Going Under | ナノ
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【virgin flame】

重ね合わせた口唇、焼け付くような体温、抱き合い海とエミリオはそのまま座っていたソファーからそのまま部屋のセミダブルのベッドに向かった。

「…服、」
「そうだな。……脱がせても、良いか?」
「うん、でも…笑わないでね…?」
「誰が笑うんだ。」
「でも…」
「もう、何も言うな、」

何時までも戸惑う海の言葉を塞ぐようにリオンの薄い唇が彼女の小さな唇を塞いだ。
電気もない真っ暗な部屋。
今からここで、彼とひとつに結ばれるんだー。
最初はわからないままだった、不安定な関係や、異性の肌、質感の温もりは離したくない。触れればそこから吸いつくように重なりあった。

「っ…」
「海…」

リオンの筋肉を纏ったカラダは海に感じたことのない気持ちにさせた。
やがて、2人の空気に寝室が満たされ、身体も火照り始めた。
下着のホックをうまく外せない、気にしないでと笑うが、今はこんな風に言葉を交わす必要などない、今は言葉を捨てて、2人で肌を重ね合わせて熱くキスを交わす。

海は恐る恐るリオンの身体に身を任せた。
露わになる身体、ふたつの膨らみをリオンは優しく掴むようにもみ上げだ。

「っ…」
「どうした?」
「違うの、でも、嫌いにならないで。」
「何かあったのか?」
「ううん、なんでもないよ。でも、私の身体…あっ!」

しかし、初めてのあの夜に感じた痛みに海は怯えているのは分かっていた。
すっかり縮こまって、大人しく自分に喰われてしまう非力な可愛らしいうさぎ。

「どこもかしこも柔らかいな、お前の肌は、」
「あ、エミリオ…」

穢れていないから、綺麗だと海はリオンの手に愛しげに指を絡め、また小さく微笑んでくれた、部屋は暗いが、夜の闇など見慣れた彼には海の身体や表情すべてがお見通しだった。

「エミリオの手、すごく、綺麗…だね、身体もね、安心する。」
「止めろ、もうそれ以上は………赦されてなどいけないのに、早く、お前と繋がりたい、身も心も、」

小さな細胞と大きな細胞が巡り会える命の育み、誰もがこうして愛し合い、命を育む。
神秘的な行為をもう、海は恐れたりはしなかった。

「私が、貴方の罪を一緒に背負うよ、あなたのせいじゃない、エミリオ…もっと、私を抱き締めて…」
「海…」

ゆっくりと、丹念に愛撫を施すリオンの指先、やがてそれは彼の顔が真下に降りて、海の控えめに揺れる柔らかな膨らみに触れた。
赤い果実を頬張るリオンに、海は普段の異性や他人にさえ無関心で、クールな彼がこうして自分を求め愛してくれることにだんだんと息を乱していった。
不慣れな唇から漏れてゆく甘い声、可愛らしく、控えめでリオンはますますしゃぶりついた。

熱くなる身体が愛おしい、抱き寄せ、向かい合ったままリオンは海をベッドボードに押し付け、そうしてマントでくるむように海の裸を隠すように毛布に抱き締めてまじまじとはじめてみる女の身体に生唾を呑み込んだ。

「あっ、待って…」
「もう待てない。いいな。」

そして、ついにリオンは動き出す、海をそのままベッドに寝かせると深いキスを落とし、海も不慣れながら彼のキスに身を任せ、唇を開いて恥ずかしくなるほど舌と舌を絡ませあう。
そのうちに海が履いていたショートパンツごと可愛らしいフリルのショーツをお尻からひん剥くように剥いで、可愛らしい丸みのあるヒップ、淡い赤く色づいた身体に待ちきれなくてそのまま指をのばした。

「凄いな、」
「いゃ、あっ…ばかぁ、いじわる、しなで…っ!」

普段のしっかりした海はどこへやら、今ではたどたどしいウブな反応がいじらしいだけ。
リオンも海の手に導かれて履いていた衣服を脱ぎ捨て、お互い本当に何も纏うものがなくなった。

