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「#幼馴染」のBL小説を読む
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【×HalloweenU2019×entrance】

「リヴァイ、ごめんなさい……許して……許してっ、」

 自分の真下で泣きながらこっちを見つめる潤んだ瞳があった。
 うつぶせ状態のまま着てた服は無残にボタンが飛び散り剥き出しの白い肌をさらしたまま。こちらに振り向きながら戸惑う愛しい妻である海の泣き腫らした眼差しが懇願するように目の前の男を見つめていた。
 時を遡ること昨夜の夜。
 今から寝ようかとベッドでリヴァイがスマホでスケジュールの確認をしていた時、隣でウトウトしていた海が顔を上げていた。

「リヴァイさん!」
「何だ、うるせぇな」
「あの……明日の夕方、モールでハロウィンのイベントがあるそうなんです。それで、ユミルとヒストリアに一緒に行かないか?って誘われてて……。早く帰りますし、ちゃんと、ご飯も準備していきますので……ちょこっとお出かけしてきても、いいですか?」
「そうか。もうそんな時期か……そうだな、お前普段出かけねぇし、こっちの馴染みはあいつらしかいねぇもんな。いいぞ、行って来い。ただ、指輪は外すなよ。そんで、いくらハロウィンでも浮かれてあんまり遅くなるんじゃねぇぞ?」
「はい、ありがとうリヴァイ」

 甘えるように抱きついてきた妻を抱きしめながらリヴァイは了承した。
 そう、行ってきてもいいと。確かに自分は言った。
 こうして自分を愛してくれる愛しい妻の名前を呼べば、たどたどしい口調で「リヴァイさん」と、海はいつも嬉しそうにはにかんだ笑顔でにっこり微笑むから。
 その笑顔がたまらなく、愛おしさを加速させる。
 だが、ハロウィンのイベントに行ってはいいと言ったが、服装までは気にしなかった。
 まさか自分の嫁がこんなとんでもない格好をしているとは、大人しい海からは想像もしなかった。
 去年のハロウィンの海の黒猫を模した大胆な下着姿には心底驚かされた。
 そして、年甲斐もなく興奮して夜が開けるまで散々抱き潰した。
 見かけは平凡で大人しそうで清楚な見た目に反して何かと大胆な海には大人で培ってきた経験値の数の多い自分が翻弄されてばかり居る。
 そして、今夜のハロウィンイベントによって街全体は大盛り上がりだった。みんな思い思いの衣装に着替えてコスプレを楽しんでいる。
 中には全部手作りで、揃えた強者までいるではないか。
 今は赤ちゃんが出来るまではケーキ屋の売り子のパートをしている海。普段ケーキなど食べない自分がわざわざ妻の職場に顔を出すのも何となく気恥しいから避けていたが、海の働いている店は制服が可愛いことで有名らしく、それを聞き付けた自分たちの部下がわざわざ買いに行き写メまで送って来たのだ。
 送られてきた写メには白いブラウスと黒いジャンバースカートと言う格好で、恥ずかしそうにピースサインする海の姿があって。正直清楚なのにどこかイメクラみたいな雰囲気だと、帰ってきた彼女を制服姿のまま気の済むまで抱いてしまったこともあった。
 つまり、海のハロウィンやらクリスマスやらイベントに対する楽しみは服装に現れるようだ。くるくると表情を変える素直な海。
 悶々と考えながらリヴァイは海と結婚してしばらく二人の時間を堪能した後、本格的に子供を作ることを決め、「毎月の排卵日には必ずセックス」というルールに沿ってのセックスに最近疑問を抱いていた。
 最初は海の言う通りに従って自らの意志のない義務的な、だが、月に1回の子供を作るために必要な排卵日を狙っての好意。しかし、排卵日は病院で診てもらわないと確実ではないし、排卵検査薬はあくまで目安であって、基礎体温と照らし合わせても排卵日にセックスをしても確実に妊娠するわけではない。
 それに精子に比べて卵子の寿命は24時間しかもたない。その間に膣内に射精して排卵まで待機させるタイミングもなかなか揃わずにいた。受精したとしても着床しなければそのまま排出されリセット(生理)が来てしまうのだ。
 それに、排卵日以外だろうが、男も溜まる時は溜まるし、どちらかと言えば性欲は人並み以上、会議や長引く出張でクタクタになる時ほど所謂「疲れマラ」と言うのか無性に海とヤリたくなるのだが、そんな時でも海は頑なに排卵日まで期間がまだだから、ダメだと。そっぽを向いてしまうのだ
 どうしても抑えきれずに海を宥めるように優しく組み敷いて、お互いに離れていた期間を埋めるように抱き合い求め合うこともあったが、排卵日を意識してみてもまだ可愛い子宝には恵まれていない。
 気にしすぎも良くないし、(決して彼が不能の種ナシではない)それならばいちいち気にせずしたい時にすればそのうち授かるモノではないかと思うのだが……。海はそうではないと、儚い外見の割に頑固な一面の彼女は頑なに言い切るのだ。その1発にかけたいと、抜かずに溜めていてくれと、可愛らしい口調で男からすればつまりその時まで禁欲しろと、あっけらかんと、とんでもない事を言うのだ。
 色々な困難を乗り越え海と付き合い結婚をしてからは遠距離ですれ違っていた期間を取り戻すように暫くは毎晩毎晩海を抱いていたし、海も応えてくれた。ジム通いの体力を持て余して海が気を失っても抱き潰していた。
 今は前より年齢もあり幾分セックスの頻度は落ち着いたと思うが、それでも愛しい妻を男としては常に抱きたいと思うし、男として常にストレス社会で晒され仕事で忙殺されると欲求が溜まるのも当たり前だ。

