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MISSYOU

26

坊っちゃんは一頻り僕に話してくれました。
辛くて、悲しい、だけど、慈しむように温かな日々を。
そこにいるだけで満たされた坊っちゃんが口にした、離れ離れに引き裂かれた思いがあった、無くした欠片を埋め合わすように悲しみに交わした言葉を今も忘れられないと。

今も覚えている。
交わした唇も、温もりも何もかもが未だに脳裏を占めていると、坊ちゃんがようやく本当の意味で人を愛することが出来たことを忘れないように刻み付けよう。
間違った愛なんかない、気持ちより肉親を敵に回しても彼には救いたい命があった。

自らの命を、犠牲にして迄もマリアンは坊っちゃんにとって救いたい存在だったのだろうか。
今もわからないんだ。

だから、僕は嬉しかった。
純粋に坊っちゃんを愛して慈しんでくれた女の子。

彼女ならきっと、坊っちゃんを悲劇の歯車から救いだしてくれる優しい希望になるだろう。

いつからだろう、
坊っちゃんが行方不明になった後だった。
坊っちゃんが劇的に変化したのはきっと坊っちゃんが肌身離さず身に付けているあの金色に輝いていたプレートピアスではなく、すげ替えられたかのように耳で輝く銀色に輝く光がそれを示している気がした。

「坊っちゃんがそうであったように、僕にもありました。誰かをそんな風に愛したときが。」
「シャルにもあったのか?知らなかったぞ。」
「えぇ。戦争中のいつも死と隣り合わせの世界では唯一彼女が僕の癒しでした。」

彼女は確かに一際目立つ美人ではなかったけれども、僕にはその笑顔は眩くもありました。
決して強くはなかった、軍人には向かない優しい彼女でした。

「会ってみたかったな、シャルの恋人に。」
「僕も、その子に会ってみたいなぁ。海って、どんな感じだったの?」
「ひとりじゃ何も出来ないし、相手が既婚者だと知らずに付き合ったり。おっちょこちょいで、泣き虫で、酒浸りのとんでもない女だった。」
「あれれ?なんか、話よりあまり彼女にいい印象を感じないんですが・・・そんな子が坊ちゃんみたいな高貴な人と・・・」
「そうかもな・・・怒るとまさに鬼のようだったし。だが、確かに1年間、ずっとふたりで過ごした時間は本当に今思えば、幻にすら感じる。だが、確かに一生懸命で、明るくて、一途で、憎めないやつだった。彼女を愛して、彼女に深く愛してもらえたから、僕はきっと、これからも生きていける。」
「坊っちゃん。」

いつからか、マリアンでは得ることが出来なかった本当の愛を知った貴方は前よりも深く、慈愛に満ちた笑みを見せるようになったのは。
弱者を切り捨ててきたヒューゴと同じ道を歩みだそうとしていた坊っちゃんが優しさを見せたのは。手を差し伸べたのは、

坊っちゃんを変えたあなたが羨ましくもありました。
僕にも、マリアンにも出来なかった心の底から見せた坊っちゃんのこんな笑顔なんて初めて見たから。僕まで嬉しくなりました。

「僕の好きだった彼女は、死にました。戦時中でしたし、僕の腕の中で・・・。だから、坊っちゃんには決してそうはなって欲しくないんです。だから、その子を手放さないであげて。」
「そうだな・・・今も思い出すんだ、。きっと、僕は一生彼女の思い出を糧に生きていくだろう。また、出会う時まで。」
「同じですね、」
「そうだな、二度とあいつとは会えない運命だとしても、思い出は変わらない。そうだろう?」

声なき愛おしい声が確かに自分を呼んでくれた気がしてリオンは瞳を細めて笑みを浮かべた。
耳に輝くピアス、そして指輪も、かけがえのない支え、今も呼び続けている。またいつか、巡り会える日を奇跡にも似た願いを変わらずに信じている。
生きている限り、きっと、世界と言う壁を越えた二人なら。



このままではいけない、シャワーでも浴びて頭を流せばまたいつものように努めて振る舞うだけだ。海には知られたくない、海を穢したくない。
いつまでも叶うならその笑顔を見ていたい。
しかし、それだけでは満たされず足りないのがわかっていた。マリアンに求めたことのない感情だけが支配していた。

これがシャルが言っていた恋と言うならば、何て苦しいのだろうか。こんなに苦しいのなら、いっそ一思いに消してくれればいいのに。リオンはソファに寝転がり観ていた映画も全く頭に入らないままエンドロールが始まる。気づけば待ちくたびれた疲れで眠りに落ちていった。

夢を見た。
夢の内容は映画でぼんやり観たストーリーに酷く酷似していた。その地で死んだ筈の人達が次々と黄泉がえり、そしてその人たちを待つ人達の元へ帰ってゆく。そして、また天へと還ってゆく。

