Going Under | ナノ
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【誰の物にもならないで】

TIME以降

「おい、海よ。お前、一体どういうつもりだ」
「あの…、主任?」
「誰にでも親切にへらへら愛想振りまいてるから勘違いされるんだよ、…胸まで揉まれやがって…なぁ、」
「あ、あのっ!ん、んっ、」

いい歳してコイツは男が何を考えてるのか本当に何もわかっちゃいねぇ。親父に大切に守られてきた箱入り娘だから仕方ねぇかもしれねぇが、お前の親父は男の何たるかまで教えてくれなかったのか?
土地勘もねぇ出向の癖に幹事なんかやるからこんな目に遭うんだ、ここが何の場所かわかっちゃいねぇまま。

見据えたその瞳には驚き、恐怖、戸惑いを浮かべていた。
それでも「私は大丈夫ですから」だなんて。見え透いた嘘をついて強がっているのがわかる。本当は得体の知れねぇ男に触られて、怖ぇくせに、さっきまで上気してほんのり赤く染まった頬は今は真っ青、全然大丈夫じゃないくせに大丈夫だと強がり、力を抜けばそのまま転げそうなピンヒールでよろめきながら震える足を隠して誤魔化したように笑う海にどうしようもなく苛立ちを抱いた。

冷静さを欠いた自分はもうマトモな思考ではなかった。ただ、こいつが自分以外の男に触られたのが許せなかった。行き場のない怒り。矛先をどこに向けばいいかなんてわからなかった。こんな感情になったのは生まれてはじめてだった。

ぼんやりしていて、お人好しで、酒に酔っていたのもあり隣のロールカーテンで挟んだ向こう側で幹事をしていたいかにもうわっついた雰囲気の営業サラリーマンに海は体を触られた。
「幹事同士大変ですね」だなんて、のんきに話しかけてきたそんなの上っ面の口説き文句。普段スーツ姿でしゃんとしているこいつの私服姿とのギャップ。愛想のいい海は社交辞令だと言うのに気を良くしたそいつの会社の連中が海をどんな目で見ていたのか。
俺にはわかる。気付けばロールカーテンは持ち上げられ、愛想のいい賑やかなイベントごとが大好きな俺の部署とそっちの会社のノリのいい営業共入り混じったバカ騒ぎを始めやがった。
それだけならまだよかった。だが、そいつは最後の最期で全てをブチ壊した。
幹事だからと酒も飲まず、愛想よく大人の対応をしていた海を自分の女だと勘違いしたのか、そいつはあろうことか俺の渡したクレジットカードで会計を済ませようとしていた海の背後に回り込んで、胸を揉んだのだ。しかも、そのサイズや形を確かめるように持ち上げた。

確かクレジットカードは暗証番号を入力しなきゃ使えねぇ店だった筈だ。あいつは暗証番号を知らねぇと追いかけた俺の視界の先で飛び込んで来たその光景に鈍器で頭をぶん殴られたような衝動が走り、一気に頭に血が上るのを感じて気付いた時にはそいつと海の間を引き離すかのように、壁に向かって膝を突っ込んでいた。

「おいおいおい、てめぇ…俺の部下に何したよ、なぁ?」
「アッカーマン主任!?止めてください!」
「おっ、お客様!?」
「なぁ、ここはそういう店じゃねぇんだよ馬鹿野郎。オイ、店長はいるか。今すぐ警察を呼べ。酒の席でノリだとか冗談とか酔っていました、覚えてませんで通じると思うなよ?証人はごまんといんだからな、てめぇは強制わいせつ罪で即刻豚箱にぶち込んでそのまま二度と日の目を拝めねぇようにしてやる」

俺の言葉に目の前の男は震え上がり酔いも覚めたようだ。
“この子に触れていいのは俺だけだ。”
酒に呑まれるほど自制心を失う気は毛頭ねぇ。
出向でまともな人材をよこせと言って、そんで「優秀な部下をお前に託す」と言ってエルヴィンがよこしてきたのがこいつだった。新入社員のオリエンテーションで偶然隣同士だったまだ高卒の色気も何にもねぇガキだった海。

