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【×Living room】

 母の死によって2人が一緒になったのは必然が偶然か。遠距離になってしまう2人を母親が導いてくれたのだろうか。
 リヴァイは出勤前に仏壇を徹底的に掃除し、美しい母親の遺影に手を合わせるのは日々の日課となっていた。
 入籍して間もない2人。そんな2人の入籍を助言したのはリヴァイの叔父のケニーであり、彼は二人きりで後はゆっくり楽しめと、再び海外に旅立ったのだった。
 新婚でもあり、これから待つのは2人の愛の巣の中で甘い甘い夫婦生活。かと思うが、リヴァイは幾ら焦がれた女と共に暮らせるようになったからと言って元々目つきも顔つきも悪く、海のように素直に感情を表に出すことは無いので、その喜びはあまり外から見ても分からない。
 ただ、疲れが溜まれば確かに求める物は無表情の下ではいつも海の笑顔を思っていた。リヴァイはリヴァイなりに妻としての海をいつも大切に思っていたし、この生活を守るためにより一層仕事に励むようになっていた。

「あっ、お帰りなさい、リヴァイ」
「ああ」
「ご飯にする? お風呂にする?」
「ああ、腹減ったから先にメシだな」
「あっ、うん。分かりました、用意するね」

 あの堅物のリヴァイが結婚したというニュースは会社で瞬く間に有名になった。会社では泣く子も黙る鬼のような主任として女からも男からも恐れられており、誰もが彼のことを畏怖の対象として見ていた。しかし、指輪はまだ買っていないし式もあげていない。不審に思う人間もいたが、彼の実母が亡くなったと社内報で回覧になっていたのもあり誰も口を挟みはしなかった。
 しかし周りの噂の声は確かに聞こえるし、相手は人妻とか元バツイチとかまで根も葉もない噂まで流れれば怒りすら覚えるし精神的に疲労も溜まる。
 どちらかと言えばリヴァイは今まで年上の女性との肉体的な付き合いが多かった。そんな自分がまさか嫁にしたのが可愛い幼顔の年下の女だとは、誰も思わないだろう。
 そんな仕事を終え、急ぎ足で帰宅のバスに乗る。
 海と結婚してからは残業をひとつもせずに帰るようになった。一刻も早く早く愛しい妻を抱きしめたい。
 下半身の違和感に疲れマラさえも感じつつやはり四十手前となるともう若くもねぇなと自分で理解している。しかし、このまま愛しい妻を抱く体力は余っている。きっと海を抱けばこのストレスも解放されるだろう。
 インターフォンを押さずそのままドアの前に立つと直ぐにドアが開かれ慣れないエプロン姿が可愛い海がニコニコ笑顔で出迎えてくれた。歳の差はあるが、そんなにある訳でもない。
 しかし、それよりも海は外見が幼く見えるのでパッと見一回り年下でも通じるし、海のことを知らない人からしたら自分はだいぶ年下のお嫁さんと結婚したと思われるだろう。
 お風呂にする?の後にもごもごと口を動かし瞳を伏せ何か言いかけた海。
 素直で分かりやすい海が何を考えているかなんて聡明な男からしたらお見通しだ。

「何か言いたげだな?」
「あ、あの、よく言うじゃない? お風呂にする? ご飯にする? それとも私? って」

 どうやら、新婚さんでお決まりのそのセリフを言いたかったらしいが、年の割にまだまだ純真な海は恥ずかしくて途中で黙り込んでしまったのだろう。本当に飽きない子だと思う。たまらなく愛しくてリヴァイは海を抱き締めていた。

