Going Under | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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【×Lavatory room】

 海は突如壁に押し付けられ唇を重ねてきた眼前の男の瞳を見つめ返した。
 獰猛な鷲のような切れ長の鋭い瞳、よく見れば玲瓏な顔つきをしているのに求める手つきは早急で、今さっきまで確か2人でトイレの電球を交換していたはずなのにどうしてこうなってしまったのだろうかと思考の片隅でぼんやり思った。
 用をたそうとたまたま海が入った時、トイレの電気が切れてしまいついでに電球を交換しようと手を伸ばした。しかし、小柄な海では天井の高い電球までその手は全く届かない。今までは長身のリヴァイの叔父がたまたま帰ってきてるタイミングで交換してもらっていたが、叔父は居ない。
 すぐ駆けつけたリヴァイに代わりにお願いしたのだが、成長期に鍛えすぎ鎧みたいに身体にまとわりつく筋肉が縦に伸びようとする成長を妨げて男子の平均身長にも満たない男では便座の上に乗っても届かない。
 そんな中で考えたのは、愛しい妻を肩に担いで肩車を、そしてまさに夫婦の共同作業を終えたところ。
 しかし、男は愛しい妻の柔らかな肢体が何よりも好きで、抱けば抱くほど妻の肌はほんのり赤く染まり滑らかに無骨なてのひらに吸い付きどこもかしこも柔らかい。
 小柄で華奢な海を重いとは思わないが、最近の海は自分と結婚し、自分とこうして肌を重ねる合うようになってから可愛らしさの中に女性らしさ、どこか色気を増したと感じた。
 そして肩車をしたことによって普段挟まれることの無い海の内腿の柔らかさに頬を包まれ、いい年した四十手前の男が興奮したのだ。
 結婚して数ヶ月。リヴァイの年のことも考え避妊を止めて子供を作ろうと、やっとお互いの意見が重なって。昨晩もあんなにがむしゃらに求めあったのに・・・初めは性行為に不慣れだった海なのに。今では従順に、夫のどんな求めにも拒絶することなく受け入れ、簡単に快楽を受け入れるようになった。
 海を肩車から降ろすなり、向かい合い黙ったままの海をトイレの壁に押し付けキスをし、狭い狭いトイレという閉鎖された排他的な場所で、生殖行為を行う。

「んっ……リヴァイ……っ? どしたの、……あっ、こんな所で……っ?」
「汚ぇと? いや、問題ねぇ、むしろトイレならいつも俺が綺麗にしてんだからどこよりも綺麗なのは保証する」
「ん、だって……こんな所でするなら……いつもみたいに、ベッドでっ……」
「ベッドなら昨晩お前が潮吹いてマットレス汚しちまったじゃねぇか」
「あっ、そ、それは……!」

 昨夜のことを思い起こせば男はますます興奮を覚えた。
 ーダメ、
 いや、
 お願い、
 暗闇の中で明かりはつけないで――!!
 懇願する海、言葉では拒絶するのに身体はとても素直でどんな事をしても受け入れ柔らかな両足をおっぴろげたまま。さんざんいじめ抜いて、清楚な見た目と裏腹に恥ずかしいことを喜ぶ海の相反するそのギャップがたまらなくて、真っ赤な顔で昨夜のことを思い出したのか海は大人しく夫の力強い抱擁を受け入れていた。
 着ていた海の桜色のニットを胸まで捲り、優しい色合いのパステルカラーの下着もグイッと押し上げると、柔らかそうな胸が控えめに揺れながら男の眼前に映る。色白で桜色の淡い色の突起に夢中で吸い付けば海はあっという間に瞳を蕩けさせた。
 便器の蓋を占め、腰を下ろしてその膝の上に海を導き軽々乗せて目の前に晒された両胸をくまなく愛撫する目の前の男の獣のような瞳を見つめた。
 お互いの指に光る銀色の指輪。指先と指先を繋ぎ、まだ新婚故の初々しさ、すれ違いお互い離れた期間があったからこそ、その距離を埋めるかのようにがむしゃらに求め合うことで欲望を昇華しようとした。

「海……」
「あ、リヴァイ……っ……っ」

 お前の身体はどこもかしこも柔けぇな。笑みはなくとも海の視界に映る男は至極楽しそうに見えた。どちらかと言えば男にこういう風に突拍子も無く求められる事を内心喜ぶ自分がいて、年の割に色気もなく幼い自分に旦那様が興奮してくれているのかと思うとまた触られてもいないのに昨夜の余韻の残る海の足の間はもう既にしとどに濡れて彼の無骨な指を受け入れる態勢となっていた。

