Going Under | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

【あなたを求めて波打つ身体】

 調査兵団になってから自分の学んできた事を、座学や体術を人に教える日がくるなんて、生きてきて此方ちっとも思わなかった。立体機動装置のやり方だって幼い頃父親に教えて貰ったものだし。後は我流のリヴァイの言われた通りのような拙いものだったし、座学は1人書物と睨み合って勉強してきたもの。だからこそ、戦えなくなってしまった使い物にならない私を、訓練兵団の教官として声がかかった時、とても嬉しかった。
 候補生104期生の中にはかつての幼なじみのエレンもアルミンも居て、そしてその中でも一際可愛い女神のような女の子が居るとの噂で兵団内は持ち切りだった。どんな子なのかな?と声をかける機会があったから、たまたまいつもいるユミルではなく、1人でいる所を見かけて声をかけてみれば、思った通り。彼女は心も見た目も華やかで清らかな正統派の美少女だった。

「こんにちは。クリスタ!」
「あっ! 海教官!」
「ひとりで何してたのっ?」
「先程の教官の体術のおさらいをしてて……でも、海教官はすごくてかっこよかったです。今度投げ方教えてください」
「うん。いいよっ! あ、でも私のことは教官だなんて畏まらなくていいからね?」
「本当に、いいんですか……?では……海さん。私と身長近いのに、すごく強くてびっくりしました」
「ふふっ、そうかな? でも幾ら体術が強くても素手で巨人は倒せないからね」

 教官になって不安なこともあったけど104期生の子達はみんな飲み込みが早いし、優秀な子達ばかりで、それに、エレンやアルミンみたいに、あの辛い出来事を乗り越えてきた子達は皆顔つきが、覚悟が違う。

 ▼

 怪我を機に分隊長としての立場を捨てて前線から退いた私をリヴァイはいつも支えてくれた。けど、リヴァイは私がこの先巨人に食べられる心配も怪我する危険な目に遭わないと思う事に対してほっとしているみたいで。そしてそれをいい機会だと結婚して嫁になれと思っているようで私もそれに頷いた。
 訓練が終わる度、本部に戻り、いつものように足はひとまず、リヴァイの個室へ向かう。まだ2人で暮らす家も決まっていないけれど、きっとそれは近いうちに叶うだろう。

「それでね、104期生のみんな男の子も女の子もみんな本当に可愛いの。こう、ぎゅうってしてあげたくなっちゃう。」

 後ろから書類の処理をしていたリヴァイを抱き締めると、リヴァイはうんざりしたかのようにその手を払う。けれど、それは拒否ではなく照れ隠しでもあるし、私と向き合うため。くるりと振り向くとリヴァイは作業を止めて足を組んだ。

「そうか。どうやらお前は巨人と戦ってバカやらかすよりも教官の方が向いてるのかもしれねぇな、」
「うん。そうかもしれない……。あ、それでね、女神って言われてるすごい美少女がいたのよ!」

 リヴァイも見たら絶対に絶対に可愛いって言うに決まってるよ!そう懸命に訴えるのにリヴァイは相変わらずのポーカーフェイスの死んだ目で私を見つめてくる。彼のことを怖いという人もいるけれど、でも、死んだ目は生まれつきだし、私にはリヴァイがぶっきらぼうでも、愛情深く心根が何よりも優しい人だと、知るからこそその眼差しに見つめられるとじんわりと、長い付き合いになる彼への愛おしさで溢れる。

「なぁ、海よ。……俺にとっちゃお前が女神なんだがな」
「え? どうしたの? ついに壁外調査で疲れて頭おかしくなっちゃった?」
「……もう、いい。寝る」

 しまった。滅多に甘い言葉なんて言わない彼からの甘い言葉を真に受けずにそのまま疑ってしまうなんて。取り繕う暇もなく、慌てて駆け寄るも時すでに遅し。リヴァイはすっかり拗ねてしまい、夜着のまま執務室に隣接した寝室に行ってしまった。

「ねぇ、リヴァイ……ごめんってば……」
「うるせぇな」

 布団をすっぽり頭まで被って黙り込む彼を何とか宥めようとするけど、リヴァイはすっかり拗ねてしまっている。私よりもいい歳した大人なのに、時折見せるそう言った無防備な姿もたまらなくさせる。ようやく訪れたふたりきりの穏やかな時間極力時間を作って私はリヴァイに会いに行っていた。

「もぅ……ごめんったら、お願い。何でもするから……ご機嫌直して?」
「そうか。何でも、か」

 何でもするから。と、そう告げたその瞬間、リヴァイは頭までかぶっていた布団をずらして鷲のように鋭い三白眼の瞳が暗闇の中で獰猛に光ったと思えば手首を掴まれてリヴァイがさっきまで潜っていたベッドに押し倒されて、深く唇を奪われていた。

「あっ、……んっ! リヴァイ……」
「何でもするか。それも……悪くない。それならたまにはお前が俺の上に乗っかれ」
「だ、ダメ……出来な……っ、ちょっと!」

 そうこうしている間にリヴァイにあっという間に脱がされた教官の制服、身につけていた下着も脱がされて私は一糸まとわぬ姿でリヴァイに胸からしたに手を通され、そのまま軽々と膝の上に乗せられてしまった。

「いい眺めだな。暗くて良く見えねぇが」
「やっ、見ないで」

 恥ずかしくて両手で胸と下腹部を隠すとリヴァイは舌打ちをして、「いちいち隠すんじゃねぇ」と一気にその両腕を後ろに回され片手の強い力で固定されてしまった。リヴァイの眼前に裸の私を晒されて恥ずかしくてたまらない。それなのにリヴァイは当たり前のように私の髪を掴むと引き寄せ、とろけるような甘いキスをくれた。

