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*** 太陽は落ち、今空には月が浮かんでいる。 BAR・Dropにて。 パーティーでの役目を終えて、俺は一人バーへ足を運ぶ。 もちろん仮装は解き、シャワーも済ませて夕飯を目当てにやって来たのだが。 「Trick or Treatやでー」 何時もの様に名無は軽快に挨拶を投げかけてくる。だが今日はその言葉に思わずひきつる。 ぎょ。 「何やー「ぎょ」て、ちょっ「ぎょ」ちゃうやんなぁ?何なん「ぎょ」て。」 言ってはいない。顔に出ていたんだろう。 「あぁ、ハロウィンは此処にも広まってるんだなと。」 「当たり前やん、何言うてんの自分。ってかコスもしてへんし、ハロウィン舐めとるやろ?」 「コスって。嫌、知らないのかお前。俺はもう十分過ぎる程堪能しんだよ」 「あ。スピリットくんお疲れ様ー。」 「ディノも居たのか。お疲れ。」 バーに顔見知りを見付け、空いていたその隣に座らせてもらう。 「今日は大変だったねぇ」 「見てたのか・・・」 知らないなら知らないで良いんだが、知られているのも気まずい。 「うん!スピリットくんの戦闘シーン間近で見ちゃったもんねー気付いて無かったでしょ?」 「悪いな。」 「良いって、そんな雰囲気でも無かったしね」 「ディノの凄さが良く分かった」 「あはは。でもテーブルひっくり返すとか有り得ないケドね。あれ自棄?・・・ってゆうかすごく甘い匂いするね。」 「しばらく取れないんじゃないかと思う。」 悪戯用のクリームの香料が此処まで強力だったことに驚いているのは何より俺だろう。 もっと慎重に避けるべきだった。 髪に付けられたから相当の日数は覚悟しなければ成らないだろう。 くしゃりと人工的なイチゴの香りがする髪を掻き上げる。 その指先が既に鬱陶しい程甘い。 「髪くらい鬱陶しいなら切っちゃえば良いのに」 言ってディノは片手に持つハサミを開閉する。 「・・・それはちょっと。」 待て。何処から取り出したんだそのハサミ・・・。 「Trick or Treatだよ。なんか奢ってくれたらハサミ仕舞うよ。」 「ナナミ。ディノにケーキを!」 「まいどー。」 ナナミにケーキを出させ、なんとかディノのハサミを仕舞わせることが出来たか・・・。 隣でディノは限定か最高値かのケーキで迷っているが、まぁ今日くらいはそれで悪戯もチャラになるなら安いとさえ判断できる。 「いやぁ色香も武器やし、かわいらしゅうてええやん。うさミミ付けたら最強やで?」 「止めんか」 よくそんなうさミミを集めたなとすら思う。・・・あの雑貨屋で買いあさったのか? 名無は紫色のうさミミをチラ付かせるがもう勘弁してくれ。 ハロウィン。今日ほど満喫した日は無いだろう。 ***
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