次第に景色が揺らいで、リオンの視界には海との最後の別れの光景が浮かび上がっていた。

「ありがとう、エミリオ。あなたに会えて、本当によかった」
「海・・・僕は、お前が・・・」
「もう少し、エミリオと一緒にいたかった・・・。」

離れたくない、やっぱり、離れたくないと気付いたのにこんな別れを迎えたままでよかったのか。

次第に海が透けて行く姿にリオンの頬を流れる涙。リオンは変わった、海と出会い、全てが変わった。

海の姿が霞んで見えない。
どうかこのまま終わらせないで、どんなに時が流れても他の誰かを代わりに愛する事なんて出来ないのに。
リオンに縋りついて泣き叫ぶ海を見つめ声なき声でなおも呼び続ける。

「海が好きだ・・・そうだ、僕は、海が、好きだ。」

これが、恋だというのだろうか。だとしたらこんなにも苦しいなんて。顔を上げれば、リオンも静かに泣いていた。こんなに苦しい気持ちならまるごとなくなってしまえばいいのに。もし、今道を選べるなら彼女に出会わない道を選んでいただろう。リオンには持たなかった心を持つ彼女だからこそ惹かれたのだろう。
気付けば夢の中の海を引き寄せ深く口づけていた。
誰に聞いたわけでもない、女を抱いたことも触れたこともないが、昔から、身体に備え付けられていたかの様にリオンは弾け飛んだ様に素早く海を引き寄せた。
見下ろされた少女はただ涙ぐみ、こちらを見つめている。
次第に這い回る手を握り締め、海から優しくキスをしてくれた。思えば海からキスをされたあの時に交わした初めてのキスが今も忘れられずにいた。

冷静になればなるほど冷えて行く感情に反して高なる熱。
紛れもなく、海に注がれていた。
海を愛していたと。神など信じている主義ではないが、リオンは海への思いがどうか消え去ればいいと願った。優しく、無邪気な海を傷つける前に。リオンは海を強く抱き締めて、そうして、海を押し倒すとそのキスをより深いものへと変えた。



友里のアドバイスを海なりに受け止めて、海はリオンに思いを打ち明けることを約束した。
どんな結末であっても必ず結果を持ってくる。
まるで昔の独りで生きてきた気取りの気の強かった時代に戻ったような瞳で。お高い一升瓶を結局3本も空けた頃には勢いどころかむしろ酔いすぎて気持ち悪くなってしまい海はトイレで何度か吐いてしまった。
主任はもう二度とこのふたりと飲みには行かないと誓った。

「・・・ただいま、」

リオンの怒りのメッセージに気づいた時にはもう日付も変わる寸前で、店から会計を促されるほど。帰ってくると部屋は真っ暗だった。友里との会話に夢中でリオンから怒りのメッセージに気付いたのは帰り際だった。慌てて帰ってくるが、不気味なほど静かでそれが帰って恐ろしくもあった。

「ごめんね・・・リオン・・・」

恐る恐る声をかけリビングへ向かうとリオンは待ちくたびれたのか、ソファですっかり寝入ってしまっていた。長い睫毛は伏せられ赤子のように穏やかに気持ち良さそうに眠っている。
そこを通り抜け安心してトイレへ向かうと再び気持ち悪いのを晴らし、口をゆすぎ歯を磨くと化粧を落として素顔に戻る。冷たい水を飲み干せばようやく思考もはっきりしてきた。

「ふふふ、可愛いなぁ・・・寝顔は女の子みたい。」
「・・・ん」
「ん?」
「・・・海、」

急に苦しそうに眉を寄せ、何かを後悔するように海の名前を呼んだリオンを起こしてあげようと手を伸ばした瞬間、いつの間にか海はソファに引きずり込まれていた。

「海、行くな、」
「え?
ん、んっ!?」

ポカンとしている間にリオンの端麗な顔が近づき思わず恥ずかしくて目を反らしたが、許さないと言わんばかりに、なんと、リオンから唇を重ねてきたのだ。
信じられなかった。純粋に嬉しくて、海は涙が溢れそうになる。同じ気持ちだったんじゃないかとさえ錯覚した。彼が求めてくれるのが嬉しくて、海はぎこちないながらも酒が入ったのもあり、リオンのキスにただ流された。

キスを受けながらリオンの手が滑るように海の身体のラインをたどり、細く余計に柔らかな胸を包むように触れ、女なんかクソだと言っていたリオンが女を抱くなんて有り得ないと言っていたリオンがどこでこんな行為をどこで覚えたのかは驚いたが海は気づけばリオンのキスにすっかり舞い上がり、次第に身体が熱くなり、彼のキスにあわせて甘く、久方ぶりの温もりに元彼に組み敷かれた時の嫌悪感など綺麗に消え、そしてお返しに激しく唇を重ねていた。

