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【Behind the scenes32 】

この先に何があるのかは分からないけれど、2人の未来を、信じていたい。
いつか・・・夢でもいいからこんな日が来るのを待ち焦がれて夢に見ていた。お互い見つめるその眼差しが欲しくて・・・愛しくて。こんな風にロマンティックに告白をしてくれた目の前の彼を改めて凄く好きだと思った。
もうお互いの思いを隔てるものは何も無い。いつか離れる日が来ても、後悔しないように・・・今はこの瞬間を、重なった思いを分かち合いたい。

お互いの愛を確かめあうように優しくエミリオに導かれて二人分の体重を受けて沈むベッド、自分の腹部に跨り上から感じる彼の重み。全てを彼に委ね海はそっと瞳を閉じた。

「あっ、まって・・・!まだ、シャワーだけでも・・・」
「もう、我慢出来ない・・・」
「っ・・・んんっ、」

シャワーを浴びたいと訴えるがもう、今から始まるめくるめく行為の前に待ったなんて言葉は彼には存在しない。恋しいと抱き始めた女が目の前で横たわっているのに、今更どこかに行かせる気もさらさらなかった。

「そんなもの後にして、今は僕だけ見てろ。」

有無を言わさず情熱的に熱いキスと抱擁で訴えてくる年下の勢いと若さだけが残る彼からのこの先を連想させる言葉。こんな風に彼が自分を恋愛対象として見てくれるのが今も夢のようで。けど、この息苦しさは夢ではなくて。頷き、何度も何度も繰り返される啄むようなキスに息もままならなくて。咥内を彼の唇が、舌が、なぞるように触れる手つき。まだ身体に残っていたアルコールが脳内を駆け巡り、頭に痛みすら覚える。あっという間に着ていたドレスを脱がされ、気づいた時には爛々とした光の元に素肌を晒されていた。

「やっ、待って・・・リオ、電気っ、ひゃっ!」
「エミリオ、だ。」
「エミリオ、電気っ、消して・・・」

有無を言わさない紫根の瞳は海を金縛りにさせる。彼の声が、彼の目が全てを支配する。

「嫌だ。」

名前を改め懇願するように電気の存在を訴えるもエミリオは全く電気の存在など無視したかのように海のストラップレスのチューブトップタイプの下着をずり下ろせば簡単に柔らかな胸がリオンの眼前でふるりと揺れながら姿を見せた。若干汗ばんだその膨らみにやんわりと触れて、その控えめに主張する桜色の頂きに手を伸ばして唇が触れた瞬間海は真っ赤な顔で両手で隠すように覆った。

「海・・・」
「あっ、嫌っ・・・見ないで・・・」

こんな、明るい所で・・・。恥ずかしそうに身じろぐも顔が見えないのが不満なのか顔を隠す海の小さな抵抗を続けるその手を奪うようにリオンの片手に簡単にひとまとめに束ねられてしまうとようやく愛しい彼女の暗闇でも薄明かりでもない明るい人工的な光に何も身に纏わない海の裸体がリオンの眼前に映るようになった。

「隠すな、お前の全てを見ながら確かめたいんだ。」
「いやっ、だめっ、ああっ、」
「何も恥ずかしがることは無い。」
「じゃあ、エミリオも、脱いで・・・っ、私ばっかり・・・ズルい、」
「仕方ないな。」

むくれたように赤い顔に潤んだ瞳で懇願されるように見つめられればもう何も逆らえない。海の可愛らしい言動に振り回される自分は本当に愚かだ。しかし、愛を知らずにいた過去の自分とはもう決別し、本当の愛を知りかけている今の自分はもう海しか見えない。ぷいっと顔を反らす海に優しく微笑むと着ていたバスローブを脱ぎ捨て勿論同じく何も纏わない姿になった。

「何だ?」

分かっていてますます赤い顔でそっぽを向いた海に聞く。自分も恥ずかしいから裸になれと言ったのは海なのにいざとなればリオンの裸が恥ずかしくて直視できないのだろう。彼女は本当に自分より歳上なのか疑問に思うほどに幼く愛くるしい海の言動や態度に、翻弄される自分。

「っ・・・エミリオの身体、綺麗だから・・・恥ずかしいの・・・」
「そうか?」
「ん、そうなの。」

華奢な見た目よりも着痩せするボクサーのように筋肉質な傷を残す身体は彼がただの少年ではなく、国に使える剣士であったのだと思わせる。しかし、出会った時の少年のようなあどけなさはもう今はない。成長期の真っ只中にいる彼は幾分も背が伸びたし、腕もひとまわり以上太い。
服も買い直さなければならないほど日々成長しているその身体に今から抱かれると思うと彼に何度も愛された身体は彼を求めて疼くだけ。
焦れったそうに太ももを擦り合わせる海に気づくとエミリオは優しく微笑み彼女の履いていた下着もついに引き下げ、恥ずかしがって脚を閉じる前に柔らかな海の甘い唇に噛み付いた。

