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【eyeless】

久方ぶりの愛し合う行為は静かに始まった。
お互いの剥ぎ取った衣服が点々とたどり着く場所は海と抱き合い眠るこの部屋の二人で丁度のサイズのベッド。
海に包まれて果てのない、終わり無き永遠の愛を感じていた。
こんなに幸せな夜を海と過ごせる喜びに頬を伝う汗も心地よかった。

「…エミリ…オ……」

ゆるゆると行き交う快楽に海のしなやかな肢体がシーツの海に沈む。
白い素肌に軽く吸い付き痛みとともに色づく赤い花、
また数を重ねて海に刻む。

「あっ、もう...おかしくなっちゃう...」

「は…海...もう少し、我慢してくれ。まだこの快楽に浸りたい…」

「っ…もうっ…」

すぐにイキそうだと眉を潜める彼に、仕方ないなぁ…と繋がりあったまま彼の下で甘く喘ぐ海はリオンの頬にキスをした。
お返しにと自分の下で涙混じりの濡れた瞳を何度も瞬かせてじれったい刺激に息も絶え絶えの快楽の海の中で涙を流す彼女にまた口づけ、顔の横に無造作に置かれた手を繋ぐと、そのまま埋めていた自身を一度抜き、蜜を垂らし糸引く自身。卑猥な音を奏でて深く深く彼女と繋りあえば海のしなやかな腕が縋る様に彼の首の後ろへ回る。

「ん…あっ…!」

遊ぶように髪を掠めた彼女の指先の温もりにキツキツに締め付ける海を尚更愛しく感じた。
温かく濡れた海の中に包まれて…
永遠にずっとこうして繋がっていたい。

「痛むか…?久しぶりだからな、お前のナカは相変わらずきつい…」

「んっ…」

「けど、ここは濡れている。もう、動いてもいいか…?」

「っ…じらさないで...はやく、うごいて…っ」

触れる手つきはあまりにも優しく海と肌を重ねるだけで近くなる距離が、海に包まれ満たされた幸せに愛しくなる。ゆるゆると、もどかしい律動に耐えきれなくなったのは彼女で、早く動いて突き動かしてと柔らかな足をリオンの腰に回して催促する。

「そうか…なら、」

「んんっ!!あっ…!!」

「お前の望むままに…」

窓の隙間から吹き抜ける風が心地よく夏の香りを運んでくる。リズムを増しリオンは容赦なく海の胎内へ押し入ってきた。
果てのない欲を止める術もなくて。
愛と情欲は紙一重だと始めて知った。
らしくもなく海に甘えたくなるのだ。
しっかり者なのに危なっかしい一面も併せ持つ海が小さな体で受け止めて甘えさせてくれるから。

溶けるような熱に身を委ね、暫く抱き合い#name_1#と繋がりあった。
ぐちゅぐちゅと奏でる卑猥な音は止まらない。
久方ぶりの行為とまだ初な身体はまだ快楽よりは痛みを覚えているはずだが、それでももともと感じやすい体質なのか、はたまた、リオンの触れ方が的確なものなのか、律動は深く早く、まだ十代の若さで快楽を得た身体は何度果てても終わらない。
彼女の甘い声をBGMに下の方も唇も重ねて無茶苦茶に舌を絡め合う。
まるで動物のように、そして終わりなき快楽に息も絶え絶えに声を枯らして果ててしまった彼女はリオンが果てるまで抱かれ続け、今にも気を失ってしまいそうになりながら花芯を摘まれればまた意識を呼び覚まされ、ずっと長持ちしていた彼が果てる頃にはぐったりとリオンの腕の中でまどろんでそのまま眠ってしまった。

朝が来た。
柔らかな日差しが降り注ぐ穏やかな朝が。
幸せな瞬間に愛された身体は未だに昨夜の激しさを物語るように微かに下腹部には鈍痛が走る。
傍らですやすやと眠るあどけないが美しい寝顔を浮かべて、細身の筋肉質な腕に抱き締められぽつりと…海の名前を口にしてまだ夢現な様子で目を覚ました。長い睫毛がふわりと見開く。

「おはよう、エミリオ。」

「ん…、…ああ。おはよう…」

まるで人形の様に、ふさふさな睫毛が素肌に触れるとくすぐったい。目が覚めるとすりすりと、まるで子猫のようにすり寄ってきたエミリオが愛おしくて裸の胸に包んで抱き締めた。

