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【ムゲンノカナタ】

※エミリオ社会人設定

今日のデートはいつもより遠出しようと言い出したのはエミリオだった。いつのまにか車の免許も取って、高そうな真っ黒なセダンに乗り、なかなか合わないお休みの中久しぶりに会えたからと私をどこかへ連れていってくれるみたい。

私とエミリオの貴重な久しぶりの2人でのお出かけはとても楽しくて、私はたまらなく嬉しくて、思わず車の中で流れる音楽を口ずさんでしまったけれども、エミリオはそんな私にいつも優しくて、微笑みながら私の頭を撫でてくれる。
エミリオとは近所で、父親同士が仲が良くて、恋人になる前からの顔なじみでもありルーティと併せてエミリオもずっとかわいい後輩だと思っていたのに。
「早く大人になりたい。」と、私と付き合い始める前から会う度そう口にしていたエミリオは成人してからは私のことを年下であるかのように接してくる。

遠出しようとエミリオが連れていってくれたのは県境にある最近リニューアルした天文台だった。2人でのんびり星空を満喫して次に向かったのはいかにもキラキラした若い女の子が好きそうなおしゃれなカフェ。しかもエミリオにご馳走になってしまった。前はいつも私が奢る立場だったのに。

「今までさんざん奢ってもらったからな。だから過去の分はこれから全て帳消しにする。」

そう言って笑う笑顔があまりにもかっこいいからドキドキして私は俯くばかり。いつのまにかこんなに大人になってしまったんだと改めて感じた。もう可愛い年下の男の子だったエミリオはいないのだ。

高速道路に乗って車はさらに県外ヘ。エミリオの車で、しかも2人でこんなに遠くに来たのは初めてだ。県をふたつも跨いで夕飯には私の大好きな家系ラーメンもごちそうしてくれた。
大口を開けるハンバーガーやラーメンは麺を啜るから下品だから嫌だって言ってたのに、今日は特別だからと私のワガママに付き合ってくれた。

そうして思い出す。今日はエミリオと恋人になって1年目の記念すべき日。明日もふたりの仕事はお休み。そうして今から地元に帰るなんて選択肢はないのだろう。

「どうする?どこかに泊まる?」

どこか予約でもしていたのかな?首をかしげながら何度も尋ねるけど、エミリオはずっと無言で何も言わない。そうしてエミリオがたどり着いたのはシンプルな・・・だけど、流石に子供じゃないからわかるけど、ホテルの名前からしてそこはラブホテルだった。
まさかエミリオがこんな所を選ぶなんて・・・でも、エミリオなりに私に気を遣ってここをチョイスしたんだと思うと決して嫌ではなくて。
恋人たちが愛を育むホテルの入口で誰かと鉢合わせしたらどうしようと思ったけどここは県外。きっと誰に会うこともない。

2人でパネルの中から部屋を選ぶと私の好きな可愛らしいフリルであしらわれたお姫様のお部屋みたいな一室を選んでくれた。無料で借りれるシャンプーや入浴剤やアメニティを持ち込み部屋へ向かうと、可愛らしい部屋が私を迎えてくれた。

「わぁ!かわいいっ!」
「気に入ったか?」
「うんっ、とっても嬉しい!ありがとう、エミリオ」

嬉しくてその場をくるくる回りながら天蓋付きのふかふかのベッドに飛び込んだ私の頭をぽんぽんと撫でるとエミリオは長い間運転して疲れてる筈なのに私に疲れてないかと気遣ってくれる。こんなに優しくて素敵な彼氏はこの世にいるのだろうか。家柄も顔も良くて、そして何よりも優しい。昔の冷めてて捻くれていた頃の彼が懐かしくもあるほど、今の彼はとても頼もしく見えた。

「わぁ、これもすごいね、色々頼んだりできるんだね」

思ったよりもホテルの中はしっかり清掃が行き届いてるし、怪しいカメラとか鏡張りの部屋とかだったらどうしようと思ったけど大丈夫そうで一安心。でもビジネスホテルとは違うのは…。大人の自販機やメニューやらいろいろ盛りだくさんで壁にはメイドのコスチュームがかけられている。
エミリオはこいうの喜びそうな感じはしないけど、ホントのところはどうなのかな?よく男の人はコスプレしたままのエッチに興奮するって聞くけれど・・
まぁコスプレどころか、下品で露骨なものは好みじゃないと跳ね除けられるかもしれないけれど。

