(三番勝負が始まる前の出来事)



「…という感じで息抜きも兼ねたイベントをやろうと思っているんですが、どうでしょう?」

「どうでしょう、って何でジブンに聞いてくるのよ」

「少し貴方に協力してほしいことがあるからです」


彼らが同居生活を送っているとあるマンションの一室。
アマリーは自前のノートパソコンを開いてダイニングテーブルに、プルヌスは液晶テレビ前のソファーにそれぞれ陣取って会話をしていた。

リリスもアマリーの向かい側の席に腰掛けて雑誌をぱらぱらと捲っているのだが彼らの会話には入らない。
考えるよりも行動派な彼女は兄の企画立案には何か思い浮かばない限りさほど口出しはしないのである。なので話の内容に聞き耳を立てながらも彼女の目線は雑誌のスイーツ特集に向けられていた。

「協力してほしいことって何よ」
「イベントの景品提供ですかね」
「景品?」

怪訝そうな声を出すプルヌスにつられるように、リリスも発言はしないながら目の前の兄に視線を移した。
女性陣二人には用意できる景品のあてが思いつかなかった。何か買い出しにでも行くのだろうかと首を捻っている。

「おや、思い当たらないんですか?リリスも何もないの?」

二人の反応に意外そうな様子のアマリーだが、思い当たらないものは思い当たらないようである。それぞれ「分からないわよ」「何もないわ」と否定の意を示している。
アマリーはそんな二人にそうかと肩をすくめた後、開いていたノートパソコンをぱたりと閉じて自分の座る向きをソファーのほうに変えた。

「プルヌスさん」
「何よ」



「盗んだ欠片、返せ」


有無を言わせぬ声音に彼女はぎくりと身をすくませ、小さな声で悔しげに呟いた。

「…アンタたちへのキョウハク材料に取っておくつもりだったのに」



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ということで、三番勝負の合計勝ち数が多いチームへのボーナスとして以前盗まれた欠片107個が進呈されます!


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