「海、いねぇのか」

 玄関を開け、名前を呼んだが返事がない。
 2人の愛の巣に戻ってくると、は、と気が付いた。玄関に飾られた二人の写真が微笑んでいる。いつもオートロックを解除して迎えてくれる海が今夜はハロウィンのイベントに出かけていることに。
 ネクタイを外して背広もベストも脱ぎ捨てシャツ1枚になりどっかり革のソファーに腰掛けテレビをつけると、夕方の情報番組が映し出され、中継でいつも変わらぬ街中の様子が映し出されていた。
 しかし、今日はハロウィンのイベントだからと色んなコスプレをした今日のイベントで浮かれた住人たちがインタビューを受けている。混雑するのを見越して早めに部下たちを帰宅させて正解だったなと思う。見慣れた街並みはクソみたいな人でごった返している。
 海が用意したタコライスを食べ、氷を浮かべたウィスキーを飲んでいると、ふとリポーターが街頭インタビューをしている光景が中継で放映されていた。

「さぁ〜て次のインタビューはあっ、そこのメイドと執事にナース姿が印象的なお姉さん方!」

 そうしてやたらと元気いっぱいのテレビ画面に映ったのは……紛れもなく自分の妻だった。リヴァイは思わず飲みかけていたウィスキーを吹き出しそうになった。突然画面に今朝まで会話していた妻が出ているのだから。

「すごいですね、それは……どのようなコスプレですか?」
「あ、あの、この子はメイドさんでこの人は執事で、私はホラーゲームの……」

 ぐるぐる巻かれた包帯で顔がよく見えていないから傍から見て海だとは分からないが、たどたどしい話口調、甘くないソプラノボイスに背格好。何度も聞き幾度も抱いた愛しい妻だと、どんな格好をしていたとしてもリヴァイにはすぐ分かった。
 そして、あの格好は海の好きなホラーゲームに出てくるナースだと言うことも。だから最近夜な夜なそのゲームを引っ張り出してプレイして研究していた。と言う、訳か。
 衣装は実写映画版の方を参考にしたのか普段の色白の肌は血糊で赤く染まり、そして襟ぐりの開いた胸元の際どいラインまで露になっている丈の短いナース服。うっかり屈んだら零れそうに溢れんばかりの柔らかな胸の谷間にミニのタイトスカートにピンヒール。まさかこんな派手な露出をして街中に繰り出していた。
 気が付かなかった。自分の元に嫁いだのに、人妻だと言うのに、増して妊活中の身で冷えは厳禁だと言うのに。
 いくらこっちの地域が海の故郷より温暖だとしても……。
 まして、自分以外にその肌を晒し、しかもテレビのインタビューにまで丁寧に受け答えして。全国版ではないがこの姿を少なくとも同じ県の人間が見ていると思うと忽ち込み上げる怒りにリヴァイは顔を顰めていた。

「あの、馬鹿野郎……」

 リヴァイは拳をグッと握り締めそのテレビの画面を食い入るように観ていた。
 人前で、自分だけの前なら構わないがよりにもよってそんな胸元も開いて短い丈のミニのナース服のコスプレ。顔は隠していてもその全身を舐めるように見つめる者たちの目線は惜しげも無く注がれ、その注目を浴びているだろう。リヴァイの思考は相変わらず無防備な妻の事で埋め尽くされていた。