気づくとエミリオの姿はなくて、お風呂から聞こえるシャワーの音。どうやら泡風呂を作ってくれるみたい。手に取るとフリルがついた可愛らしい露出も激しくない標準的なメイド服。
これならきっと、普通に着てれば大丈夫。そう思ってそれを手にエミリオとお風呂に入る為に浴室に向かった。浴槽に手を突っ込んでシャワーでお風呂を泡立てるエミリオが居て、もこもこの泡風呂に感動して思わず後ろから抱き着いた。

「わぁ、すごいねぇ!」
「入るか?一緒に。」
「う、んっ、」

こんなに大きいお風呂に入ったのは今までない。だっていつもエミリオと会うのは私の一人暮らしのおんぼろアパートだったし、今までこういうホテルに泊まることもなかったから。

「服、脱がせてくれ。」
「ええっ!い、いやよっ、恥ずかしいもんっ、自分で脱ぎなさいっ」
「そうか・・・」

そんな露骨に落ち込まなくても。何度か身体を重ねたとしても、エミリオとお風呂に入るなんてとてつもなく恥ずかしい。
けど、アパートは狭くて一緒には入れないし、ホテルの大きなお風呂なら2人が入っても全然気にならないくらいゆったりしている。泡だから裸も見られない。けれど浴槽から離れて入ることは許されなくて・・・エミリオにタオルで目隠しをさせて服を脱いだ私が先に入ると次にエミリオが続いた。勿論エミリオも何も身につけていなくて・・・そして招かれたのはエミリオの膝の上。

嫌だと拒否をすればエミリオは子供みたいに拗ねてそっぽを向いてしまうだろうから、ここに連れてきてくれたのに拒むなんていけない。言われるままに腰を下ろすと、お湯の中で私のお尻に柔らかい彼自身が当たって腰が跳ねるもそのまま背後から抱き締められてその腕の中に落ち着く。

「海・・・」
「っ、・・・ま、って、お風呂くらいゆっくり・・・あっ!」

まだ、お風呂に入ったばかりなのに。泡風呂にこの独特の雰囲気に興奮したエミリオに低く甘い声で名前を呼ばれて思わず身震いするとエミリオは一瞬息を呑むと私の両胸を包んでお湯の浮力で持ち上げて優しく揉み始めた。

「っ・・・んっ!エミリ、オ・・・」
「海・・・」

始めは全体をゆっくり、そしてお風呂の中でいつもよりも柔らかくなった胸の次に硬くなり始めた胸の頂きに触れて転がすように。お尻に当たっていたエミリオの熱い熱がだんだん硬さを増してゆく。

「ずっと、こうしてお前に触りたかった。」
「エミリオ・・・ンんッ、わ、たし、も・・・」
「仕事のせいで1ヶ月もお前に触れないなんて・・・どれだけ我慢したか・・・」
「だからここにしたの?」
「たまにはいいだろう?」
「んもぅ、」

大卒社会人になったばかりでいろいろ泊まり込みの研修やら何やら盛りだくさんだったから、こうしてエミリオに抱かれるのは本当に久しぶりに感じる。
エミリオもずっと会えなくて我慢をしていたと思うなら尚更拒めない。だって、エミリオに名前を呼ばれるだけでガチガチに凍てついた私の身体は簡単に解けてゆく。ただお泊まりするだけかなぁ、なんて、でもそれは違くて、健全な男女なら抱き合って眠るのは当たり前だ。

「んん、ああっ・・・、」
「く・・・っ、ん・・・海・・・っ、」

結局、お風呂で泡がなくなるまでエミリオは離してくれなくて、私はのぼせるまでエミリオに抱かれ続けた。浴槽の縁に座らされてさんざん指と唇で愛されて、前戯なんていらないくらいに濡れた私のそこを貫くエミリオの熱。

「えっ!待って・・・、んんっ、」
「っ・・・海・・・」

前からと、そして苦手な後ろからも。前付きの私には後ろから貫かれるのは奥まで届かないし、痛くて仕方ないのにエミリオが求めるから抵抗もできずさんざん濡らされたそこはどんな体位でも受け入れてしまう。でも、あんなに痛かったのに慣らされてからは痛みどころか快楽しか感じなくて、もっと、もっとと。浅はかに願ってしまう。

もう少しで達してしまいそうなところで中途半端に止められて湯冷めするからとベッドで続きを促される。行き場のない快楽は余計に猛ぶりを加速させた。
先に待ってると言って髪を乾かしてエミリオに見つからないように隠していたアレを取り出した。さっきのメイド服。エミリオはどんな反応をするのかな・・・

