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【×Halloween2018】

 海と結婚してから季節はどんどん寒さを増してゆく。なんの代わり映えもない日々。しかし、男にとって最良の幸せな日々を送っていた。海とここに至るまでの今まで大変だった道のりを思うからこそ、このささやかな幸せを何としても守りたいとリヴァイは思っていた。
 しかし、結婚する前は仕事に全てを注いできたリヴァイだったが、今は常に愛しい妻の待つ家に何よりも早く帰りたいと思うようになっていた。今のご時世、共働き必須の時代にはありがたいアラフォーの稼ぎがあるから専業主婦でもいいと言ったのに海はそれを良しとせず、家事もこなしながらパートで働いて少しでも生活の足しになればいいなと協力してくれる。
 街ではハロウィン、ハロウィンと、浮き足立ってはしゃぐ若者たちの群れ。バス待ちをする男の前をミニスカートを履いたポリスや某ゲームのキノコ兄弟のコスプレをしたカップル、中にはどうぞ痴漢して下さいと言わんばかりにド派手に露出したセクシーなボンテージの女やらを三白眼は汚ぇモノを見るかのように遠巻きに冷めた目で眺めていた。
 どうやら今日本ではハロウィン=コスプレと言う方程式が出来上がっており、どいつもこいつもいろんな格好をしては街中に繰り出し乱痴気騒ぎを巻き起こしている。

 しかし、そんな話題の渦中にあるハロウィンのイベントなんかよりも、とにかくこの人だかりを今すぐ振り払ってとっとと自分は家に帰りたいのだ。

 他人のコスプレはどうでもいいが家で帰りを待つ愛する妻がもしあんな格好をしたら……。
 頭にグルグルと包帯を巻き血ノリだらけのミニスカートのナースの服に身を包んだハイヒールの女を自分の妻に置き換えてみた。ああ、それはそれでいいかもしれない。しかし、自分の後ろに隠れてばかりの恥ずかしがり屋でいくつ肌を重ねても恥じらいを忘れないウブな妻は結婚してもあんな派手な露出やセクシーなコスプレをしてはしゃぐような派手な性格ではないことは重々承知しているし、それに恥ずかしいと言っているのに無理強いはさせたくない。
 部署をまとめる役席者の立場としては来年からはハロウィンの日は仕事も早めに切り上げた方がいいなと悟り、ようやくハロウィンでごった返す街から抜け出してバスに乗り込む。今から帰るといつも通りメッセージを送るもいつものOKのスタンプが返ってこないしむしろ既読にさえならない。インターホンを押す前に足音に気づき玄関の前で鍵を開けて待ってくれているのに。

「おい、帰ったぞ」

 しかし、今日はいつもと違った。インターフォンを押してもお決まりの間延びした声が聞こえない。
 ドアノブをひねっても鍵もかかっている。仕方ない。面倒くさそうに家の鍵を取り出すとマンションのドアを開けた。

「海?」

 愛する妻との愛の巣に帰ってきたのに、部屋は真っ暗で海の明るい声が響く温かな空間は海が居ないだけで不気味な静寂に包まれいる。まるで1人だったあの頃に戻ったような錯覚さえ抱かせる。いつもなら玄関の前にちょこんと座って待ってておかえりなさいとリヴァイの小柄だが筋肉質で逞しい身体に抱きついておかえりなさいのキスをしてくれるのに。
 リヴァイは手放せない愛しい女の名前を呼んだ。
 出掛けているのだろうか。しかしこんな夜遅くに。まして自分に何も告げずにどこかに夜遊びに出掛けるなんて。
 まさか、自分が仕事の間にパートをしている海に何かあったのでは・・・まさかハロウィンで浮かれた男達にナンパされて帰れずにいるのでは・・・危惧する男の耳に小さな足音が響いた。

「海……?」

 寝室から確かに聞こえた海の足音。聞き間違う筈がない。ネクタイを緩めコートを脱ぎ廊下を進んで寝室に向かうと、そこで目にした光景に男は目を見開き持っていたカバンを落とした。

「お、帰りなさい……」

 何だ。居たのかと安心し、言いかけた言葉は空を切る。ただでさえあまり喜怒哀楽の表現が乏しいリヴァイがなんとも表現しがたい光景に硬直するほど目の前の海の思いがけない姿に言葉を失っていたのだ。