 

 数時間後。
 ブーッ、ブーッ、と。海から何度も何度もメッセージが届いていたがリヴァイはそれを全部未読スルーして電話も出ないし、返事もよこさない。いつもどんな時も会議の時以外は即レスしてくる彼から返事が無いことに海は焦りを覚えた。昨日は早く帰ると約束したのに。
 結婚して仮にも人妻の立場でありながらハロウィンだからといって普段出かけていないからとハメを外しすぎたかもしれない。
 リヴァイがどんな表情で待っているか。海は恐る恐る玄関の重たいドアを開けた。

「ただいま……」

 自動点灯で明るくなる玄関。ピンヒールの靴を脱ぎ捨てようやくつま先立ちの状態から完全に両足が着いて楽になる。高いヒールで歩き回ってパンパンだ。一応地下鉄内はコートは着ていたが中は膝上丈で柔らかな肌に張り付いたような血糊加工したミニのナース服は隠し、グルグルと顔に巻いていた包帯も小道具の鉄パイプもナースキャップもみんな外して帰ってきたのだが...。廊下は真っ暗でリヴァイは先に寝たのだろうか。お揃いで購入した最新機種のスマホをシュッシュとスライドさせながら海は廊下を進みまずはこの服を着替えようと浴室に向かうと、暗がりの向こうで誰かが立っているのが見えた。
 暗闇の中で見えた獰猛なその双眼、思わず驚いてスマホを落としかけた。
 ――……それは紛れもなく最愛の旦那様で。

「あ、リヴァイ……! ごめん、なさい。起きてたんだね。びっくりしたよ……。私、すっかり遅くなってしまって……寝てても良かったのに……!!」

 しかし、元々よく喋るリヴァイが何も答えずにこりともしない。海にはその沈黙がたまらなく恐ろしく感じていた。いつも即レスでたまに顔に似合わず寂しがり屋で甘えん坊な彼は絵文字やスタンプを使ってくれる彼のメッセージは返事も無く、今も帰ってきたのに「おかえり」の一言くらい、付け加えてくれるはずの彼は静かにただ自分を見ている。
 その瞳はまるで、明らかに怒りを押し隠しているようだったから。

「リヴァイ?」

 駆け寄ろうとしたその瞬間、無言で海は先程歩いてきた廊下から玄関に向かって突き飛ばされていたのだ。

「リヴァイ、どうしたの?」

 ドスンと尻餅をついて、突然の彼の乱暴な行為に戸惑いながら声を上げる海。
 しかし、リヴァイは何も答えないまま玄関のマットに倒れ込んだ海の腹部にそのまま乗り覆い被さると、海が着ていたコートごと白衣の襟ぐりを掴んでそのままバッと、一気に開いたのだ。
その拍子に、彼の見た目より強い力で、きっちり留めていたコートとナース服のボタンが四方八方に飛び散ってしまった。

「あっ、な……に?」
「楽しかったか?そんな露出の高ぇ格好して、テレビでインタビュー受けて……出かけたいのは口実か?注目浴びたくて街に出たのか?」
「ご、ごめんなさい……でも、んん、」
「ごちゃごちゃうるせぇな」

 言い訳など聞きたくない。戸惑いがちに震える唇に無理やり自分の唇をを重ね、玄関のフローリングに押し付けた。

「んっ、むっ……はっ、ああっ……」

 そのまま深く、互いの舌を差し出し、絡めあいながら血糊さえなければセクシーなミニスカナース姿の海の身体を覆い被さり余すことなくまさぐった。ストッキング越しの筋肉質でしなやかな脚に触れればどうやら生足ではないらしいことがわかり安堵した。さすがに生足はもうこの時期はキツイ。しかし、この短いスカートだ、履いていたショーツはちゃんと見えないように対策していたか?全身を触わりながら確かめていくリヴァイの目つきは完全に据わっているし、そして、海の普段とは違う艶やかな姿に魅了され、そしてこの雰囲気に完全に呑まれていた。
 安いコスプレ衣装だったので素材が弱いのか、それともリヴァイの力が強いのか?分からないがバッとボタンごと着てたナース服の胸元が開かれ、ここの所結婚してからやたら肉付きが良くなって身に付けている補正下着のおかげで寄せられた柔らかな谷間が露になった。程よいサイズで色白の眩しい谷間に目が眩む。この胸元をずっとここに帰ってくる間中晒していたなんて、海の姿をオカズにして興奮している奴も居たかもしれない。まして全国区ではないがローカルテレビを観ていたお茶の間の人間に晒されたのだ。
 ハロウィンだからと浮かれてナンパされたらどうするつもりだったのだ。
 愛しい自分だけの妻の姿に、そのままグニッと下着ごと柔らかな胸を揉みあげると海はその腕の力強さに震えた。