「海?」

髪を乾かしてきたエミリオが浴室から出てくるタイミングで私はメイド服を着てエミリオを迎えたけれど、ドン引きされたらどうしよう、なんて言ったらいいかわからなくて今更恥ずかしさがこみ上げてくる。
もじもじとフリルのエプロンを握りしめるとバスローブ姿のエミリオは直立不動で目を見開いている。胸元がセクシーで、まるで出演待ちのアダルトビデオの俳優さんみたいだなんて思いながらもその姿も様になってるなぁと。でも、思考の片隅でやっぱり私のこの服装にドン引きしてるんだ・・・余計なことしなきゃよかったなんて、いろんな感情が渦をまいて。

「へ、変かな・・・変だよねっ、そ、そうだよね、いい歳の、アラサーなのにっ、」
「いや・・・お前・・・」

けど、よく見ればエミリオの顔は真っ赤で、直視出来ず私から目をそらしている。

「変なわけあるか。お前・・・そんないやらしい服で僕を誘ったんだろう、」
「エミリオ?ん?」
「ご主人様だ。お前はメイドなんだろう?」

真っ赤な顔から次に見たエミリオはニヤリとほくそ笑むように私を見つめていた。手首をひかれて、リン、と私の首のチョーカーが揺れる。ああ、しまった。かえって、エミリオの静かに燃えていた欲望に私は火種を投げ込んでしまったみたい。そして押し倒されたふかふかのベッド、エミリオに激しく口付けられ、私はまだ若いエミリオを相手に体力、持つかなと、不安になった。

「エミリオ、やっ、んんっ!」
「ご主人様だろ?」
「あっ、ご、しゅじん、さま…」
「いいな、それ、」

エミリオと呼んだらお預けだからな。と、エミリオこと、ご主人様。私はどうすることも出来なくてただ言われたとおりに従うことしか出来なくて与えられる快楽にひっきりなしに続く愛撫に漏れる声を抑えることが出来ない。着ていたメイド服は半端に脱がされて、ヘッドドレスは枕の方に押しやられて息もままならない。
さっきまで貫かれていたそこはエミリオを求めて自分でも恥ずかしくなるくらいに濡れているのがお尻まで冷たくなるくらいに分かる。
エミリオの指が私の胎内を行き交う度にぐちゅぐちゅといやらしい音がして、私は腰をくねらせて甘い声を発するしかできない。

「ん、んっ、ああっ、」
「可愛いメイドだな、お前は。ほら、欲しいならなんて言うんだ?」

エミリオはこの雰囲気と私の服装にすっかり興奮してしまい。普段の落ち着いたクールな彼はどこにもいない。その瞳は欲を抱いて飢えた肉食獣のようにギラギラしていて饒舌に私を煽るから私は与えられる快楽に酔うしかない。

「え、そんなの、嫌っ・・・」
「言わないとこのままだそ。」

そして、性行為で女性なら容易く感じてしまう突起をエミリオは愛液をまぶして扱き始めた瞬間、待ち焦がれた快楽に私は軽く達してしまった。脱力して愛液がそこからまた溢れて、エミリオは迷いなくそれを口にする。

「ああっ!」
「すごいな・・・メイドは此処を弄られるのが好きらしい。」
「んあぁ、だ、だめぇ・・・!」
「海・・・濡れすぎだ。すごいな、お前こう言う風にされるの、好きだったのか、知らなかった」
「んん・・・」

急すぎる強い刺激に身悶えながらエミリオにうっとりみつめられ口づけられて、私の胎内を掻き回すエミリオのその手は動くことを止めないし、私もこの雰囲気にすっかり酔ってしまったみたい。恥ずかしくてたまらないのに私はメイドなんだと言う錯覚さえ抱いてしまうほど、気持ちがいい。

「っ・・・海・・・」
「あっ!んああっ!」
「いつも我慢させてるからな、声、抑えなくてもいいからな?・・・好きなだけ声を出せ、」
「はっ、んんっ、待って、ああんっ!」
「っ・・・海・・・」

ガバッと両膝を持ち上げられてそのまま思い切り開いた。さっきまで中途半端になっていた私の胎内に栓をする様にみっちりと埋まったエミリオの熱い杭が一気に私の身体を貫く。強い刺激に一瞬視界がくらんで、軽く私は意識を飛ばした。