今まで色んな女と付き合ってみたがどいつもこいつもめんどくせぇ女しかいなかった。
それでも部下には手を出さねぇと、頑なだった誓いは十年来の再会によってあっという間に崩れた。
どうしようもなくコイツに溺れた。口にしなくても俺の行動で分かると、そう思っていた。ガキみたいな下らねぇ独占欲、失う恐怖か、生まれてこの方経験したことのない得体の知れねぇ感情。
店員によって取り押さえられ連れていかれる男。その場に崩れ落ちそうな海の腕を掴んでその場を去る。
恐らく将来安泰の会社はクビだろう、いや、こいつは俺の権力を使ってでも必ずクビにするなんとしても、だ。

返事をする間もなく、突然腕を引かれ、そうして海を押し込んだのはひとつひとつが独立した4つ向かい合わせに並んだ個室のうちの一番奥の男子トイレ。驚く前にガチャリと扉と鍵を閉め、そして声を発する前に塞いだ唇に行き交う吐息さえも焦れったい。有無を言わさないその瞳は酷く目の前の怯えたように、しかし、突然上司から無理やりキスをされて戸惑いながら素面の海は一度許した俺の身体を受け入れていた。

「なぁ、どういう意味か分かるだろ?あのままこうやって連れ込まれてココにあのお粗末そうな粗チンをブチ込まれちまうんだぞ、」
「っ、…んんっ!」
「お前の田舎にはこんな歓楽街ねぇだろ…歓楽街ってそもそもナニの為のあんのか、お前もわかってるだろ?」
「リヴァイさん…?」

普段きっちりパンツスーツ姿で真面目で色気のないなんの代わり映えもしない、きっちり髪を纏めて毅然とした態度の海のスーツではない私服姿はまるで別人みてぇだった。
パンツスーツ姿とは真逆の海のお好きなブランドの清楚なウエストの切り替え部分がサテン地のフリルのワンピースを纏い、ふわりとした柔らかな髪は横に流していた其処から見えるその肩は剥き出しで、背中のチャックが揺れる。脱がせやすそうな服を着てるのはこうされたいからなのか?

あの日抱いた雨の夜を彷彿とさせる白い肌。顎を掴んで目線を無理やり合わせれば海は真っ直ぐに俺の目を見て今にも泣きそうな顔でこう、吐き捨てた。

「別に…主任には、関係ないじゃないですか…。私が悪いんですから。それに、私が誰に何をされようが主任に迷惑はかけていませんので…。お気になさらないでください」
「…ああ、そうかよ」

お前はそんな事を言うのか。
ならどうしてあの夜俺を家に招いた。
なぜ俺を、受け入れた?出会った時の事を覚えてねぇのか。俺は、お前にとってただの都会の寂しさを紛らわすセフレだったのか?
真面目にお前との今後を考えていたのに。こいつが俺を好きだと言ったのは県外に1人の寂しさからだったのか?

先に手を出したのは悪いと思っているがお前もそれを望んだ。
そして今は好いた女が目の前で酷い目にあっていたのにそれをこいつは仮にも肉体関係を求め応えた俺に関係ないと言い捨て、海を他のクソ野郎に触れられた怒りが、その言葉に静かに怒りの波が引き、思考が冷えていくようだった。

「戻りますね、会計がまだですので…」

そのまま何食わぬ顔をして個室のトイレから出ていこうとした海の肩を掴んで、腕の中に引き寄せ、そしてどんな時も潤んでいる桜色の唇に己の唇を重ねていた。口紅でも塗ってたのかそれは濡れたように光り俺の唇にも付着した。

そうか。関係ないか。
そうか、そうか、
ー…なら、文句ねぇよな?