「まさか……他の男にでも触られたかったのか?」
「ん、ちが、違う、っ、でも、」
「でも? 何だ、こういう風に無理やりされたかったのか?」
「んあ、はっ、んんっ、ちが、んっ」

 黒のフリルに縁どられた白のサテン地の可愛らしい下着姿は清楚な雰囲気を纏う海によく似合う。そして自分が一番好きな色。たくしあげた下着からマシュマロみたいに白くてしっとりした肌触りの胸が揺れながら零れると、この状況でも愛しい彼に無理矢理押し倒され触れろと言わんばかりに興奮したような怒ったようなリヴァイの眼前で誘い、リヴァイは誘われるがままに乳のみ子のようにむしゃぶりついた。

「あっ、んあっ、ダメ、ダメったら……嫌っ、ここ、玄関っ……」
「大衆の面前でこんなイメクラ嬢みてぇな格好してほっつき歩いていいと、俺は許可してねぇぞ……。なぁ、海、お前、大人しそうな顔してセックス大好きだもんな?乳首はもうビンビンだし……下のおクチもうヌレヌレか?こうやって見られるのがたまらなく大好きなんだろ?ああ、ちょうどいい、まだ夜中には早い。誰か通るかもな、マンションの住人共にその格好をお披露目してやろうか、ポーチで犯してやろうか?なぁ?痴女まがいの格好して」
「っ、いやっ、ごめんなさい、許してください!もう、リヴァイの前でしかこんな服、着ないから……っ、」
「俺とのセックスじゃ物足りねぇからそんな露出に走るんだろ?早速見られて乳首おったててんじゃねぇよ」
「ん、ああうっ……」
「前は休みの前の日は毎晩ヤッてたのに……今は排卵日しかやってねぇからお前も物足りなくてわざとそんな露出してたんだよなぁ、そうだろ海」
「ちっ、違うっ、私、ただゲームのコスプレが……んああっ!」
「たまにはベッド以外でヤルのもいいな、燃えるよな、変態ナースに診察しねぇとな、」
「っ、」
「ああ。ほら、もう濡れてるじゃねぇか、ストッキング越しでも分かるぞ」
「んんっ、」

 触れば硬くなり、下肢の間は忽ちしとどに濡れてしまう。くちゅくちゅと下着越しに擦られ、身体を重ねた経験も片手くらいで、正直気持ちいいと思ったことがなかった海が今は大人の彼の手によってたちどころに感じるようになってしまい、順応に、彼無しでは生きていけない、彼の声に囁かれるだけでジュンと下半身が疼く程になるまで愛され触れればたちまち淫らになるまで開発されてしまった。
 尻まで伝うそれは。
 こんなにも濡れる淫らな身体にしたのはリヴァイだと言うのに。
 こんな浅ましい姿を見て欲しかったわけじゃない、だって人は他人にいちいち興味を抱かない。と、自分は思っていたがリヴァイはそうではないのだと言う。
 ただ単に海はそのゲームが好きで、今は彼とこの日本の五大都市のひとつであるここで暮らしている中で元々田舎育ちで駅もない町にはそんなイベントなどなかったし、ただ昔から1度コスプレイベントに出てやってみたかっただけで……。
 別に性的にアピールしたかったなんて微塵も思っていない。
 彼以外の人に自分が、身体を許すわけ、なんかないのに。
 自分に跨る彼は、既にシャワーを浴びていたのか髪をワックスでセットしている前髪は今はおろされて無造作な髪の隙間から見えた切れ長の瞳はより鋭さを増しているし、いつも全身ビシッとスーツにネクタイ姿のデキるビジネスマンは今はゆったりしたUネックのインナーに下はラフなストレッチ素材のパンツ姿をしており、そのUネックから覗く首筋から鎖骨のラインが生々しくて。
 それだけでも十分色っぽいのに見つめる眼差しは獰猛な猛禽類のようで、非力な自分は意図も容易く捕食されてしまうのだ。

