかれ、好き勝手に形を変えられ、赤くあざが浮かび上がるくらいにまでギュッと力を込められいつも以上に乱暴に早急に抱かれているのにいつも以上に感じてしまっている。
 溢れる愛液はより一層粘着質な音を立ててリヴァイの口から溢れる程に彼を拒む勢いでぎゅうううっと収縮して締め付ける。
 ビクビクと震えて感じ入る海の姿にリヴァイは嬉しそうに下肢の間から顔を覗かせ悪魔をも殺せそうなド卑猥な笑顔で声を掛けた。

「ひっ、あっ、」
「あぁ、声我慢してたのに無理だったみたいだな、残念だったな、海」
「〜〜〜ンンン〜〜〜!!!」
「俺はな……嘘つきは嫌いなんだよ、わかったか」

 口を噤んだ海に対し、舌打ちを鳴らしリヴァイは涙を浮かべて快楽の海に溺れそうな海を見て揉んでいた両胸から下肢へ滑り落ち、そのまま膣内に一気に赤く濡れて光るナカへ中指を押し込んで指でざらざらとした部分を探り当て愛液を飛び散らせながら痛くない程度の、だが海が感じすぎておかしくなりそうな手つきで何度も何度も擦りつけたのだ。

「おら、どうだ、これでもまだ狸寝入り続けんのかお前は」
「ひやっ、ああっ、んぁ〜〜〜ッ!!!」

 何度も何度もグチュグチュと聞くに堪えない水音に耳を塞ぎたくなる手は片手で束ねられると後ろ手に押さえつけられたまま。不自由な格好でぐっちゅぐっちゅと何度も擦られて海はたやすく上り詰め、投げ出していた両膝を震わせつま先がピンと反り返るほどの快楽に仰け反った。

「〜〜〜っ、あっ、はぁっ、んっ、あんっ、」
「はは、お前の、マン汁すげえな、舐めろよ、な、ぁっ、」
「んっ、っ、はっ、んんっ、あっ」

 わざと愛液で濡れた唇で海の唇へ持って行けば海はトロン。と快楽に浮かされた眼差しで彼から贈られるキスをされるがまま受け止めた。
 自分の下肢からいつも止めどなく溢れる愛液に重なる唇からトロトロにとけあうねちっこいリヴァイのキスの味に夢中だ。
 目の前の海の痴態に当てられ、履いていたルームウェアの中心の熱は今にもはちきれんばかりに膨張して痛い位にボクサータイプの下着を押し上げている。
 小柄ながら平均サイズより膨張率の高い愚息を露出すれば、その淫猥な光景を見たさに海は両手で口元を覆いながらも猛ぶった自身を凝視しているのが手に取るように分かり、思わずその自身を海の小さな手に握らせてみる。海も嫌だとか、恥ずかしいと言いながらも自分に開発され淫らに暴かれた大人の女の成熟した部分で興奮しているようだった。

「何だよ、俺のチンコ触って興奮してんのか」
「っ、ひっ、あっ、」

 無意識なのかはわからないが、片手でその大きさに触れいつもよりも興奮して反り返る愚息を握られ悪い気はしないが正直今すぐにでも今は挿入したい気持ちの方が勝る。目の前の海の痴態に当てられ痛い位に張りつめて第二の心臓かと錯覚するくらいに張りつめて脈打つ自身を海の秘裂に押し当てた瞬間、待ちわびていたようにハクハクと蠢いて自分を淫らに受け入れたのだ。

「あっ、まっ、て、あの、っ、ひっ、あっん、ぁっ、あ〜〜〜〜〜ッ!!!!」

 突き入れた瞬間、収まりきらなかった愛液がゴプリと空気を纏い溢れおろしたてのシーツに垂れた。逞しい彼の逞しいサイズをした怒張に一気に焦らしもなくかといって狙い定めたわけでもなく一気に貫かれ海は仰け反りながらも両足を天井へ向け蹴り上げた。

「はぁっ、入っちまったな……」
「あぁん、んあっ、はぁっ、苦しい……っ」

 リヴァイはその暴れる華奢な足を肩に担ぐと結合部を見せつけるようなまんぐり返しの体位へ変える。
 柔らかな身体を仰向けから更に天井、真上から一気に突き刺す勢いで決して激しさだけではない巧みな腰裁きで海を快楽へ誘った。

「あっ、あっ、んあっ」
「は……っ、ん、」

 ぷるんぷるんと仰向けに揺れる胸も忘れずに揉みながら真上から何度も何度も自身を叩きつけ、肌と肌がぶつかる音が早送りで流れていく映画のエンドロールもかき消し、ぱちゅん、ぱちゅんと彼の袋が海の臀部に当たる度、亀頭で愛液を掻き出し何度も何度も貫いた。

「もう、待てねぇっ、いいから黙って、お前は受け入れてろ」
「っ、あぁっ、はぁ、ああ〜っ!! リヴァイ、リヴァイっ、はぁっ、」
「クソ、あぁ、っ、持ってかれそうだな……」

 しとどに濡れた海の愛液が二人の下肢の間を飛び散り、もう我慢できない、と上半身のルームウェアとインナーも脱ぎ捨て剥き出しの筋肉を纏うずっしりとした逞しい上半身が海の真上で躍動する。
 ダウンライトを背にした逆光で彼の顔はよく見えないが欲を孕んだ三白眼は獰猛な目付きをしているに違いない。