「ん、……」

 次第にねっとりと絡みつくような、歯列を舌先が辿り、お互いの飲みきれなかった唾液が二人の顎を伝って。麻薬のように深くなるキスにクラクラと目眩がした。あの潔癖なリヴァイがこんな風に情熱的なキスをするなんて・・・一体誰が想像するのかな。自分が汚れるのは絶対に許さない人が、お世辞にも綺麗とは言えない、むしろ汚れる行為を受け入れるのは・・・

「リヴァイ……」

 リヴァイの兵団服もそっと脱がせて、人類最強と言う名の称号にふさわしい筋肉の鎧を纏った逞しい身体と私のお世辞にも、グラマーではない頼りない身体が絡み合う。リヴァイは満足気な顔で私の胸を掴みあげ、唇を寄せて、もう、しとどに恥ずかしいくらいに濡れている膣口に指を埋め込み何度も往復させながら耳元で囁いた。ぷっくりした突起も親指で擦られて、膝から崩れてしまいそうな快楽にリヴァイの上に乗ったままの体制で必死に我慢をして、目の前には精悍な顔つきの愛しい恋人が見ていると思うとドキドキして今にも心臓が爆発してしまいそうなほど恥ずかしい。

「あっ、はぁっ、んんっ、リヴァイ……っ、」
「よぉ、その声……相変わらず腰にクるな。お前の可愛がってる候補生共にも普段出さねぇようなその甘い声、聞かせてやれよ、まだ女にハメたことのねぇガキ共の中にはお前のこのでっけぇケツとか、ツンとした胸に触りてぇとか思ってるかもしれねぇな」
「あんっ、そんなっ、……10代の子達にそんな教育なんてしたら……」
「嘘つくな。好き者のくせによ。おら、早く入れろ」
「あ……っ、んぁあっ」

 私の痴態に感じてくれたのか、いつの間にか下着から取り出した熱く猛ぶったリヴァイの熱が私の太股に触れた。それを掴んで、ゆっくり、ゆっくり恐る恐る。確かめるようにリヴァイの硬くそそり立つ熱を私の入口に埋め込んでそろそろ受け入れてゆく。硬く反り立つそれは相変わらず大きくて、子宮の入口をグリグリ圧迫して、少し痛んで質量が大きくて苦しい。動くのも、少し待たないと苦しいのにリヴァイは待ちきれないと瞳を熱に浮かされたまま潤ませ私の不慣れな腰の動きにしかめ面をしていた。

「んっ、んっ……」
「おい下手クソ、俺は心肺蘇生しろなんていってない」
「だ、だって……あっ」

 リヴァイがベッドに仰向けに寝っ転がって私が上から乗っかり腰をうまく動かそうとするのに、なかなか上手に動けない。硬い胸板に手を当てて必死に腰の上下運動を繰り返す私にリヴァイが力の抜けるような吹き出しそうな突っ込みを入れてきたと思った瞬間、

「本当に下っ手くそだなてめぇは……こうするんだ……よっ!」
「ひゃっ! ああっ!?」

 ズン!と、下からの物凄い衝撃に。熱い熱に貫かれて私は息を詰めて一気に上り詰め達してしまった。そこからはリヴァイのいいようにお尻を捕まれてそのままぐいっと割り開かれずんずんと下から激しく容赦なく突き上げられて、悲鳴にも似た甘い叫びが止まらなくなってしまった。

「ああっ!? やだァ……っ! いじわるううぅ……っ!」
「そんなに焦らして・・・待てるかよ……っ、お前がっ、マゾなんだろ・・・こういう風に犯されるのが好きな癖に・・・」
「っあん! ……ばかっ! ああっ! やあっ!」
「あ? 馬鹿だ?? オイオイオイ、誰に向かって口きいてんだてめぇはよ」

 リヴァイにめちゃくちゃに下から突き上げられる激しい刺激に断続的な快楽が襲う。うまく息が出来ない。このままじゃ・・・苦しくて死んでしまいそう・・・それなのに私の腰も無意識に揺れて真下からの深い挿入に悦んでいる。

「あっ、あっ! リ、ヴァイ……ダメえっ、すぐに、ダメなっちゃうの……!」
「おら、イケよ。何度でも、……そんで、おかしくなっちまえ」

 下腹部から2人の繋がり合う証の粘着質な音が絶えず響いて、耳を塞ぎたくなる。けど、愛し合う行為を止めることは出来なくて。まるで蛇みたいに絡みついて離さない、離れられなくなる。
 リヴァイの低い声が好きで、それが耳の中に染み渡って、私が強くリヴァイ自身をぐっと締め付けるとリヴァイも息をつまらせて欲を吐き出した。その飛沫を全身で受け止めて、クタクタになったままの私が達してもリヴァイは何度も、何度も貫いてきて、最終的に私はそのまま強制的に意識を遮断させられてしまった。

「……あぁ、悪ぃ、ヤリ過ぎたな」

 気を失うように崩れ落ちて眠ってしまった私の後処理をしながらリヴァイは1人呟いていた。

「お前が悪いんだからな。バカ海……俺の傍に居るって言っときながら、さっさといなくなっちまう……早く俺の子を孕め。とっとと……兵団自体辞めちまえ」

 人類の為に捧げる心臓を私は世界で、誰よりも大切なリヴァイに捧げたの。だから、これからも私は私なりの出来ることでリヴァイを支えたい。人類最強と言う称号にふさわしい、人類の期待を背負って戦うあなたに釣り合うためには自分はもっと血のにじむような努力をしなければいけない。


 Fin.

【あなたを求めて波打つ身体】

prev |next
[back to top]