「別にメシより風呂よりお前が先でも構わねぇが」
「へ!?」

 エプロン姿の可愛い奥さん。そう吐き捨て、男は海の手を引くと2人のリビングに向かった。

「もう毎日疲れてるんだ……早くお前で癒してくれよ……」

 沢山の美味しそうな和食が並んだ食卓。そのテーブルを横目に黒革のソファに海を押し倒し、リヴァイは着ていたジャケットを脱ぎ、ネクタイをしゅるりと緩めるとインナー姿になる。インナー越しにわかる逞しいリヴァイの鍛え抜かれた肉体にときめきを隠せない海。今から何が始まるか。子供じゃないのだ、すぐに分かる。
 愛しい海に口付け、組み敷いたままの海のエプロンを捲り上げるとその下に身にまとっていたピタッとしたニットのワンピースも一気に胸元までまくり上げてしまった。

「あっ、あっ、やだっ、リヴァイ……リヴァイ!」
「どうした?」
「っんんっ、」
「お前がそんな目で見るから先に頂いてんじゃねぇか」

 捲りあげた服からふるふると控えめに揺れる上下揃いの淡い紫の下着がリヴァイの視界に映り、年甲斐にもなく下半身に熱が集まるのを感じた。電気を消してと懇願する海の声を無視し、明るいリビングで構わずブラもを胸上まで押し上げ、下着は太ももまでずり下げて。そこからはもう男の本能の土壇場で。海の甘い抗議の声は最早理性をなくした獣の前では届きやしなかった。

 ▼

 ソファの上に置かれた海の足が何度もひくひくと痙攣したように跳ねる。ひっきりなしに聞こえる海の声と、グチュグチュとした粘着質な音は足の間に顔を埋める男には届いているのだろうか。

「いやああっ、そこっダメぇ、っ」
「なぁ、海よ。本当にお前は可愛いやつだな、そんな風に涙流して、顔もマンコもトロトロにして、随分良さそうじゃねぇか、なぁ?」
「んっ、んんっ、あっ、や、リヴァイじゃなきゃやなのぉっ、」
「お前……っ」

 すっかり膨らんで皮の剥けたクリトリスをコリコリと弄りながら中指はしっかり胎内を解すのを忘れない。しかし、下半身を口と舌で愛されるのが好きな海はもう中指だけでは足りないほどソファに垂れるまで愛液を溢れさせていた。

「あっ、んんっ、」
「ソファーに四つん這いになれ……初めてだよな、今夜は後ろから思い切り突っ込んでやるからな、」
「えっ、あのっ、待って……! あ、ああっ……!」
「くっ、……キツイな……」
「やぁんっ……あ、い、いたっ……! 無、無理だよぉっ、後ろから、っ……ああっ! あっ、んあっ、」
「馬鹿野郎が……もっと、力抜け……っ、」

 スーツを乱し、スラックスを寛げリヴァイの熱が海の柔らかく色白な尻臀をなぞる。いつも真下からか、又は向かい合って抱き合うのに、まるで獣の交尾みたいな交わりと不慣れな角度の挿入に前付きの海からしたら後ろからの挿入なんて、痛くて仕方ないのにいつにも増して濡れているから愛液はスムーズにリヴァイ自身を受け入れる。

「あっ、ああっ……ふぁぁっ、」
「っ、」

 ぬっ、ぬ、ぬぬぬ……っとゆっくりゆっくり愛液を潤滑油に確かめるように熱い杭が海の胎内を突き進んでゆく。後背位で眺める海の姿はまるで発情期の猫みたいだと男には錯覚して見えた。

「痛てぇ痛てぇ言う割にはしっかり濡れてんじゃねぇか。お前……前付きだからバックはキツイかもな。けど……慣れちまえば、気持ちいいぞ、」
「あっ、ああっ! んああっ」
「どうだ? まだ痛てぇか?」
「んああっ! あっ、あっ! いたくなっ、あっ、気持ちいい……っ!」
「は……っ、直ぐに慣れる、痛みも感じなくなるように抱いてんだからな……」

 海の柔らかな腰を掴みリヴァイは表情を変えず、しかし、かすかに頬を染め、息を乱しこのシチュエーションに興奮したのか根元まで収まるのを確かめるとバツバツと一心不乱に突き上げてきた。