「え!?あの...?きゃっ、やっ、やめてください、主任っ!?」
「オイ、リヴァイと呼べって言っただろ?誰に何されても別に気にしねぇ、俺には関係ねぇんだろ?んならよ…他の男(俺)にこう…ヤラれちまってもいいってことだろ?」
「きゃっ!?リヴァイさん…!?」

耳元でそう、吐き捨てれば。ヒールの靴を履いてそれでも俺より低い背丈、近くなった目と目の距離に触れる顎を掴んでこちらを向かせて逃げられないようにした海が戸惑った声を上げた。有無を言わさず海の首筋に噛み付くように唇を落とせばそれでもこの間の夜のことでも思い出したのか動かなくなった。

ドアから引き離しぐるりと海を反転させ、個室に備え付けの立派な洗面台に押し付けると腕を回して海の背中のワンピースのチャックを引き下ろし髪を掻き剥き出しのうなじに唇をつけて辿ればゾクゾクと背筋を震わせて。

洗面台にぶつかった拍子に自動で作動し蛇口から流れ出した水が洒落た洗面ボウルに勢いよく流れ、跳ね返りながら海の服を濡らす。扉の外では居酒屋特有のやたら騒がしい声が酔っ払いが歌ったり騒いだりしてる。

「鍵は掛けてねぇ。嫌なら叫んで抵抗してみろ。酒に酔った上司にレイプされそうだ、助けてくれと。俺をとっとと警察に突き出してみたらどうだ」
「っ!」

腕の中に簡単に収まった小さな体。ヒールを履いた状態でいつもよりも顔の距離が近い。香水の香りも匂い立つ。わざと引き寄せた腕の力を抜けば海は黙り込んだまま。今なら叫べば気付いた誰かが来るだろうか。

「何で、抵抗しねぇんだよ…馬鹿野郎」

時間は与えたのに、海は潤んだ瞳で無言で、こっちを見ている。口数の多い海が言葉なく訴えていた。人生無駄に長く生きてきた。女の強請るようなその瞳を何度も目にしたことがある。こいつもそんな顔をするのか。
もう知らねぇ。
ガチャリと音を立てて、ドアの鍵が締められた。



噛み付くように口付け合いながら息と息を交わして。まるで消毒するように、さっき触れられた嫌な感触を消して欲しいと目の前の部下だった女は今はただの女としてそれを求めていた。ガタガタと洗面台が揺れる。小柄で身軽な海を抱きかかかえ洗面台に押し付けたまま行為に及んでいた。

「ああっ!っん、ううっ!あっ、ああっ」
「っ、…海、っ、」
「んあっ、はっ…やんっ、」
「ほらよ、この状態で嫌でした。逆らえませんでした。って…もう文句言えねえんだぞ、お前」
「あっ!主任の…」
「ああ、触ってみるか?」
「やあっ、はっ、」
「ほら、このまま挿入っちまうなぁ、」
「っひん…!」

海のワンピースの背中のチャックを下げて、そのまま腕から引き抜けば腰でぶら下がる。下はそのまま、上はキャミソールに隠された清楚なのに下着事引き上げられ、柔らかな胸がツンと突き出し、色白の肌に唇より淡い色の先端は硬く起立していた。

「なぁ、海よ。さっきの男にもこういう風にされたかったのか?」
「っ!んんッ!」

グニグニと指先で乳首を摘み擦りあげれば海は嬉しそうに、真っ青だった顔は今は赤く染まり何度も何度も仰け反って素直に俺の与える感覚を享受していた。
さっき男が揉んだ柔らかな両方の胸の頂きを転がしながら顔を埋めてギリギリと歯を立てればそれさえ感じるのか海は背中を反らせたまま。

「この谷間に顔を埋めてもらいたかったのか?お前はこんな風に犯されたかったのか?」
「っ、違いますっ…」
「俺のハメた後じゃあんなお粗末そうな見るからに包茎の早漏なんかじゃお前は物足りねぇだろ」

無駄な肉のねぇ、華奢だからこそ胸の柔らかさが引き立つ。両手に掴んで揉みあげれば海は嬉しそうにとろんと蕩けた瞳で俺を見ていた。世に胸のデケェ女はごまんといるが、ただ単にデケェだけの胸なら誰でもいる。大事なのは綺麗かどうか。こいつの胸の柔らかさは、肌の色の白さも先端の淡い色の乳首も尖って、とても綺麗だと思った。あの男はこの胸を...出向の海の社内のデータの備考欄にそんな事書いてなかった。
ああ、こいつの胸が綺麗なのは俺だけが知っていればいい。