「っ…!」
「ゆっくり慣らしていこう…」

そう告げ、リオンはそっと海の胸元に顔をうずめ、そのまま赤く実った果実にそのまま吸いついたのだ、甘えるように胸を愛撫するリオンに海はこれ以上どうしたらいいのかただ、戸惑うばかりで、今にもどうにかなってしまいそうだ。
リオンの口は、海の頂きから伝う銀糸にきらめいていた。

「あっ、いやぁっ!!」
「海…」
「痛いか?」
「うっ、ううん、痛くはないの、大丈夫。だから…」
「海…」
「やだ、変な声が出ちゃう…」
「それがいいんだ、可愛いよ、」

背後から抱きすくめられて、海は恥ずかしそうに何度も身をよじらせた。
可愛らしく漏れる甘い声。
リオンは夢中でお互い裸の汗ばんだ身体を重ね合わせた。

「エミリオ、なっ、なに、ああっ!」
「濡れてきてる。前よりも」

愛撫されるままに海は内股に顔を埋めたリオンに込みあがる羞恥、お風呂に入っていないのに、慌てて足を閉じようとしたが、リオンは見えないのが不服だと急に海の足を掴むとそのまま一気に広げてきたのだ!

「きゃあっ!やめてっ!」
「だが、よく見えない、お前に酷い思いをさせたくないんだ。」
「んっ、ああっ、」

指よりも柔らかなリオンの舌が其処を執拗に舐めるなんて、感じたことのない得体の知れない感覚が海をどんどん追いつめてゆく。
確かにリオンの愛撫に感じて海は身をよじらせ、最初はこわばっていた足がだんだん力が抜けていくと共にやがて其処から溢れる愛液がリオンの舌にからみついてくるがリオンは気にならない、むしろ夢中で海の体を愛した。


「海…」
「あっ、ああっ…」
「すこし、声は落とすんだ。隣に聞こえてしまうからな。」
「うん、…ごめんなさい、」
「でも、嬉しいよ、海が感じてくれてる証拠だ。」

痛みだけではない、早くお互いがお互いを愛し合えたら、
リオンは指で執拗に海の淡い茂みを掻き分け、隠されたピンク色に光る突起を指の腹で優しく甘い蜜を絡めて擦り始めた。

「きゃあっ!ああっ!」
「どうした、気持ちいいか?」
「うっ、うん…あっ、気持ちいい…っ、」

多い被さってきたリオンの引き締まった無駄のないきれいな筋肉で彩られている右腕に快楽のはけ口がわからず戸惑いながらしがみついていた。
可愛らしく喘いで自分に抱きついてくる海が可愛くてリオンも身体の中心が熱くてたまらず、早くつながりたくて疼き出す。
しかし、経験のない海の身体を無理矢理暴くことはしたくない、理性と本能の狭間で自分が揺れるなんて思いもしなかった。
戦場では感情に流されたらお終いだ、自分を律する事が出来る自分でさえ、愛しい海を前にしてこんなにも翻弄されるのだ。

「あっ、きゃあっ、」
「海、」

身体がビクッビクッとまるで打ち上げられた人魚のように身をよじらせ海はそのまま脱力した。
昨夜のように感じている海はますます濡れたぎる其処から甘い蜜を垂らしてリオンの熱を確かめる。

一本だった指が次第に足されてくるが、前より痛くはない、それに、ここで痛がったら彼自身を受け入れることは出来ない。
海は恥ずかしかったが、それでも未知なる快楽に浸食されてゆく。
もっと、お互い強くひとつになって、感じあいたい、彼の熱を甘く快楽を感じていたい。

こんな行為がとても幸せな気持ちにしてくれて、海はリオンの押し当たる熱に手を伸ばしていた。
指を這わせるたびに海は甘く身じろいだ。
次第に指の数は増え、控えめだった愛液もだんだんと糸を引きながらリオンを余計に夢中にさせた。