「あ、あの……今日はハロウィンだから……へ、へんかな?」

 間接照明に生々しく照らされた海の華奢な肢体。しかし、今日の海はいつもと違う。
 リヴァイの目の前にいたのはセクシーな黒レースのTバックのガーターベルト付きのランジェリーに身を包み、首にはレースのチョーカーにアームカバーと頭には猫耳のカチューシャ、そして黒い尻尾を垂らしたそれは。
 普段は清楚なのに、今は可愛らしくもいやらしいメスの香りをまとう黒猫に変身していた。リヴァイは思いがけない海の不意打ちに言葉を失い思わず緩む口を覆った。
 あまりのいやらしさに卒倒しそうだなんて酸いも甘いも知り尽くしたアラフォーの男がそんなこと言えるはずもない。
 普段こんなに派手な下着なんて海は身に付けたりしない。しかし、そんな海に手を引かれて導かれた先は愛し合う2人のベッド。

「あっ、先にハロウィンのごちそう食べる?」
「……お前な、今からお前を喰うってときに飯食えってか?」
「ご、ごめんなさい……」

 間接照明がいやらしくもムーディーにこの夜の雰囲気を盛り上げてゆく。寝転がりキスをねだる可愛い妻にリヴァイは仕事の疲れも空腹も何処へやら。海に覆いかぶさるとそのままそっと、キスをして、妖しく微笑みを浮かべていた。

「ずっとその格好で待ってたのか。」
「う、うん……あの、変じゃないかな?」
「いや、悪くない。可愛い黒猫がこうして待っててくれてたなんてな」

 可愛い、だなんてらしくもない歯が浮くようなセリフが出るほどリヴァイは海の姿に今夢中。下着で中央に寄せられた色白の谷間にキスをし、今夜は寝かせるつもりは毛頭無い。リヴァイはイタズラ好きのご主人様に甘えるようにすがりついてきた黒猫を抱き締め、いやらしく柔らかな身体を撫で回し始めた。

「ん、ンンっ……くすぐったい……です、っ」
「いやらしい黒猫だな、」

 柔らかな肢体はどこもかしこもすべすべで、自身の指が食い込む。色白の肌に黒のレースが良く映え、今まで下着とはリヴァイにとっては行為のためにただ脱がせる邪魔なものだったが、今はまさかこんな風にランジェリーが視覚で2人の夜を楽しませてくれるとは。
 自分の嫁は時に大胆にリヴァイを溺れさせてゆく。

「きゃっ!」

 抱き抱えて膝の間に海を座らせると、後ろから小さな身体を抱き締めレースに包まれた柔らかな胸を下から持ち上げ、両手に寄せてはまた揉みしだき、海はピクピクと身体を震わせ甘く鳴いて、本当に猫になったみたいに甘く鳴いた。

「黒猫なら黒猫らしくクソエロイ声で鳴いて強請れ」
「ん……んんっ、あの……っ、」
「お前からこういう風に誘惑されるのも、悪くないな」

 いつも海をとことん溺れさせるリヴァイだがたまには色っぽい下着でセクシーに誘惑をする黒猫の海に溺れてみようか。
 せっかくの身に着けた下着は脱がさず、今日は身につけたままシよう。
 甘い声も柔らかな髪も堪能しようと男はブラをずらして柔らかな胸の頂きを転がすように愛撫し、リヴァイの膝の間に閉じ込められ逃げることも出来ず海はご主人様のされるがまま。次第に硬く尖る先端を転がせば海はまた甘く鳴いた。

「あっ……んんっ」
「海……」

 そう言えば海とこんな風に身体を重ねるのは海の生理もあったし仕事も忙しかったので、久しぶりかもしれない。
 いい歳しても男だって疲れれば欲望も溜まっていると言えば溜まっている。ただ抱き合うだけでは満たされないのは、子供じゃないから海も理解してくれているだろう。
 海の顎を掴んで振り向かせ、重なる唇。
 お互い深く激しいキスを交わしながら夢中で頂きを転がしさわさわと全身を愛撫してゆく。もう既に赤く色づいて硬くなっている胸を揉みながら手はするりと柔らかな太腿を辿り、一気に開かせた海の震える片脚を自分の膝の上に乗せ、見えない誰かに見せつけるように海の恥ずかしいところを開脚したまま履いていた下着の隙間から男らしく筋張ったゴツゴツした指を滑り込ませた。
 その指に触れた粘液に思わずほくそ笑む。