時折誰かが来る度流れる水の音。
ノックの音がする度に海は戸惑いながらも声を上げていた。

「あっ、んっ、誰か、来ちゃいます...!」
「その前にお前がイクのが先、かもな」
「ひううんっ!」
「おら、イケよ」
「あっ、んぁっ!」

首筋に噛みつきながら思わず吸い付いていた。真っ白な肌に浮かび上がる赤いそれは、何のためにつけたのか。ただ、燃えるような怒りが俺をつき動かしもう戻れない道まで陥れていた。部下には手を出さない、仕事上支障が出る、それなのに、俺は手を出してしまった。

「海、」
「ひっ、んあっ...」

感知式の照明が消える度動いて、また明かりが灯り、そして海の半端に乱した衣服から見える裸体が生々しく映える。
総レースの薄桃色の下着は色白な肌を持つ海によく映えていた。
丈の長いワンピースを捲りあげて太ももを辿り下着のクロッチの部分に触れればそこはまだ触ってもいないのに簡単に突き立てた中指が下着のクロッチ越しに沈みヌプヌプと粘着質なクソエロい音がした。

「お前...あの男に胸揉まれて感じて濡らしてたのか?」
「っ、ち、違います...っ、私、ああっ!」

甘い声が脳髄にまで染み込むようだった。
抵抗しながらも一気にガバッと両方の太腿を開かせ下着をズラして顔を埋めてやれば淫猥な雌の匂いがした。

「はっ...、んあっ!やあっ!」

恋しい女のソコは舐めても舐めても止めどなく愛液で溢れてその蜜を垂らす上の突起に触れれば海は仰け反り胸を揺らして受け入れていた。舐めても舐めても止まらない。コリコリと上の突起を舐めながら中指で腟内を優しくつき動かせばこの前抱いた時の事でも思い出したのか止めどなく愛液が流れ指を汚す。海はもう着ていたワンピースがとっくに肌蹴てるのに俺は変わらずノーネクタイのシャツに下はスラックスを履いたままの状態で海を抱いていた。

あの夜が忘れられねぇと抜いたことは口が裂けても言えねぇ。
ゴムがねぇだから、と止めたのに。海はその先を望んだ。ピルを飲んでるから大丈夫です、なんて。とんでもねぇこと言う女だと思っていた。
あの夜たまたま飲んだ俺じゃなくてもしそれがファーランだったら?エルドだったら?お前は同じことを言ったのか?
そんで他の男に抱かれるのか?

お前は俺がこうしなくても、濡れるのか。

「あっ!待って、まだ、まだっ...、あっ!ああっ!んあああ〜っ!!」

そう思うと、許せなかった。この目の前の大人しそうな顔をした淫乱な海は過去にもこうして濡れた甘い顔を他の男が見たと思うと許せず、その過去の写真の笑顔にすら嫉妬した。
音を立てベルトを外しジッパーを提げて履いていた下着を寛げ扱きながら既に海の扇情的な姿に興奮していた愚息を扱きながらより強固にして太股を抱えて下着をズラして具を見せると問答無用でその中へ突き立てた。
あっという間に飲み込まれた自身はこんな時なのに怒りに同調していきり立っていた。

「オイ、まだへばるなよ、」
「あっ、はっ、ああっ」

ヒクヒクと震える腰。うねる様に絡みつく粘膜。相変わらず締まりのいいソコは俺だけの形を思い出そうとしていた。

「ハァー...動くぞ」
「あっ、んんっ、待って、まだ...あぁんっ!」
「っ、...」
「んあっ、あぁあぁあぁんっ!あっ、んあっ、はあっ、ああ〜っ、」

鼻にかかる押し殺したような声を必死に手を当て漏らさないようにする海の手を鏡に押し付け、ワザとその声を響かせた。
普段大人しくい声が甘く甲高い声に変わる。たまらなくエロい、清楚な顔してクソエロいそのギャップに充てられて。

「んああっ、だめぇっ、あっ、やらあっ、
主任、ああっんっ」

主任?
萎えるようなこと言うなクソ。

「海、...違ぇだろ」
「んっ、ふぁぁ、ああっ、んっ、あっ、んむぅ、っ、り、リヴァイ、さ、っああっ、こわれ、るぅっ、あっ、ん、リヴァイ」

今は俺だけ見てろ、上司でも部下でもねぇ、俺は俺だ。漏れる吐息を塞いで真下から貫き海は懇願するように化粧をした偽りの顔で日本人には珍しい色素の薄い瞳が俺を見ていた。