リオンの筋を張った筋肉質な腕が自分を逃がさない、息苦しさを覚え次第に甘い吐息を漏らす海。リオンに手首を掴まれ、固定されたまま。

キスをしながら現実が襲う、マリアンの夢でも見ているのだろうか、マリアンに自分を重ねているんだろうかとぼんやりと記憶の中で錯覚する。だが、それでも構わなかった。今はマリアンではない、自分がリオンとキスをしているのだから。海はマリアンの代わりでもリオンとこのまま一線を越えてもいいと思った。
身体をリオンから求められるのがこんなに幸せだったなんて気付かなかった。酔った勢いで言ってしまおうか。今ならなんでもできそうな気がした。

「エミリオ、私、エミリオが好き、好きなの・・・!」
「海・・・」

リオンの顔が当たり前のように胸元に埋まり、恥ずかしさにただリオンの小さな頭を引き寄せる。廊下から漏れる頼りない間接照明に僅かに上気する頬。海の愛の告白を受けてリオンは覚醒した。

「今、何と、言った・・・?」
「あ・・・わ、たし、・・・」

漸く寝ぼけ眼のリオンが覚醒し、リオンは絶句した。
其処にいたのは乱れた呼吸を必死に正そうとする、艶やかしい鮮烈なまでに焦がれた海が自らの下で息苦しそうに服を乱して涙を浮かべて胸元を隠す姿だった。

「エミリオ・・・」
「っ…海、僕は・・・」
「いいの、言わないで・・・っ、マリアンさんの代わりでもいい。でも、私っ、エミリオが、好きなの・・・」
「っ、違う、マリアンは・・・おい!何してる!」
「いいの!大丈夫だから・・・私、酔ってるだけ、だから、今夜のことは、忘れていいから・・・」

観ていた映画のせいだとリオンは苦悩した、この世は平和だ、死んだことにも気づかないまま、2人は別れた。最後に愛を伝えて。あの二人のように引き裂かれたくない、まさか寝ぼけてこんなひどい仕打ちを与えてしまうなんて。しかし、わかってほしい、マリアンではない、海を夢に見て、海を抱こうとしたことを。

服を脱ぎ出した海を静止しようとした手は空を切り、海の柔らかくすべすべの二の腕に触れていた。想像よりも海の素肌はしっとりしていて、いい香りがした。間接照明に照らされた海の肢体は決してグラマラスでもなく、暗くてよく見えないが、オレンジ色の光が余計に艶やかに映えた気がした。確かに手に残るすべらかな感触は海の柔らかな白い肌に触れた証拠、海がいつも使っていた甘いボディクリームの香りがいまだに残っていて。
リオンは黙り込んだまま立ち上がり、海を膝から腕を通して抱き抱えると2人の寝室へ向かう。狭いソファよりも広いベッドは二人分の体重を受けて沈む。
ドアを閉め、リオンは乱れた息を正す、そして、リオンは海に触れる。

だんだんとクリアになっていく思考の中で、脳裏の記憶の中に過ぎる穏やかな日々が壊れた日のことを思い起こす。
父親の、ヒューゴの悪魔のような高笑いが今も自分を責める。自分は咎人、人を愛する資格なんて、許されていないことを理解している。それなのに、海は、こんな自分を好きだといい、キスをして甘い言葉で誘う。

「何のためにあの女を連れてきたと思っているんだ。彼女は人質なのだよ。あの女を助ける代わりに私に協力するという約束、 忘れたとは言わんだろう?」

あんな事をしたのに。世界を欺き、そして、自分は咎人となったのに。

「お前の居場所はここだ、エミリオ。」

「お前は僕のことをよく知りもしないで、好きだという、そして、酔っただけだから忘れてという、どっちなんだ・・・


「僕は殺せる。大切なものを守るためならば親でも兄弟でも、だ!」

過去が自分の気持ちを打ち消す。そして、今海をめちゃくちゃに抱いてしまえば海もきっと自分を好きだなんて言わなくなるはず、いや、言えなくしてやる。リオンの瞳はかつてヒューゴのあやつり人形でしかなかったあの旅の時の誰にも心を許さなかった冷徹な眼差しに戻っていた。

「・・・もう、どっちでもいい・・・どうなっても、知らないからな。本当の僕を知るがいい。本当の僕を知って、それでもまだ僕を好きだなんて・・・二度と言えなくしてやる・・・」

身体の中心が火照るように熱くなり、未だに心臓は信じられない早さで鼓動を刻んでいる。口の中は未だに酒臭く、それが海の柔らかな唇をむさぼった証だった。こんな多くの人間を殺めてきた、仲間さえも殺そうとした自分の血に染まった穢い手が海を抱くなんて、ゾッとする。
リオンは自分にもこんな一面があったのが理解出来なかった。