「あっ、……ああっ、だめぇ、っ」
「海……そのままだ」

 従順な海は言われるがまま、されるがまま、滑り込ませた指に纏わりついたヌルヌルしたそれは胸とキスとこの雰囲気でどれだけ海が感じたのか、期待しているのかバロメーターとしてリヴァイに知らしめていた。

「ん、んんっ……ああっ、」
「オイオイオイ、すげぇ事になってんぞ、俺が帰ってくる前からこんなにシミ作って待ってたのか?」
「や、やぁ、っ……」
「閉じんじゃねぇぞ」

 久しぶりだからちゃんと解して慣らさないとな。
 付け加えて耳を噛めば海はゾクゾクッと背中を仰け反らせリヴァイの押し入ってきた中指に震えながら受け入れる。柔らかな尻にもう既に硬くなり始めたリヴァイ自身の熱を感じながら。

「ああっ! いやあっ……んっ、んんっ、」
「痛くねぇか?」
「んっ、ンンっ……あっ、痛くな……っ、気持ち、ああっ、いいっ……」

 指一本の挿入でも痛がる海。しかし、慣れたのか快楽を拾い下から突き上げてくる中指の突き上げに海はリヴァイのスーツに愛液を垂らし、開かされた脚を震わせ身悶えていた。甘く啼く海の声に響く粘着質な音、それは余りにも卑猥で男はゾクゾクと身震いすら覚える。
 愛おしい妻の要求に忠実に応えるべく、リヴァイは中指を埋め愛液を纏いグチュグチュと上下に動かす指を止めず、そのまま親指で容易に感じるその上のクリトリスを愛液で滑らせるように優しく触れてそのまま刺激した。

「あっ! ああん……!」
「馬鹿、声でけぇよ」
「だ、だって……ああ、っ、んん〜っ!」

 胎内を中指で貫かれながら同時にクリトリスを擦られる刺激に弱い海は意図も容易く達してそのままリヴァイの胸板にもたれ掛かった。どろりと垂れた愛液をリヴァイは何の躊躇いもなく口に含む姿はどう見ても普段の潔癖症は存在しない。
 恋しい女のモノは何故こんなにも甘じょっぱく感じるのか。しかし、ここで終わる夜ではない。今夜はハロウィン、甘いお菓子をよこさないなら悪戯をする。
 本来はの楽しみはそこにあるものだ。

「海、今夜はハロウィンだな」
「ん……え……?」
「Trick or treat、だろ」
「あっ、ああっ……!」

 もう待てない。リヴァイは本能の土壇場で海の腰を抱え鍛え抜かれた腕の力だけで持ち上げるといつの間にかスーツとボクサーパンツを寛げ、海の淫らに感じる姿と黒猫の誘惑にすっかりと雄々しく勃ちあがった自身を海の黒レースの下着をずらし、一気に背後から海の胎内目掛けて突っ込んできたのだ。

「あっ、だめぇ、そんな……っ、入りません……んっ、ああっ、」
「海……っ、く……っ」
「ひゃ!あああっ……! ああぁん……深ぃっ!」

 ズン!と後ろからの不慣れな体制としかも突然の久しぶりの夫の熱い杭を震える胎内に打たれて海は痛みやら羞恥やらまだ快楽の余韻さえ残っているというのにこの男は遠慮なく夢中で突き上げてくるもんだから海はたまったもんではない。
 まるで自慰をするような動きで海の胎内を激しく扱くように自身でゴリゴリと抉る動きに悲鳴にも似た嬌声が上がった。

「あっ、はあっ……リヴァ……ん、やっ、ああっ! んああっ!」
「ひ……っ、ん……っ、海……っ、お前が誘惑してきたんだろ。」
「やぁっ、ああっ、壊れ、ちゃう……!」