「海、」
「うん、エミリオ、」

これだけ濡らせばきっと大丈夫だろうか、しかし、痛みを感じるや否や身体は裏腹に乾いてしまうのだ。

「海、辛かったら言ってくれ。」
「ん…でも、エミリオにもう、我慢させたくないよ。」
「海…」

やはりあの裂けるような痛みが忘れられない。
身体が夢意識にこわばり、身構える海は心から怯えているようだった。

裸の胸板がそのまま海に重なり、2人は甘く口づけた。

「海、力を抜いて、腕を背中に回せ。」
「あっ、でも、」
「胸が当たって、気持ちいいな。」
「も、もう!」
「ほら、力を抜けただろう。」
「ん…」

乾いてしまわぬように絶えず海の胎内を何度も往復させると次第に海の身体がまた快楽を覚え始めた。

甘い甘い海の蜜はリオンの口腔を夢中にとろけさせた。

足を開いて、柔らかな内股をつつくと海は真っ赤な顔で胸元にある小さな手をぎゅっと握り締めた。

やがて、止まることなく一気に腰を押し進めたリオン。
中途半端に無理矢理いれれば余計に痛みはじわじわと海を苦しめるだけ、ならば。

彼の華奢で長い指とは比べものにならないほど存在を主張しているのに、窄まった海の其処はメリメリと嫌な音を立てる。
もともと膣口が狭いのだろう、それとも、

「んぁ…!やっ、大きい……」
「言うな...!海の所為だ。僕を、夢中にさせる」
「あっ!」
「もう、止められない……」
「う、っうんっ、受け止めるから…っ、エミリオ」

痛いのも苦しいのも血が出るのもどうして海だけなのだろう。
自分だけが気持ちよすぎるなんて不公平だ。
リオンも尋常ではないざらざらした海の締め付けに玲瓏な顔をしかめている。

胎内を大きく猛る彼の熱に引き裂かれ、その衝撃に海は息を詰まらせて涙を滲ませる。 男子の平均身長にも満たない背丈と中性的な外見の彼だが、胎内に感じるそれは男なのだと感じる。
お互い、初めての感覚に慣れると目を開き、ふたりは抱き合い、またキスをする。
暗闇にぼんやり浮かび上がる海は呼吸の仕方を忘れたように体を強張らせている。

唇と唇を挟み込むように、何度もキスを重ねて。
なんとか息をする海に安堵するリオン。

「海、僕の上に乗ってみるんだ。」
「え?」
「そのまま、腰を下ろして…」

軽々と海を抱き、体制を入れ替えたリオン。
やわりと頬を撫で、すまなさそうにするリオンに海はキスをして、そのままゆっくり腰を下ろす。
真っ直ぐな気持ちが込められた声にふたりはみつめあう。そうして、リオンは先端を押し当てた。

「あ…っ!」

ぐぐ、っと閉ざされた壁を突き破るように下から突き上げてきたリオンにおびえながらも海のちょうどいい角度からスムーズに押し広げ、正常位よりも騎乗する形で少しずつ胎内に入ってくる。
根元までを受け止めるだけでも苦しくて、やはり痛みはあるが、リオンの腕にしがみつきながら背を丸める。
圧迫感と痛みはまるで灼熱のようだった。

「あっ、ん、んぅ…あっ…!」

海の気の抜けた声とともに、そのままズプっと海の胎内にひとつなぎのピースがはまるように、開かせた足の間、ぐっと腰を押し付けた。

まだ鈍い痛みが残っていて言葉にするのも辛いから、かろうじて首を横に振ると、リオンは海を愛しげに抱き締めた。
こんなに誰かを愛するなんて、きっと、もう二度と、出来やしない。

まだ小さな薄い引き締まった背中に海の小さな手がリオンの大きな手に触れる。
そっと回された腕の温もりが心地よく、微笑む。嬉しくて堪らず、ふたりは涙を浮かべていた。
互いに抱くのは長い長い遠回りの果てにひとつになることが出来た喜びだった。

「受け止めてくれて、ありがとう、」
「エミリオ、エミリオは、一人じゃないから、」

過去があるから今こうして彼女に出会えた幸せがある。

過去も抱き締めて歩いていこう、罪を犯し汚れた手を拭って真っ白に変えてくれたいとしい彼女。

過去は過去であり決して変えることは出来ない。

だから確かな今を踏みしめて、悔いなく過去にして行こう、そして明るい未来、貴方と2人、あの幸せな今をただ、いつまでも笑いあえたら、

fin.
【virgin flame】

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