海を好きになればなるほど、温もりを求めてしまう、見返りを求めてしまう。
あんなに苦しい思いをまた求めてしまうなんて、海なら抱き締めてくれると受け入れてくれると思ったのか。
膨れ上がる愛しさを、制御できずに。
こんな汚れた気持ちなら消えてしまえばいい。今すぐに海に愛を告げ消え去ってしまいたかった。

今にも何かが音を立てて壊れて行く気がした。夢中の後、リオンは海から離れるとそのまま浴室へ駆け込んだ。
海は息を乱しベッドで涙を流して泣いていた。
こんなに辛くて切ない気持ちを味わうなら。乱れた衣服も自分の血に染まったシーツも正すことなく海は泣き崩れていた。
今にも去り行く背中に飛び付いて引き留めたかった。今にも引き結んでいた唇が開かれて、

「わ、たし、エミリオになら・・・」

そんな陳腐な言葉で彼を引き留めようとしていた事実にハッとする。未だに混乱する脳内、リオンの後を追いかけることも出来ず、海はただ呆然としたままベッドに倒れ込んだ。裂けるような痛みに、焼け付くような熱に、頭が割れそうに痛く、今までリオンが眠っていたベッドで温もりを刻み込むように気付けば疲れたのか眠ってしまっていた。

いっぺんにいろんなことがありすぎて、許容範囲を越えたらきっとパニックになってしまう。何とか整理しようとしてみたが、今分かるのはお互いが、一生あの頃のように話せなくなってしまう、そんな不安だけだった。
シャワーを浴びてもリオンの気持ちが晴れることはなかった。

海は自分よりも年上の女で、元彼もいたことだし、当然恋愛経験もあるものだと思っていたのに、海は心も体も真っ白で、そのキスはあまりにも拙くて、そうしてリオンはシャワーを浴びながら知るのだ。海は、抱かれるのは、初めてだったのだと。それなのに、そんな大切な初めての相手を自分に。
夢中の後、リオンは本当に心も体も純粋だった海を傷つけて泣かせてしまった後悔に苛まれそのまま浴室から動けずにいた。

確実なのは、もう、海とは元のふたりには戻れないと。

リオンも海も、お互いが不安を抱いたまま夜を越えた。翌朝、海は不安を露にした暗い表情を浮かべたまま部屋を出る。

扉を開くとリオンはいつもと同じように自分達の朝食の準備をしていた。

「おはよう。」
「・・・ああ。」

良かった。ギャルソンエプロン身に付け振り向いたリオンは何も変わらない表情を浮かべていた。いつも通りに、昨夜の空気を振り払うようにふたりは朝食を食べた。

「じゃあ、行ってくるね。あと、引っ越し準備進めておいてね。」
「・・・ああ、わかった。そうだ、弁当。忘れてるぞ」
「あっ!ごめんね。」

よかった、何事もなく会話は続いていた。海は安心したように笑みを見せて、何も変わらぬいつものリオンとして、昨夜のは杞憂だったのだと思ってリオンの作った弁当を受け取ろうとした瞬間だった。

「っ・・・!」
「きゃ!」

過敏にリオンの身体が反応したのは確かだった、リオンと海の手が触れ合った瞬間、リオンは稲妻に撃たれたように機敏にその触れた手を振り払った。
そして海は気付く。
床に落ちた弁当が物語る、もうふたりの間には見えない隔たりがあった、あの夜を境に変わってしまったのだ、決して取り戻しようのない現実により深まる溝だった。やはり、もう無理だったのだ、海は視界が滲み絶望により今にも朽ちてしまいそうだった。

「すまない…また作り直「いいの!ごめんね!気にしないで!」

海はぐちゃぐちゃに中身が飛び出した弁当を広い集め無理矢理中身を巾着に突っ込み背中を向けマンションを飛び出した。
何故か身体の震えが止まらない、リオンに拒絶された、それが脳裏を支配していた。

不意にエレベーターに乗り込み一息つくと、手は弁当の海老のチリソースを広い集めたせいでベトベトで、しかもそれはお気に入りのスーツの裾や座り込んだストッキングも汚していた。

そしてエレベーターの鏡に映る自分の姿に驚愕した。グチャグチャのボロボロ、こんな姿で職場などに到底行けないような身なりだった。
深い悲しみに落ち込む海、しかし、仕事にはいかなければ生きては行けない、悲しみを隠して1日をやり過ごして行かなければ、どんな悲しみにも抗うことの出来ない真実が立ちはだかって。

こんなに苦しいのだったら、悲しみなんかまるごと消え去ってしまえばいいのに。こんなことになるなら、リオンに出会わなければよかったのだろうか。今、自分は禁断の言葉を口にしようとした、いけない。
絶対に、これだけは・・・海は口をつぐみ、ただ無心に走り出した。

To be continue…

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