いつもの優しく身体を気遣うような彼は居ない。欲に支配されてお風呂で中途半端だった分もあり、最初から激しく私を貫き前後運動を繰り返すエミリオ。その度にずちゅずちゅと卑猥な水音と肌と肌がぶつかりあう音が2人だけの部屋に反響する。

「あっ!だめっ、やっ、はんっ、んあっ、エミリオっ、あっ、いたぁ・・・」
「"ご主人様"だろ?それに、ご主人様に向かってその口調はなんだ?」
「はい。ごめんなさい・・・」

いきなりフリルのエプロンから零れた胸の頂きを痛くなるくらいにぎゅっと抓られ痛みに背を反らすと胎内を貫きなながらも、ご主人様と言い直さないと駄目だと怒られて痛みに耐えきれず私は叫ぶように腰を揺らした。そろそろエミリオも限界なはず。それなのに、エミリオは全く限界を感じさせず激しく奥の子宮口に当たるように突き上げてくる。強い刺激に腰が浮き、私は年下の彼に翻弄されっぱなしのまま欲に染まった声で叫んだ。

「んんっ、ああ〜……っ!ああっ!もういっちゃう!だめっ!だめええっ!」
「っ・・・海・・・」

熱に浮かされ美形な顔は恍惚の表情を浮かべて、薄暗く照明が照らされ、ムードのあるホテルの一室でバスローブを半端に乱して、エミリオから流れる汗がすごく卑猥に映える。バスローブから覗く肩から腕のがっしりした筋肉にかけてのライン。リンリンと鳴り響く鈴の音。縋るように抱き合い深く混じりあうと、エミリオは激しく口付けてきた。舌と舌を絡めるようなキスに上も下も深く深く繋がって。両膝をくっつけてぎゅうっと胎内のエミリオ自身を締め付けるとエミリオは気持ちよさそうに切なげに瞳を細めて。セクシーな低い声が耳をくすぐる。

「海・・・っ、・・・イキそうだ・・・」
「あっ!んんっ、来てっ、来てぇ・・・エミリオ、っ、」
「っ・・・海・・・!」
「ひああっ!ああっ!ああーッ!!」

ドクドクと、生のエミリオが私の中で果てて私もその衝動で達してしまった。呼吸を荒らげてエミリオはビクビクと震えながら強い絶頂に力なくズルリと私の中から萎えた自身を抜き去る。栓を抜かれた私のそこからはエミリオの出した熱い白濁が流れてお尻をつたいシーツを濡らした。

「海・・・」
「んっ・・・」

抱き合い戯れのキスを交わして、熱くてたまらなくて2人でお互いの服を脱ぎあうと、バスローブを脱ぎ捨てたエミリオと素肌のまま抱き合った。激しすぎた行為に力なくベットに倒れ込んだ私に口付けるエミリオ。でも履いているニーハイソックスは身についたままで、なんだか裸でいるよりも恥ずかしい。

「悪かった・・・やり過ぎたな。」
「んんっ、・・・いいの・・・」
「けど、今日のお前は・・・いつもよりもいやらしかったぞ、」

そっと、髪を撫でられて私の瞳の端に溜まった涙を拭ってキスをしてくれる。さっきまであんなに激しかったのに今は優しく触れてくれる。中に出したら、自身にまとわりつくわけで、それが気持ち悪くてすぐ、シャワーを浴びたくなるはずなのにエミリオは決して私を置いてシャワーを浴びたりはしない。
意地悪なのに。けど、優しいエミリオの温もりに安心しているとエミリオはベッドの脇に放り投げたバスローブに手を伸ばすとバスローブの紐を取りしゅるしゅると私の手首に巻き付けてそれをベッドのパイプに繋いでしまった。

「ええっ・・・!な、なぁ、に・・・?」
「まだ終わったと思うなよ?」
「ひゃぁんっ!」

ズン!っと私が回復するのを待たずにいつのまにかさっき達した筈のエミリオなのにまたさっきまで、埋めていたそこへ自身を埋め込み激しい腰使いで動き出した。

「やっ、やぁっ!まだいったばかりだから、っ!」
「っ・・・まずいな、止めれそうにない・・・だから、満足するまで、付き合ってくれ。」
「無理、無理だよぉ、死んじゃう・・・!」
「いいだろ?望み通り死ぬまでいかせてやるから。」

思ったよりもコスチュームプレイはエミリオの、ご主人様のお気に召したようで、両腕を縛られた私はエミリオが満足するまで、色んな体位とメイドとご主人様と言う立場を使ったエミリオに抱かれ続けるのでした。


Fin.
【ムゲンノカナタ】

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