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【PASSION】

「クライス…!」
「…海、」

仕事帰り、今日も朝から晩まで走り回りクッタクタに稼いでさぁ愛する彼女のもとへ帰ろうとした時、聞きなれた甘くないソプラノボイスに振り向くとそこには買い物袋を下げた海の姿があった。
2回りも3回りも小さくてちょこんとした身体で大きな買い物袋をもって…はじめてのお使いのような微笑ましい気持ちになる。
近くのベンチに座り込んで待っていたのか…そう考えるとにこにこと屈託なく笑う海の笑顔に胸の内が温かくなり、らしくもなくニヤケそうになる顔を堪えて歩みよる。
どうせなら裸で待っててくれりゃあ最高なんだがな…

「待ってたのか?」
「うん、そうなの。」

会社の人間の視線が痛く背中に突き刺さる。さっき後輩と新人のミスを怒鳴り飛ばした後の顔を崩すわけにもいかず、海と会社のビルから離れた。
海、他の社員に絡まれていないよな…俺たちが釣り合わないのは俺たちが分かっている。

今までの俺にとって女は性欲の捌け口、戯れに抱いてきた、愛より先に肉体関係を覚えちまえば快楽を拾うばかりで愛を知らなかった。
そんな今までさんざんな夜を重ねてきた俺を変えたのは海だ。
海は、卑しい女のあの顔を忘れさせてくれた、綺麗で、優しくて俺にはとても眩しい手の届かない存在だから。
青く確かに輝く透明な気持ち。

「今日は、残業で今終わったからクライスもそろそろ終わりかなぁ〜って…」
「寒かったろ、」
「うぅん…平気だよ。今日はお鍋にするね!」
「あぁ、」

せっかくだからどっか別の場所でメシでも喰おうかとも思ったが海の手料理にはどんな料理もかなわねぇと思う。
海にヘルメットを手渡しバイクに跨がる。
海は俺がバイクに乗るのを嫌がるがこればかりは男のロマンとして我慢できない、女に跨がるわけじゃないんだから許してくれと言ったら暫く口を利いてくれなかった記憶がまだ新しい…。

「すぐご飯作るね、」
「手伝おうか、」
「ダメっ!またどこかのクライスさんが手加減なしに襲ってくるもんっ!あっちいって!」
「人聞きの悪い…」

キッチンでヤって以来海から更なるお預けをくらってしまった。
久々なのもあって手加減なくヤリまくったせいであの後海は血は出るし痛くて休憩の際に正座ができなくて困ったらしい。

「ナニもしねぇよ。」
「うるさい!」
「はぁ…」

最近では海を見ているだけで抱きたくなる。
全裸のグラマーな女の手招きよりも誘われる。俺はロリコンかもしれない。海を抱けない夜は海に顔がそっくりの女優のAVを観るほどだ。

「ククッ…」
「なぁに?急に1人で笑って…、」
「いや、」
「あ、ビールだね。待っててね、」

海が傍に居てくれて俺はとても日々が満たされている。
ストレスも減った、気も利くし、何だかんだ言いながら素直で、すれてなくて、優しくて癒し系で、セックスとのギャップがより妖艶に駆り立てて…小さな身体でめいいっぱいこんな俺に尽くしてくれる。怒ると怖いが…
この優しさを、今は俺だけに向けてくれる…そう感じれば、海を抱かずにはいられない。
決してヤレれば良いわけじゃない。
おしゃべりな海の黙り込んだときに見せる無機質な瞳、まるで宝石のように煌めいている…



「海…」
「んぅ…クライス……気持ち良い?」
「あぁ、……っ、最高。」

海の小さな口、それ一杯に全く収まりきらない俺を受け入れてくれる海の揺らめく頭を撫でながら俺は天を仰いで焦点が合わない眼差しを閉ざした。

鍋をつつきながらすべて完食し終えると海は嬉しそうに雑炊を作りそれも完食した。
順番に風呂に入り、テレビを観てそろそろ明日も仕事だと寝ることにしたわけだが、

「っ…海……、」
「んんっ…!」

海から迫ってきた初めての行為に俺も海も夜もすっかり更けたと言うのに夢中になっていた。
熱く燃えるような衝撃が稲妻のように駆け抜ける。
何回でもイッちまいそうなくらい巧みな舌使いを駆使した海の口の中に欲をぶちまけると海はそれを当たり前のように飲み込もうとしたが、それを遮りティッシュを手渡し吐き出させた。