「あっ、んんっ」

 玄関に押し倒され、組み敷かれ、乱暴に着ていた服を乱され完全に全裸とは行かなくてもほとんど裸に近い姿でこんな明るい場所で抱かれる。
 欲望と二人が欲しいと思うタイミングで肌と肌を重ねればいいのに。今は排卵日付近を狙った夫婦での義務感のように決められた不自由で堅苦しいセックスばかりを強いられ、彼の中で思うように欲が発散できず、溜まるものも溜まっていたのか容赦ない。

「ああっ、んん……あっ、ひぁっ!」
「おら、無理矢理されて感じてるんじゃねぇか」

 ぷっくりとした色白の肌に吸い付き、歯を立てれば海は甘い声で身を反らした。真白の雪のような肌に映える鮮やかな果実の色をした乳首をグリグリ転がしながらもう片方の手は純白の白い下着を押し上げ震える柔らかな胸を揉んでいた。

「伝線したストッキングなんか履きやがって」
「あっ! それは」
「3点セットのなんて安物買いの銭失いだって言っただろ」

 どうやら人混みやら何やらでいつも購入している3足1000円のストッキングはもう伝線してしまっていた。
 指摘をし、そのままリヴァイはビリィッと、伝線した部分から勢いよくそのストッキングを引き裂き、驚く海に構わず白だから分からないが触れれば既に濡れているクロッチ部分に、覆われていた海の下肢の間を露わにすると、海は恥ずかしそうに顔を背けていた。

「やっ、恥ずかしいです、だめ……っ」
「何だ、見られんのが嫌なのか」
「だって、こんな明るいところで……っ」

 見られる羞恥に可哀想に、耳まで赤く染めて……。そんな今にも泣きそうな海の姿を見て、玄関に置いてあるバッグの中から見えた包帯に手を伸ばした。

「あっ、何!? きゃっ、」

 海の視界には包帯をぴんと広げたリヴァイのどこか楽しそうな姿。手首をつかむとそのまま海の手を後ろへ回し、戸惑う彼女の細腕を包帯で器用に束ねてしまうとほんのり赤く染まり目尻が潤んだその目も包帯で覆ってしまったのだ。これでは何も見えない、何も触れない。

「お前のしてたゲームのコスプレだろ、俺には見せたくねぇってか?」
「あっ、でも、これじゃあ何も見えません!」
「あ? 恥ずかしいから見たくねぇんだろ?ならこうすりゃ恥ずかしくねぇだろ」
「やっ、あっ、」
「楽しいな、コスプレ、1年振りだ。あん時は本当にヨかったな、なぁ、海よ」
「っ……」
「妊娠したら暫くはセックス出来なくなるからな……。ヤリ納め、しとかねぇとな」
「ああっ、はあっ、んむっ、んんっ」

 視界を奪われ何も見えない中、彼の声と指先だけが頼り。
 深く口付けられ、ねっとり舌を絡めるような甘い甘いキスにほんのり香るウィスキーの香りにクラクラと酔いしれた。

「お前も飲んだのか、」
「ごめんなさい……」
「全く、お前は酔うとエロくなるから俺以外の前で飲むのは禁止だ」
「っ、エロくなんか……なりませんっ、」
「肌も薄っすら赤ぇじゃねえか、」

 リヴァイの口内はウィスキーの香りと、そして相変わらず嗅ぎなれたミントのフレーバーがした。食後毎回きっちり歯を磨く彼の清潔な舌が伸びてそのまま舐るように、絡み合う。歯列をなぞられゾクゾクと震える。ただ何度も何度も唇を重ねるだけがキスじゃないのだと、そう、教えこまれそして、染っていた。

「ああ、クソエロいな、」

 くるりと仰向けにされて、柔らかな包帯に束ねられた両腕は痛みはないが頭上に掲げられてそのまた簡単に片手で抑えられてしまう。自由に出来ないもどかしさ、しかし、止まらない。

「っ、ああっ、や、めて、」

 胸元は肌蹴て柔らかな両胸が露になり、先端の赤い頂きは早く触れてと硬くなっているし、そのままカパリと両足を開いて引き抜かれたショーツに隠されたそこは今どんな風になってるかなんて。包帯越しでも透けて見えるくらいにこんな明るいところで抱かれるなんて。お風呂よりも煌々とした光に照らされて丸見えになり、恥ずかしさでどうにかなりそうだ。

「ああ、マン汁がてめぇのケツの方まで濡れてるぞ」
「っ! 言わない、でぇっ……」
「は、こういう背徳的なのが好きなのか、いつもより濡れてる気がしねぇか?」
「っ、ううっ、」
「なぁ、目塞いで、腕も縛られて……海、」