奥の奥まで、子宮すら突き破る勢い加減無く腰を打ち付ければ、海はそれでも感じてるのか、それともこうして乱暴にされるのが好きなのか、律動する度に愛液が飛び散ってどれだけこの行為に感じているのか容易く理解出来る。

「あっ、あっ!あっ、んあ、はぁっ、んあぁあぁああぁあんっ」
「イケよ、海、っ、気持ちいいんだろ?」
「んっ、はっ、あっ!」

俺の突き立てた愚息に貫かれる度に弾む胸、もう無理、ダメ、壊れちゃうと、人はそう簡単に壊れたりしねぇのに泣きそうな顔で涙を浮かべて公共の場だと言うことを忘れ、背徳的なセックスに完全に溺れちまったようだ。

さっきの海が他の男に触られていた記憶を俺が、消し去るように。その証拠に海はもう拒絶の言葉を口にはしなかった。海の家で海を抱いたあの雨よ夜以来何度か機会はあった。だが、残業で会社で二人きりになっても会社内では決して、手を出さなかった。

「海、」
「あっ、んああっ、」
「いい、イケ、っ」
「んーっ!んっ、んん、んっ、んっ!んんんんっ」

漏れる息を塞ぎながら。それなのに、まさかこんな居酒屋の便所で俺とまたセックスするなんて思いもしなかったのかもしれねぇ。
それなのに下着はさりげなく洒落こんで私服も髪型も化粧もいつもよりも鮮やかで、鏡越しに見る俺の顔は目が据わって、唇は海と重ねた事によって赤くなって口角まで海の塗っていた口紅が着いて傍から見たら明らかにキスしてたのが分かるだろう。

ガン、ガン、ガンと、洗面台を揺らして腰を打つけながらただズラしただけの海の下着が擦れて邪魔だ。一旦腰を引いて自身を引き抜けば海は悲しそうに「どうして抜いたの?」とでも言わんばかりの表情をしている。
決して、萎えることのねぇ愚息はぶるんと揺れ海の太股に当たり、跳ねた。

下着を引き下げた。太ももから足首まで一気に下ろすと今度は身軽な海を抱き上げ、そのまま蓋をした便器に腰掛け、海を真下から貫いた。

「なぁ、声、我慢できるか、」
「!っ!!!!ん〜〜〜〜〜〜っ!」
「っ、...くっ、」

はくはくと蠢く胎内をずっぷり貫いて。そのまま真下から突き上げれば海は目を見開いて、俺の肩に顔を埋めて何度も何度も、気持ち良くてたまらなくてイッた。
下から突き上げながら両胸を寄せて掴んで揺らせば海は仰け反りながらまた甘く啼いて、何度か突き上げながら俺も海のナカに甘く締め付けられ、繋がり合いながらクリトリスを抓り、そして海のナカで余すことなく注ぎ、そして果てた。

そして、冷えゆく思考の中で、無我夢中でがむしゃらに、海を犯した後、散々後悔した。
俺の軽率な態度が、たった一度抱いただけの、それでも、俺にとっては

海を離したくなかった。
狂ってしまう程に海を抱けば、こいつを手に入れられる気がした。

もう、互いに普通には戻れない。きっと抜け出せない。
主任、どうして私を好きじゃないのに私を抱くんですか。なんて、海は背中を向けたまま動かない俺に声なき声で、そう言っていたのに。
引き抜けば、足の間を伝う気がしたそれは紛れもなく、俺が出した熱。
何食わぬ顔で幹事なんてもうするな。

互いにこんな感情のまま、二次会に行けるような雰囲気ではなかった。それなのに身体は今も疼いている。正直今までに無いくらい怒りを体現したセックスがとても気持ちよかった。そして力を抜けばその場に崩れ落ちてしまいそうな程に膝は震え、先程の行為の激しさを物語っていた。

抱いた香りも、甘い声も、耳に残りしばらく消えそうになかった。

fin.
2019.10.24
【誰の物にもならないで】

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