「んんっ、ああっ!」
「くそっ……お前のナカ、ヨすぎてやべぇな。すっげぇ締め付けてくるしよ……」

 水音と臀部に肌と肌をぶつけあいながらリビングには激しい行為を物語る聞くに耐えない卑猥な音が響いた。

「ああっ! あっ、ああっ!」

 海は背後から容赦なく貫かれその衝動に次第に甘い声が悲鳴に変わる。上半身が耐えきれずにペしゃりと倒れ込むとその衝動に縋り付くように脱ぎ捨てたリヴァイのスーツに顔を埋める。清潔な男の香りに毎晩こんな風にリヴァイに抱かれ続けたら、身体がおかしくなってしまう……リヴァイなしじゃ居られなくなってしまう。どうしてこの人はこんな風に毎晩求めてくれるの?海はリヴァイに貫かれながら必死にスーツにしがみついてその激しい律動に耐えていた。

「あぁ……っ、海……っ、ナカに出すぞ……」
「んッんんっ、来てぇ、リヴァイ……!! あっ、ああっ! 来てぇっ!」
「くっ……海……っ、はっ、ああっ……出ちまう、……っ」
「あっ、ああっ、イク、イクのっ、あっ、あっ、んああああっ!!」

 遅漏ではないが断じて早漏でもない。
 ただ、限界を迎えるのがいつもよりも早く感じて。強い締めつけと普段とは違う体位での交わりに興奮したのか疲れマラで溜まっていたのか、いつもより早くリヴァイが達した。
 ビクビクとリヴァイの身体が何度も跳ねる。胎内が熱を感じることは無いが、きっと胎内に余すことなくその熱を注いだのだろう、気持ちよさでリヴァイも微かに声を漏らした。その低い声がたまらなくセクシーで、海はぼんやりした思考の中、胎内から芯を失ったリヴァイが出ていくのを追いかけた。
 リヴァイが放ったその1滴さえも零したくなくて、ソファを汚さないように海はきゅっと膣口を締めるようにソファにそのままうつ伏せのまま横になり、どんな時でもタフなリヴァイも流石になだれ込むような勢いだけのセックスに疲れたのかそのまま海の上に覆いかぶさり呼吸を整えていた。
 乱した息を整えた後、海はそのまま行き過ぎた快楽とベッド以外での行為に力尽きソファですやすや寝入ってしまっていた。さっきまで赤い顔に潤んだ瞳で強請っていたのに。今はまるであどけない子供みたいな寝顔で。リヴァイのスーツを抱き締めて。

「もうピルなんか飲まなくていいから、さっさと孕んじまえよ。馬鹿」

 まだ二人の時間を楽しみたいからとピルの服用を止めない海。いっそピルは隠してしまおうか。そうしたら、彼女は永遠に身も心も自分だけのものに出来るのに。リヴァイはお尻を向けたまま脱力して力尽きるように眠る海の足の間を伝った愛液をティッシュで丁寧に拭いてやった。
 一緒に居るのに、籍も入れたのに、母親の四十九日が落ち着くまでは形式ばったことは――……。
 いや、元々この先誰かと結婚など、する気もなかった。結婚は人生の墓場、自由気ままに生きる叔父のように、潔癖症の自分が赤の他人と暮らすなんて反吐が出る。そう思っていたが、今は違う。
 すっかりこの女によって変えられてしまったと言っても過言ではなく。形式的に海を自分のモノだと周りに知らしめたかった。
 そして、こんなにも純粋な海を獣みたいに犯して生でハメて、挙句中に出して。
 海の父親に今の娘の姿を見せたらショックで気を失うかもしれない。こんな風に強姦みたいに乱暴に抱いても自分を求めてくれる優しい海に暗い気持ちが立ち込める。幸せなはずなのに何処かまだ遠い海を抱きしめ、後処理をしてやるとそのままめくれあがってたワンピースも下着も元に戻して、そっとブランケットをかけてやるのだった。

Fin.
2019.01.03
2021.04.11加筆修正
【×Living room】

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