 カチューシャも下着もそのままなのに2人の下半身はしっかり繋がっており、まるで本当に獣のような行為だ。淫らな黒猫に誘惑され虜になった狼は崩れ落ちそうな海をそのまま膝の上からベッドに押し付け、ズルルっ、と一瞬引き抜くとそのまま背後からまた獣のように久しぶりでまだ慣れていない海の許容範囲などとうに超えた自身でそのままリズミカルに突き上げてくる。

「っ……く、お前、すげぇな、すげぇ締め付けだし、絡みついてきて離れねぇ……」
「やっ、やだぁ、苦し……もう、ゆるし……んああんっ!」
「ああ……っ、はァ……気持ち、いいな……」

 背後からだと違う角度で子宮口に当たり、海の小さな膣口には大きすぎる彼のサイズはゆっくり挿入して徐々に慣らさないと痛いし苦しいのに。でも、今は濡れてるから挿入もスムーズで、そして、気持ちよくて。
 めちゃくちゃな思考に半泣きでリヴァイに両手首を掴まれ、海はそのまま仰け反り、その拍子に下着の中の胸がやわらかそうに揺れた。
 律動の度に海の秘所からは愛液が弾け飛びそれはリヴァイの鍛え抜かれた腹まで濡らし、そのままシーツにまで垂れた。

「っ……海、っ、ハァ……ハァ、ああ……、イッちまいそうだ、」
「あっ!? ああっ……やぁ……だめぇっ! だめっ! んああーっ!」
「っ……くっ……!」

 海はドクドクと胎内を躍動するリヴァイが普段よりも何倍増しにも色っぽい顔つきで震える姿にナカで達したことを胎内で体温を感じることは出来なくても、2人のつながりあったそこから漏れるそれは海の愛液とリヴァイの白濁が混合したものがその余韻として溢れる。一滴も逃したくない……。海は脱力しながらもキュッと力を込めた。

「っ……あの、リヴァイ……さん?」
「久しぶりだな、昔みてぇにそんな風に呼ぶなんて……」

 可愛い黒猫の海の誘惑に乗ってまさかこんな勢いで海をハメるなんて。まるで思春期の行為だとリヴァイ自身も驚きを隠せなかった。海の胎内から溜まりに溜まった欲を吐き出した自身を引き抜くと先程までの荒々しい行為から優しく頭を撫でた。栓を失った胎内からとろりと溢れる愛液と白濁の混ざったそれをシーツに垂らしながら海はそのままくたりとベッドにうつ伏せでこっちに尻を向けて突っ伏した。
 まるで本当に猫になったみたいに無防備だ。海は従順で飼い主に忠実な可愛い犬ころみたいだと思っていたのが今夜の下着姿で一転した。間違いなくこの女は悪戯好きで自分を翻弄する黒猫の一面を持っていると。しかし、そのギャップが思った以上に興奮剤となり、いい歳して服も着たまま夢中で行為に走ってしまうなんて。しかも、久しぶりだからかいつもじっくりゆっくり繋がるのに今回はフィニッシュも早かった。

「ったく……」
「ん……」
「オイ、何してやがる。」

 ふと、気がつくと海はこっちに這いずりすっかり萎えたリヴァイ自身に触れている。

「あ、あの……お口でお掃除しようかなって……」

 今のは空耳か?リヴァイは海の口から飛び出した余りにも淫らな言葉にまた萎えていた自身を触れられもう何発も出来るほど若くないはずなのに、また分身が熱を帯びた気がした。
 そう、明日も仕事だし、いくら見た目が若くても、鍛えていても、無茶も出来る歳でもない。それなのに。

「……は……お前ってやつは、本当に……」

 とことん淫らな黒猫はどうやら発情期だったらしい。今ので力の入らない下半身を引きずり必死に小さな口で自分自身を愛撫する海。他人の口で自身を口淫される行為があまり好きではないリヴァイだが、妻の口淫はむしろ大歓迎。
 嬉しそうに頭を撫でると、この奉仕のお返しを朝までしてやろうと虎視眈々とした目で自分の足の間に収まった海の頭を撫で、猫耳のカチューシャにそっと触れるのだった。

「なぁ、今度はお前が上に乗ってシテくれよ」

 にゃあ、と間抜けな海の甘い声が響いた気がした。

Fin.
2018.10.31
2021.04.11加筆修正
【×Halloween2018】

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