「もう、濡らしてやがる。」
「んっ! んんっ……! ああんっ!」

 向かい合い、海のシフォンスカートをバッと太ももまで捲りあげ下着の隙間から差し込んだ指が器用に海の感じる部分をピンポイントに突き上げる。

「んんっ……!」

 向かい合って眼前の夫にこんな恥ずかしい姿を晒している。それだけでリヴァイに掴まれた胸は高鳴り海の肌は瞬く間に赤く赤く染まってゆく。

「ん、んああ……はっ、あっ、あっ!」

 胎内に指が埋まり、足の間から伝うそれは恋しい女が如何にこの状況に興奮しているのか、それとも昨夜出し切った自身の残りか、それとも昨夜からこのまま濡らしていたのか、比喩的な言葉は海の頬を真っ赤に染めて。

「ん、んんっ……」
「くそエロいな……何もしてねぇのに」
「あっ、んっ、」
「どんどん、溢れてるじゃねぇか……」

 そんな声で、そんなふうに耳元で囁かないで、恥ずかしい・・・。
 海は止まない愛撫に蕩けた瞳をして見つめるリヴァイの頭をかき抱いた。

「ん、んんっ、」
「考え事か? 随分余裕じゃねぇか……なぁ、」
「あっ、ああ……っ!ま、まっ……・!」

 その時、ピタリと太ももに宛てがわれたそれに海は身震いした。いつの間にか硬く張り詰めていたリヴァイ自身、重力に従い、いきなり真下からズブリと貫かれ海は目を見開き口を開け息を詰まらせた。拒みながらも胎内はよく濡れており、何度も覚えた彼自身をスムーズに受け入れてしまう。

「あ……っ、だめ、っ、急に入れないで……っ」
「その割に腰が揺れてるじゃねぇか……」
「ああ……っ! ふ、ンンっ!」
「っ……すげぇ……」

 じゅぷじゅぷと下から容赦なく、許容範囲をとうに超えた自身を慣らす前に自分のサイズに形を覚えた柔らかな海の胎内をゴツンと奥の奥まで届くように突き上げ、真下からの抱き合うような挿入は本当に子宮口を突き破られてしまいそうな質量と勢いさえ感じられる。

「海……」

 このままだとその締め付けだけでイッちまう。
 耐えられず慣らす前に先に動いたのは男だった。真下から抱き合うようにズンズンとリズミカルに突き上げられ、海はあまりの衝撃に声を満足に出すことも出来ない。
 ああ……息が詰まりそう、気持ちよさや痛みよりも強くなるこの衝動になんて名前を付けたらいいのか分からなくなるほど。唇を奪われ、呼吸すらも。つまり僅かな理性さえ奪われる。

「ああ……っ、リヴァイ、ああっ!」
「っ……」

 苦しく、その圧迫感にただ、夫の名前を呼び夫の膝から落ちてしまわないようにキュッ、キュッと離したくないと無意識にリヴァイを締めつけ離さない。初めてリヴァイと繋がった暑い暑い真夏の夜、あの時は息が詰まるほどに、不慣れな行為に胎内も驚き両足に込めた力、その後も何度も擦られた胎内はヒリヒリと火傷したかのように痛くて痛くてたまらなかったのに・・・今はもうあの痛みの欠片も微塵も思い出せない。

「ああ……っ、あっ、あっ、ああっ、」
「っ……」
「んあああ! ひっ、ひぁっ、ああっ、ンン〜!!」

 深すぎる快楽に思わずすがりつき逞しい肩にしがみついた海。柔らかな両胸をリヴァイに押し付け海は軽く達してしまった。その拍子に肩に深くくい込んだ海の爪、リヴァイは快楽と痛みに顔を顰め柔らかな胸の谷間に顔を埋め深呼吸した。
 海が立てた爪痕は深く刻まれ男の肩に残る。お互い上半身は衣服をまとったままなのに下半身はしっかり繋がり、リヴァイが下から突きあげる度ズチュズチュと淫らな愛液の混ざり合う音がする。昨夜の余韻の残る海の胎内を余すことなく自身で埋めて、昨日さんざんナカに放った精液の残りすら描き出す勢いで海と繋がりながらリヴァイは海の敏感な繋がり合う上にある突起を擦った。

「あっ……ひぁ……っ!」
「悪ぃ、ココも……忘れねぇようにしねぇとな」

 愛液をまぶして親指で律動の擦れる度にコリコリと強く擦りつけ、挿入の深さに夢中になっていた時に不意に刺激されて海はまん丸の目を見開き唇を噛み締め背中をのけぞらせた。