「無理して飲むな。」
「でも…!」
「良いから、」
「私のは、飲むのに…」
「海のと、俺のじゃ全く違う、」

もう少し、そう手を伸ばした海を抱き抱えるとキスをしながら海のTシャツを脱がせて黒いフリルの下着を奪うように海の裸を露にさせる、柔らかな胸を下から揉み上げながら下を脱がせるのも忘れない。
お互い裸になり、胸板に海の顔が収まる。
触れた足の間はいつの間にか前戯も無しに潤いに満ちていて、堪えきれずについにニヤリと笑みを見せた。

「凄いな…俺からは何もしていないのに。」
「ゃ、っ…あぁ!」
「どうする?こんなに濡らして…感じてたのか?」
「やっ…そんな…わた、し…」
「ムッツリだもんな。海は…頭の中で何を考えていた?」

胸板に爪痕を刻みまれながら俺は露骨に粘着質な甘い音を立たせて彼女を愛撫していた。
間違って入らないように指輪を抜き、太い指を挿し込むと海は大袈裟なほど身体を跳ねあげた。
最初は一定の間隔で、やがて遠慮無しに花弁を突きまくれば絶え間なく響く水音に海はいやいやと真っ赤な顔で俺の指を受け入れ膨らんだ花芯を撫でれば海は簡単に高みへ登り詰め更に海を追い詰めると海は涙を流して何度も俺にすがり付いた。

「海、上に乗れ、」
「うん…」

身体の相性は多分悪くない。
いや、相性は関係ないのかもしれないな、それは身体の関係だった場合だ。
今、俺の上で乱れたように踊る海だからこそ俺はこれまでにない快楽を感じることが出来るんだと思う。

正常位だと体格差がありすぎてキスもできなければ俺の胸板に潰される錯覚になるらしく、バックは前つきの海が痛がるし背丈的に無理、ならば海が俺の上に乗るか身軽な彼女を抱いて壁に押し付けても良い。
海も興奮してくれているのだろうか。
そんなことを思いながらザラザラした海のナカに飲み込まれていく俺に蕩けたように甘いメスの顔をする顔にキスをした。

「早くしろ...、」
「あっ…うぅん…おっきくて…なかなか…」
「途中で止めて良いからな…」

許容範囲を越えるほど膨れ上がった自身が海のざらついた入り口に何度も甘く締め付けられ叫びだしたいほどに気持ち良い、海の中は最高だ、どんな疲れも苛立ちも吹き飛ばして、

「ひゃっ!あぁ…んっ…あぁっ…く、らいす…ぅ…!」
「海、……っ…」
「きゃぁっ、…!」

ろれつが回らなくなるほど追い詰められた彼女は普段のにこにこした姿とは違うほどに別人で妖艶で。

「あっ...待って...あぁっ!」

「お前...自分ばかり満足してんなよ...」

横に海を倒して好き勝手に横抱きにして足を抱き、ふくらはぎから足首まで舌を這わせるとボディクリームの味がした。
この体制なら胸も弄れて突くのもより深く交われる。

何度イッてもまだ足りない。
俺が勃たなくなるまで海を責め立て海は明日も仕事で声を使う仕事なのに声を枯らして涙を流して俺に許しを乞う…朽ち果てて、俺が満足する頃には海は力尽きてしまっていた。

「ん…うぅ…腰が痛いよ……」
「悪い、」
「ばかっ…いつもいつも…体力持たないよ…!」

すっかり腰砕けになった海を抱っこしながらタバコをふかしていた。
前にベッドでタバコを吸うなって叱られたが怒る気力もないんだろう、今はなにも言わずに俺の胸に収まっている。
本当に小さくて柔らかな身体、この身体が今の今まで俺を一生懸命フェラして受け入れてくれたと思うと嬉しくてたまらねぇ。

「海、今日は迎えに来てくれてありがとな…」
「んんっ…ごきげんとろうったってそうは、いかないんだから。」


拗ねたように口を尖らして胸元を隠す海、さっきはAV顔負けの乱れっぷりだったのに…今はあどけない少女のようだ。
それでも俺の腕の中で大人しくしているんだから…可愛い奴。

うなじにキスを落とすと、今度は海から俺にキスを返してくれた。
煙草の火を灰皿に押し付け、甘いキスを交わしながら俺は海の中へ落ちていった……

fin.
【PASSION】

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