 ずりゅ、と聞こえた音、そして太ももに当たるその熱にふ、と気が付けばそれは紛れもなくこの状況に酷く興奮したリヴァイの雄々しく猛ぶった自身だった。それが自分の臀部から甘く濡れた秘所の部分まで何度も何度も擦り付けられて海はその先の甘く貫かれる悦楽を知っているから興奮に胸を高鳴らせていた。
 しかし、どうした事かリヴァイは海がそれを求めて甘く濡らしているのに海の望んだ快楽は与えらないまま、もどかしさにその先を求めて催促するように腰を揺らして海は甘く疼く秘所からまたトロトロに溢れた蜜に奪われた視界と自由に感じて濡らしているのだと頬を赤く染めていた。

「うっ、ううんっ……」
「は、海……なぁ、どうして欲しい」
「あっ、そんなの……っ」
「言え、そんなコスプレして外をほっつき歩いて…お前には躾しねぇとな、看護師さん」
「えっ、あのっ……!?」
「どうだ、ぶち込まれてぇんだろ」

 ズリ、と柔らかな臀部から膣口までなぞる様に、肉ビラを辿りながら何度も亀頭が出たり入ったりを繰り返して催促してくるが、奥の一番欲しい場所までは届かない。早くその長大な自身で一思いに貫いてほしいのに。
 その与えられる筈の快楽がいつまでも与えられないそのもどかしさに海は焦れたように恥を忍んで腰を揺らすが、覆い被さり猛る熱を押し当ててくるリヴァイがどこにいるのかわからず、両胸を掴み上げられたまま先端をなぶるように舌が這いまわり、ただ、ただ、困惑している。

「んんっ、ああっ、お願い……はやく、私のナカに、思いきり、挿入(い)れて……下さい、」
「今のお前はナースだろ、」
「ええっ、なん、そんな……どうして……」
「たまにはお前からねだって見ろよ、そしたら思いきりガンガン突いて――……孕ませてやる」
「っ……あ」

 低く甘い毒を孕んだような声に耳元で囁かれそのまま耳穴に下をねじ込まれくちゅりくちゅりと舐められるように水音が響けばそれはまるで行為中の2人の間から伝う様に、連想させるようで。
 海の頭の中はもうリヴァイに与えられる、結婚して夫婦となり、そして一生添い遂げると誓ったリヴァイしか知らない快楽しかない。
 欲しい、欲しい……もう、抑えられないと、海は震える声で、捨てきれない羞恥心を必死に堪えてリヴァイに縋りついた。

「っ……あの……、リヴァイ先生っ…私、なかなか、赤ちゃんが出来なくて……、あの、早くその、立派なそれで孕ませてください……!」
「は…」
「ああっ……も、やぁ、恥ずかしい……!!」
「合格だ、海。くれてやるよ……」

 まさか自分が先生だと、この可愛らしい年下の妻が赤い顔してそう告げたのだ。指先でくぱぁと開かれたそこからは既に待ちきれないとしとどに濡らして愛液が太腿まで伝っていて、あまりにも卑猥だ。

「こっちだ、」
「ん、あっ……なに!?」
「淫乱看護師さんにご褒美だ、しっかり掴まってろ」

 海のその瞳がどれだけこの快楽を待ちわびて欲情しているのか、どんな表情なのかは伺えないのが残念だが、恐らくこの先の快楽に期待してトロトロに潤んでるに違いないだろう。リヴァイはまだ挿入れる前から腰砕けの海の縛られたままの腕を引き、そして自分の首の後ろに回すと玄関のドアに立たせ――……。

「あっ、ああっ、怖い……!」
「大丈夫だ、直ぐに病みつきになる……」
「んあああっ、ああっ!」

 そのまま、向かい合わせの体制で海の片足を持ち上げると、海のこの雰囲気に完全に飲まれてしとどに濡れた膣肉を開き、海の下の口を露わにしてあまりにも卑猥な光景にゴクリと生唾を飲んだ。
 そして向かい合い、立ったままの体制で海の卑猥なオネダリに今は医者と看護師という非現実的なシチュエーションにいい歳した大人達が興奮してすっかり先走りで濡れた自身でぐちゅりと叩きつけるような水音を響かせ、一気に貫いたのだ。
 早く、早くその逞しい男根で思い切り突き上げて欲しい。視覚が奪われ何も見えず、想像するだけで海の秘所はまた愛液を溢れさせる。