「はっ、あっ、んっ、ダメっ、ダメぇえっ!」
「っ、何が、ダメだ、っ、こんなもんじゃねぇだろうが……おらっ、」
「あっ、んアッ! ああっ!!」

 二人の繋がり合った部分からは絶えず水音が響き、避妊具をつけていないお互いの「生」の温度を感じ合う。
 めちゃくちゃに口付け舌を引きずり出し互いの唾液が顎を伝う。繰り返される律動にグッチュグッチュと泡立つ体液がリヴァイの下生えを濡らした。
 柔らかな海の尻をむんずと掴めば海はビクビクと震えて首を振りながら快楽に浮かされた赤い顔で一所懸命自分を受け止めている。

「やあぁぁ! ああ〜っ、ふかい、っ! あっ奥、ゴンゴン、しないでえっっ」

 挿入の角度を変え、海の子宮口の奥を突き続ければ海は連続で達して長い髪が踊るように揺れた。
 狂ったように甘やかな悲鳴を漏らし何度も何度も達し、その反動はリヴァイ自身に襲い掛かる。

「海、っ、海っ、ン、〜〜…ッ…ッ!!!」

 いつ突っ込んでもぎゅうぎゅうと締め付けてくる海の胎内がどれだけ気持ちいいかなんて海は知らないが、本当に経験のない童貞なら一瞬で中折して使い物にならなくなるだろう。それくらい海のナカはまるで粘着質な生き物のようだ。
 最奥を穿ち、聞くに堪えない卑猥な音を響かせベッドが二人分の重みを受けてぎしぎしと激しく揺れて。覆いかぶさるように抱き合えばお互いに視線を重ね、改めてこの人と結ばれてよかったと噛み締め唇を重ねた。チロチロと見える赤い舌を引きずりこんで、絡ませ、海は耐えきれずに声なき声で深い絶頂へと達し、リヴァイもそのまま導かれるように自身をズルルルルンと引き抜くと、海の腹に向かってビュクビュクといつもより濃い白濁を吐き出し扱きながらも、いつもより多めの量を出し尽くした愚息がアルコールの力でだらんとしょんぼりしたように垂れるとそのまま海の胸に崩れ落ちた。

「っ……頭いてぇな」
「は、んっ、」

 お酒を飲んだのもあり頭が割れそうに痛むが今は達した余韻の気だるさの方が勝る。

「んっ、あっ、リヴァイさんの、っ、お顔に、飛んじゃった……」
「っ、は、あ……っ、悪ィ、」
「んっ、いいです……っ」

 海も久々の行為で満足したのだろうか、仰向けでシーツに横たわったまま甘えたように両胸の間に顔を埋めて珍しく吸い付いて赤い痣を残す彼のザリザリの刈り上げに触れ、普段整えられている前髪が垂れている髪の間から見える獰猛な眼差しをうっとりと見つめ、顔に付着した白濁を指先ですくうとそのまま微笑みは幼い少女なのに、口元で決して美味しくはないそれを舐めとり恍惚とした笑みを浮かべた。

「てめぇ、何だそれは……煽ってんのか」
「っ、んっ、そ、うです、よ、」
「はは、一丁前に……」

 先程達したばかりで三十代も半ばを超えた男には答えるものがあるのに、海の痴態に当てられた自身は再び熱を持ち反り返る勢いだ。何度も貫かれ余韻の残るその秘裂へ再び沈んでいく自身は自らの意志に反してあっという間に飲み込まれていった。
 どうせ明日も休みだ、今は未だこのガンガンと痛む頭の痛みを遠ざけるくらいぶっ飛ぶような快楽に浸るのも悪くない。

「……良い度胸だな、煽りがやがって、もう泣いても喚いてもやめねぇ。一晩中思い知れ、」
「あんっ、はい……っ」

 再びベッドのきしむ音楽と肌と肌のぶつかり合う音が始まり、リヴァイは今度は小柄な海を難なく抱き上げると、そんな彼女を抱いたまま対面座位の状態へと持って行き真下から貫いた。一瞬の衝動。海は仰け反り甘い声で身悶えた。

「あ、んっ、いッ、ぁ、あんッ、あ……はあぁ〜〜ッ!!」
「オイ、今度狸寝入りしたらただじゃおかねぇぞ?寝んなよ、最後まで煽った責任は取れよ。まだ……こんなもんじゃねぇぞ……」
「あッ、……ん、ぁ、ひあッ、あぁんッ……気持ち、いいっ、あんッ、あっ! もっと、して、っ、やっ、あっ、」
「は……んな、締めつけてくるんじゃねぇよ、」
「ひ、んぁ……あ、あぁ、んああッ……んぁッ、ぁ、あっあぁッ、あんっ! あぁん〜〜ッ、気持ちいいよぉっ、死んじゃうっ、もう、ダメえっ」
「馬鹿だな、そう簡単に人間が死ぬわけねぇだろ……っ、けど、お前の上で腹上死……それも……悪くねぇかもな」

 海はリヴァイの首の後ろに腕を回し必死に耐える中で問答無用でリヴァイの唇が重なって。真下からズンズンと打ち付けられる腰の動きに合わせて短い喘ぎを漏らして身悶え、海はひっきりなしに空が白むまで、好き勝手に彼の巧みな腰さばきに翻弄され、リヴァイの心ゆくまでたっぷりと深い情欲の中で揺さぶられ愛され続けるのだった。

Fin.
2020.04.27執筆開始
2021.01.27公開
【微睡】

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