「ンああっ……っ、ダメぇ、いやああっ、ああンっ、いっしょに、しないで……っ」

 激しく下から突き上げられながらリズミカルに、女なら用意に感じてしまうそこを一緒に刺激されるのはただ、ただ、気持ち良さよりも苦しさの方が勝るのに、しかし、何度も愛された身体はもっとその高みを求めてリヴァイの足を海の愛液が濡らしてしまう。

「っ……っく……」
「あっ、あぁんっ、リヴァイ、ああっ、リヴァイ……も、おかしくなるぅ……んん、も、あっ、なっちゃうからダメなのぉ……!」

 快楽に促され、海の表情がとろとろにとけたような恍惚すら浮かべ、目の焦点が定まらなくなる。もっとして欲しい、無意識にリヴァイが下から突き上げるタイミングに合わせて海は拙いながらも細い腰を前後に揺らした。リヴァイの眼前に揺れる胸を晒して、リヴァイの上に股がった柔らかな海の肢体がより強い悦楽を貪り合う。

「んあっ、あうっ、ああっ、あっ、あっ、」
「っ……お前……」

 恥ずかしい、ダメ、と言っておきながら快楽に抗えない目の前で拙いながらも腰を揺らす妻の淫らな姿に男は余計に興奮し、やがて愛しさを募らせ2人は向かい合って唇を重ねながら深く上も下も繋がった。

「ん、あ……っ、ああんっ……!」

 絡めあった舌が離れて海は仰け反った。突如始まった狭い密室でのその行為はラストスパートだと激しさを増して行く。結合部分から滴る愛液を突起に塗りこまれ、尻を鷲掴みにされ、思い切り開かれ、海はただ、ただ、甘い声で身じろぎ、振り落とされないようにリヴァイにしがみつくしかない。しかし男が落とす訳もない。離さないように海を強く抱き締め強靭な腰つきでよりその衝動を強くしてゆく。

「あっ!? や、ああっ! リヴァイ、リヴァイ……!」
「っ……海……っく、」
「ああっ! ひあああっ! んああ〜っ!!」

 ぎゅうううっと強くリヴァイの張り詰めた自身を締め付け海は結っていた髪を振り乱し、仰け反ったまま達してしまった。何度も身体を重ねてるのに変わらず狭まる自身への強い強い締めつけにリヴァイも顔を顰め、海の胸に顔を埋めて息を詰め奥の奥まで射精した。

「あっ、ああっ……んんっ……」

 ドクドクと子宮に注がれる。胎内に感触はなくともリヴァイが達したのだと知ると、海はそのまま離したくないと欲を放ち萎えたリヴァイ自身をキュッと締めつけ瞳を閉じた。
 ひくひくと余韻に蠢く海の胎内。しかし、リヴァイはまだ止めたくないと。自身を抜かずに海を抱き締めると、また自身がむくむくと反り返り、衝動的に海を今度は向かいあわせから扉の方にくるりと向けた。

「やっ、やらぁっ……っ、こんな格好……っ、」
「止めて欲しいなら……さっさと妊娠すりゃいいんだ……」
「あっ、ああっ……! 奥までっ、……!」
「ブチ込んでんだよ。お前の駄目は駄目じゃねぇんだろ? もっとシたいって、身体が訴えてるじゃねぇか……」

 胎内に吐き出された濃い精液を零されぬように、まるで栓をするように2人の間から伝った卑猥な姿にリヴァイ自身はまたさらに興奮し、また再び反り返り硬さを取り戻していた。

「あっ、ンン、だめ……だめっ、ほんとに、おかしくなっちゃう……っ」
「もうとっくにおかしくなっちまってる……おら、ケツ突き出してもっとエロくなっちまえよ……」

 向かい合う形から今度は海を真後ろから抱きしめ、海のあまり好きではない後背位になる。柔らかな尻を揉み、2人の出したものをさらに海の胎内にすり込むようにリヴァイは腰を回して海の両胸を掴み中央に寄せてその頂きを指先で転がせば海は涙目で息を詰めて仰け反り、その拍子に揺れる胸を男は見逃さなかった。

「あっ、ひああっ、も、許して……っ、」
「まだだ……っ、あと少し、付き合え……」

 早急だったのに、今度はしつこくゆっくりと胎内にねじ込まれたリヴァイ自身にただ、ただ、言われるがままに海は狭い空間に脳裏まで支配され、すがりつくようにトイレの洗面台の縁に手をついて、再びお互いの体液で濡らし、与えられた快楽にただ身を委ねるのだった。

Fin.
2019.04.22
2021.04.11加筆修正
【×Lavatory room】

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