「もぅ〜くすぐったいよエミリオ…」

「海の肌…気持ちいいな。
柔らかくて、暖かい。」

まるで大きな子供みたいな彼を抱き締める。
クールでそんなことは絶対にしなそうな彼が見せる甘えるような仕草というギャップは彼女の胸をときめかせた。

しかし、決して拒んだりはしない。彼はずっと母親の温もりも、家族の愛も知らなかったんだ。
私はお母さんになれないけど、少しでもエミリオの孤独を埋めてあげたいと純粋に願う海。

今日はGW、祝日が重なりいつも業務多忙な海は二人で過ごせる休みが続く幸せな週間、こんな休みの日だからこそ2人でベッドでのんびり過ごしていたいって甘えてきたエミリオが愛しくて…はそっとエミリオを裸の胸に抱き締めた。
さらさらの黒髪が素肌を撫でる

「今日は1日こうしてていいからね。」

いつも私より早く起きてお弁当を作ってくれた彼に休みの日だけは、そう囁けばエミリオがいきなり起き上がるとそのまま彼女をベッドに縫い付け、いきなり昨夜の余韻の残る繋がり合っていた場所に手を伸ばした。

「んんっ!な、なにっ!?」

「…お前が悪い。」

「ひゃっ、ああっ!」

昨夜丹念に愛されたそこは糸を引いて朝の光に濡れて色づいていた。あまりに卑猥な姿に思わず息を飲み、そして粘着質な音を立てて彼をかんたんに受け入れる。

「すごいな、解さなくても昨夜の余韻が残ってるぞ、」

海の何が彼を欲情させたのかは知らないが、10代の性欲は留まることを知らないことを、海は彼の知りえなかった三大欲求の性欲を与えてしまったことを悔やむことになる。

しかも、行為中の彼は普段の冷静さは成りを潜め、少し、いやかなり、具体的に状況を説明したがる言葉で海を辱め、加虐的になるようだ。
朝の自然現象をそのままに再びその行為は始まる。抵抗する間もなくすんなりと彼を呑み込む海そこは昨夜のまま潤いを、増して。

「あっ!ンあっ…こ、こんな朝から、…だめぇ…っ」

「明るいからお前と繋がってる部分がよく見えるな、」

「いやぁっ…だめぇっ!」

「よく見せろ、」

太ももを抱えあげられ、その上に覆い被さる獣のようなリオン。顕になった海のそこは赤く色づき、その先端の花芯もぷっくりと主張して彼を誘う。
繋がりあったまま敏感すぎる花芯も愛液に絡んだ指先で擦るといや、だめ、しきりに口にするくせにそこはしっかり彼を受け入れて、腰を深める度に粘着性のある卑猥な音が朝の爽やかな空気の中に不釣り合いな旋律を奏でる。

「だめっ...そこはぁ、一緒にしな...いでぇ...っ、ああン!」

「くっ、嘘をつくな...っ」

彼女を横抱きにして深く繋がると悲鳴のような声が反響してそれがますます興奮材料となるのに無自覚な彼女はカーテンの隙間から差し込む光の中で細い身体に揺れる膨らみを晒して喘ぐ。

「あっ…あァっ!やぁ...こんなの...っ」

無理矢理ねじ込んだのに昨夜の余韻もあって簡単に受け入れてはリオンを締め付け誘う。リオンも限界が近い、ふたりは唇を重ねて再び始まった行為に酔いしれる。

「も、もう…っ、許して…ぇ…!」

大型連休、どうせ外に出ればゴミのように人が溢れているのだろう。ならば二人きりの空間で擦り切れてしまうまで愛し合うのも悪くはない。十代のリオンの性欲は果てを知らない。得たばかりの快楽と彼女の身体に夢中になり首を振る。

「お前が…教えたんだろ…なのに、2週間も我慢させて、それなのに、無意識に僕を煽る…お前が悪い、」

朝も夜も関係なく身体を求められてこのまま自分はどうなってしまうのだろう。
まだ若い、十代の彼に狂うほど求められ続けて身体がおかしくなってしまいそうになる。
彼無しでは生きていけない、彼はいつかは元の世界に帰ってしまうかもしれないというのに、エミリオという存在からはもう離れられないのだと、彼を受け入れながら思考の片隅でそんなことを思った。

fin.

【eyeless】

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