「いやぁっ、あ・・・んんっ!」

恥ずかしがる暇もないほど溶けるくらいの甘いキスをして逃げ回る舌を追いかけ、絡み、息付く暇もないほど無我夢中で抱き合って。
光の元に晒した海の素肌は暗闇で見るよりもずっと真っ白で、綺麗で、胸の高鳴りを抑えることなんてできなかった。男は女と脳の作りが違う、男は視覚で興奮するというのは本当らしい。もう我慢出来ない。まだ慣らしていない彼女の中に今すぐ入りたい。若い衝動は止められない。それを察して海も既に太股にあたる硬くなっていた彼に触れ、導いた。

「海っ・・・」
「エミリオ・・・来て・・・っ、」
「だが、前戯も無しにこのままではお前がまた辛い思いをする」
「いいのっ、エミリオで、入れて・・・慣らしてっ、」
「お前・・・」

思わず嘲笑したくなる程、とんだ殺し文句だ。
本当に彼女は・・・全く、無自覚だから尚更タチが悪い。これ以上ないってほど自分を何処まで溺れさせるというのだ。触ってもいないのに期待に焦がれて指で触れてもわかるほどそこはしとどに濡れているし、海も早く自分とひとつになりたいと訴えてくる。もうお互い我慢なんてできない。エミリオは早急に既に張り詰めていた自身を海の赤く色づいた入口に触れて、そして。一気に押し込むとその更に奥の子宮口まで腰を推し進め、海はあまりの質量に痛みよりも下腹部の圧迫感に息をつまらせ仰け反った。

「ああっ!急に奥まで・・・!」
「っ・・・お前が煽るから・・・」
「エミリオ、エミリオっ・・・っ!ああっ!」
「痛くないか?」
「ん・・・いたく、ない、けど、苦しい・・・」

いつもよりも彼自身の質量が増した気がするのは気のせいか?一気に自身を押し込んだのに海は痛みもなく違和感を感じながらも離したくないと最初から強く強く締め付けてくる。自身もいつも以上に興奮し、そして隔たりのない海の燃えるように熱い胎内にざらついた膣癖の締め付けに一気に高みへと持っていかれそうになりながら、しかし抗うようにエミリオは最初から我武者羅に腰を打ち付けた。

「ふっ、んんっ、あっ!ああっ!」
「っ・・・海・・・海・・・」

好きだ、たしかに幻でなく彼の生の声で聞いた。夢で焦がれた彼に抱かれ、そして熱い衝動が体を駆け巡り海は我慢出来ずに微かな痛みよりも快楽に流され声をあげた。初めて彼が自身を貫いた時はあんなに痛かった筈なのに、今はもう欠片も思い出せない。違和感を覚えはするが、萎縮することも不安になることもなく幸せと愛に満たされた今は柔らかく彼を受け入れ次から次へと彼が律動する度に溢れる愛液は触れられる前からとめどなく溢れて止まらない。

「っ、海、海・・・っ、」
「エミリオ・・・!んんっ、あ、あっ、」
「っ・・・は・・・」
「エミリオ・・・」

見つめ合い歯もぶつかるようなめちゃくちゃなキスをして、あまりの気持ちよさに、明るい場所でつながりあい余計に興奮度を増したエミリオが前後に動く度に卑猥な水音がして耳を覆いたくなるもその腕は彼によってシーツに押さえつけられ、ただ明るい光の中で身を捩るだけ。乱れるように長い髪がベッドのシーツに広がり互いの身体には汗が浮かぶ。

エミリオの瞳は潤み、普段はどんなときもポーカーフェイスでクールに澄ましている彼が今は頬を赤く染め、汗を垂らしてこの行為に没頭している。

「んんっ、やあっ、あっ、あっ!エミリオ!」

暑い、もう真夏はとっくに過ぎたというのに。お互い一糸纏わぬ姿で抱き合い何度も何度も身体を重ねて、心も結びあいその快楽は余計に凄まじいものとして2人を高みへと連れてゆく。海の口からはひっきりなしに甘い声が漏れ、それが尚更エミリオを興奮させる。

「やっ、もう・・・あっ、ああっ!だめぇ、っ、あーっ!!」
「っ・・・海・・・!」

柔らかな海の膣襞がせり上がりぎゅうっと強く締め付ける強さにエミリオはまだ間もないがあまりの快楽に耐えきれずに海の中にどくどくと欲を放った。いつもよりも長く続く絶頂、溢れる白濁が今抜いたらきっとこのシーツにまで垂れるほどに濃く、多く感じる。
まるでいきなり熱い湯に飛び込んだ時に感じるような衝動、戦闘の時とは違う。一気に体力を奪われそのまま海の胸に倒れ込んでしまった。

「っ・・・エミリオ・・・」

擦り寄る黒髪を抱き寄せその胸に抱く。1人孤独に生きてきた彼がずっと望んでいたもの。それを与えられるのは今の自分だけだと、どこかで自惚れていたい。
チクリ、チクリ、その痛みに顔をしかめるも彼が自分の胸元にその証を残しているのが分かるから受け入れ瞳を閉じた。