「あっ、ひあっ! あっ!」

 ぐぷぷっと、卑猥な水音がして、視界を奪われよりそれが互いの興奮度を高めて敏感に反応しながら海は入れただけで甘い声を発して達してしまった。

「は……オイ、看護師さん、まだ挿入れただけだが」
「あ、ああっ、ま、待って、おねが、ああんっ!!」

 真下から深く深く繋がりとうに許容範囲など超えた逞しいリヴァイの自身に貫かれ海はいつも以上に深い挿入にクラクラと目眩がした。

「んんっ、はぅっ、あぅっ、気持ち、い、ああっ!ああんっ!」
「ンっ、確かに、ダメだな……っ、ああっ、食いちぎられちまいそうだ」

 リヴァイも思った以上に気持ちがいいのか、それとも今まで以上にこのシチュエーションに興奮しているのか、息を荒く漏らし、その声さえも海をより深い深い快楽の其処へと堕としていく。
 遠慮なしにガンガンと玄関のドアに海を押し付けながら何度も海を貫く。ひんやりと冷たい扉に押し付けられ、海はひっきりなしに甘い声で淫らに啼いた。
 視界を塞がれ両腕を拘束されながらの不慣れな行為、しかし、彼にさんざん愛された身体は彼の声と手つきにそして、今までにないシチュエーションにすっかり夢中だ。
 絡み合い、扉1枚挟んで向こうはマンションのポーチだと言うのに、公共の集合住宅だと言うのにも構わず、手跡が残るくらい力を込めて腰を掴んでガツガツと下から突き上げ、子宮の入り口の、指では届かない深い深い場所まで当たり海は仰け反り目をひん剥いて支えていたもう片方の足が崩れ落ちてしまいそうになる。

「は、ああっ、ああああ……ッ、んあっぁぁっ!!」

 深い激しい律動にだんだん視界を覆っていた包帯がずり落ち、両目を涙と快楽に染めた海の愛らしくも淫らな顔があらわになっていた。普段にこにこと微笑むその顔が今は快楽に溺れあまりの快感にどうしようもなく濡れて瞳が完全に上へ向いている。愛する妻の何とも言えないいやらしさにリヴァイは夢中で口づけてきた。

「は、っ、んん、むっ、んぁっ」
「っ、ふ……海……」

 呼吸すらも奪いつくすような激しいキスをして下から筋肉の筋が走る逞しい腕で抱きかかえてもう互いに理性を捨て獣の交尾のように激しく交わった。

「あっ! ンン〜〜!! も、っ、無理……あっ、んっ、もうっ、立てない……っ、」
「そうか……なら……っ、こうするか……絶対に離すなよ」
「んんっ、あっ、あああっ!!」

 リヴァイは快楽に浮かされた欲を孕んだ眼差しで海のもう片方の足を逞しいその腕にも抱え、海が驚く暇も与えず、壁に背を痛いぐらい押し付け激しく揺さぶったままで。

「ん、ひっ、あ、んああああっ!」

 なんと、もう片方の足もリヴァイの逞しい腕に持ち上げられてしまったのだ。一気に浮遊する決して軽くはない自分の身体を難なく持ち上げる彼の逞しさと男らしさに海は深い律動に奥をノックされ達してしまった。
 驚く間もなくそのままリヴァイにしがみつきながら玄関のドアに海の柔らかな尻を押し付け、柔らかな胸が逞しい胸板に押しつぶされながらそのまま下から突き上げてきたのだ。両足を血管の浮いた逞しい腕に抱えられ、必死にしがみつけば地に足のつかない不安定な体制に恐怖を抱きながら初めての快楽にこれ以上の快楽があったのかと驚きながら身体の中心をそのまま突き破りそうな深い挿入に怯え、そのまま人肉映画のポスターのように彼に串刺しにされてしまいそうだ。しかし両手を縛られもう目の前の彼にすがりつくしかない。

「ああっ! んああっ! 怖ぃ、怖いっ! こんな……ああっ、」
「っ、確かに、ダメだな、」

 ビクン!と何度も痙攣する両足がかくかくと震え、もう彼に声を聞かれるのが恥ずかしい次元など既に越していた。
 小柄ながら逞しい肢体は海1人くらい抱き抱えるのなんて朝飯前だ。まるで重さを微塵も感じさせないくらいに重力に従いながら落ちてくるタイミングでガンガン突き上げる。
 まだ自分は一回もイってないのにもう何度も連続でイカされすぎてぐちょぐちょのそこから泡立った愛液が互いの足を伝い落ちる。相変わらず何度セックスしてもローションなんかいらないくらいにオナホよりもヌルヌルで締まりのいい海の其処の締め付けが気持ちよすぎて限界が迫る。