「海・・・いきなり、済まなかった、」
「ううん、いいの。」
「お前、こういうの嫌だろう・・・」
「ううん、嫌じゃないよ?」

心地よい気だるさに浸りながら汗だくのまま抱き合い息を整える。身体だけの繋がりよりも、心が深く繋がり感じ合うのがどれだけ気持ちいいのか。

「エミリオが好きで、ずっと、こうしたかったから・・・嫌じゃないのっ、」
「お前・・・」

本当に彼女は馬鹿だ。無意識にそうやって人を煽って。そしてようやく少し動きを取り戻して頬に触れ海の柔らかな唇にキスをすると海も今まで裸を隠そうとしていたのを抑えて手を伸ばした。

2人で夢中に唇を重ね合わせて、酔いもまだ覚めていない中いきなり抱いて大丈夫だったのかと不安さえ覚えるが海はリオンが思うよりも弱くはなかったし、子供ではない。

その証拠に海は今も濡れたような瞳で続きを促しているようで、海の中に収まっていた自身も既にまた硬さを取り戻しつつあって、ゆっくり引き抜こうとすると離したくないと海が未だ胎内を圧迫している自身に感じて小さく喘ぐとまた若いエミリオはゆっくりと動き始めた。

「海、」
「んっ、ああっ、エミリオ、」
「っ、もっとだ!もっとこの名を呼んでくれ・・・」
「んんっ、あっ!エミリオ、エミリオっ!!」

彼女に教えたヒューゴに殺された本当の名前を呼ばれたことで再びこの世に生を受けた。去年迎えた悲しい誕生日すらも忘れられるように消された自分に愛を与えてくれた愛しい存在。

自身の吐き出したそれと海の溢れる愛液がとめどなく溢れて止まらなくて。泣き叫ぶような声で果てた彼女と、自身が繋がりあっているそこよりも少し上の突起を愛液のついた手で擦り付けると海は真っ赤な顔で余計にエミリオ自身を締め付けるものだから余計止められなくなりますます激しく海を貫いた。

「あっ、はあっ、深いのっ、あっ!あんっ!」
「海・・・海・・・っ、」

うわ言のように海を呼び、固く張り詰めた自身を何度も何度も海の胎内に擦り付け強い締めつけにエミリオは欲望を吐き出し続けた。

「あんっ!エミリオっ!ま、まって・・・」
「止められない・・・っ、お前をもっと・・・感じたい・・・」
「ああんっ!エミリオ!エミリオっ、」

海の控えめに開いた両足を持ち上げ肩に抱き、再び律動を初めて。

「いやぁっ、そんなの!だめえっ、」
「確かに・・・駄目だな、見ろ、凄いな・・・」
「やああっ!電気、消してえっ!」

比喩するのは2人の繋がりあう場所。海の真っ赤な粘膜の部分が明るい光に晒されて、そこは赤く染まり愛液と自分の出した精液が混ざりあったそれが海の真っ白な臀部にまで垂れていて。あまりの卑猥な光景にエミリオは生唾を飲んで興奮にますます猛自身が海の中を刺激する。
垂れた愛液をすかさず、指先に取り海の繋がり合う秘所をまじまじと見つめ、エミリオは愛しげに瞳を細めながらその海の感じる上の突起を親指で擦り付け何度も何度も刺激すると海は目を見開きあまりの快楽の強さに絶叫した。

「このままでは、お前を壊してしまいそうだ・・・」
「いいよ・・・めちゃくちゃにしても・・・」
「海・・・」

ずっと2人は表裏1体のコインのようにすれ違っていたのだ。遠回りの果てにやっと辿り着いて、そして確かめ会えた思い。今はこの瞬間を噛み締めて居たい。

「海・・・、」
「ああっ!エミリオっ!」

海は自分の体がどうなってもいい、電気をつけたままの行為に恥ずかしさも感じなくなるほどエミリオの手つきに、貫く熱に浮かされこのまま果ててしまってもいいと思った。

「んああっ!エミリオっ、好き、好きなのっ、あっ、んんっ、ああーっ!」
「海・・・っ、海・・・僕もだ、お前が、好きだ・・・海!」
「あっ、ああっ!深ぃ・・・んんっ!」

体位を変え向かい合って抱き合い下から胎内を貫く彼の熱の熱さ。快楽を覚えた若い思春の肉体はもう尽きることを知らず止まらない。エミリオは目の前で自分が突き上げる度に控えめに揺れる可愛らしい胸を寄せてその谷間に顔を埋め幸せを噛み締めていた。正直もう揺さぶられる身体はとっくに限界を迎えている。まだやっと、この行為に痛みを感じなくなってきた訳だが気持ちよさよりもまだ違和感が勝る中めちゃくちゃに抱かれ、息も上手くできなくて、酸欠になりそうな感覚になる。

「海・・・」
「エミリオっ、・・・あっ、あっ、ああっ!」

けど、こんなに満たされて幸せな夜はもう二度と来ないのではないか、なら、腰が砕けても声が枯れてもいい、いつサヨナラをしても、悔いのないようにありのままの彼を受け入れよう、乾き始めた喉を鳴らし、海は再び始まる律動に堪えきれずに声を上げエミリオが何度果てても、自分が意識を飛ばして眠りにつくまで彼を受け入れ続けた。

Fin.
2018.06.18
【Behind the scenes32 】

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