「っ……海、」
「あああっ!んやああっ、ダメ、ダメえっ!もう無理ぃっ、死んじゃうっ、んあぁぁぁぁ!」
「ッ、馬鹿野郎、締め付けすぎだ……っく……ああ……っ」

 一番感じる部位に亀頭があたり、ゴチュ、グチュ、と叩きつけるようにもうイケないくらいに連続絶頂を迎える子宮がうねるようにリヴァイ自身から搾り取ろうとゴリゴリと扱いてたまらずにリヴァイの口からもこらえきれない情けない声が漏れる、しかし、その声さえも海には快感で。鼓膜を駆け巡り余計に彼女を陥れる媚薬でしかない。それと共にリヴァイはとうとう限界を迎え、より一層激しく抱き上げた海を揺さぶりながら耳元で低い声がその果てを伝える。

「っ、ああっ、もう、イキそうだ……しっかり受け止めろよ、」
「ぁ、ぁん、ああっ、来て、リヴァイ、んっ、いいよ、っ、わ、たしの、ナカに出して……っ、あああああ〜ッッッッ!!」
「っ……ぁっ……うっ……!」

 ビュクビュクと音が出そうな勢いで海の胎内を白濁したそれが埋め尽くす。リヴァイが全部余すことなくナカに放出した。ビクビクと震えながら射精する怒張を締め付け、海は狂ったようにまた連続で達した。何度も何度も繰り返され、染み込ませるように子宮一杯に吐き出されながらズルリとさっきまで海の胎内を我が物顔で支配していた自身を引き抜くとプシャッと透明なサラサラした愛液とはまた違う体液が伝った。

「っ、はぁ、っ……やぁ……私、……っ」
「ああ、吹いたな、」

 よっぽど気持ちよかったのか、海はリヴァイの腕から降ろされると荒い呼吸のまま玄関に崩れ落ちた。潤んだ瞳に上気した頬、縛り上げていた包帯も解けていて、理性を捨てて獣のように求め叫んでいた自分が今更になって恥ずかしくなってきた。
 そういえばお風呂にも入らずに玄関先で夢中で好意に明け暮れてしまった。
 完全に骨抜きにされ足腰に力が入らない海を気遣いながらもリヴァイも脱力して動けないまま剥き出しの海の背中に覆いかぶさりながらその真っ白な肌に口づけ、吸い付き赤い華を咲かせた。

「ぁ、んっ……」

 普段よりも高く甘い声にトロトロに蕩けた瞳が潤んで振り返りながら2人は無我夢中で荒い吐息を落ち着かせるようにとキスをした。

「風呂に入るか、」
「んん…でも、せっかく中に、リヴァイさんの……」
「逆立ちしても意味ねぇらしいな、ちゃんと必要な分はもうお前のナカ泳いじまったよ。逆に不衛生にするのはよくねぇ、」
「あっ、汚くなんかない……リヴァイさんのだから……掻き出したくないの……」
「海、」

 あろうことか、数分の沈黙を経てリヴァイは玄関マットに海を押し倒して、今度は背後からいきなり栓をするように突き立ててきたのだ。

「はぁああっ、あっ、すごい、奥まで……っ、」
「は、っ……たっぷり零さず飲めよ……孕め……孕んじまえ……」
「ああっ、もう、無理ですっ、ああっ、」

 仰け反りながらもまだ余韻が残る海の胎内はヌルヌルで、先ほどナカに出した自身の欲よりも鮮度の良い子種を送り込むように、背後から激しく揺さぶられ海はうつぶせで腰だけを高く掲げた体勢で、まるで獣のような行為に酔いしれ乱れ、2人は無心で愛し合い続けた。
 それから数日後、海は着ていた衣装や伝線したストッキングも皆燃えるゴミの日に出さざるを得ないほどすっかりボロボロになっているのを見ては玄関でのめくるめく甘い行為を思い返し、一人また悶々とする日々を送るのだった。

Fin.
2019.10.28
ちなみに海が着てるのはサイレントヒルというホラーゲームに出てくるクリーチャーのナースです。
2021.04.11加筆修正
【×HalloweenU2019×entrance】

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