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時は少しばかり遡る。 アマリーはパーティー会場へ向かう途中でスピリットへ告げた。 「Trick or Treat.まぁ早い話が軽くゲームでもしてパーティーを楽しく盛り上げようと思いまして。」 「悪戯をしろというのは分かりました。ルールは?」 アマリーの半歩後ろで漆黒のマントを翻しながらスピリットは訊く。 「ホール内で軽くドンパチしてもらえれば結構です。ゲームの勝敗条件はプレーヤーの頭か心臓に当たる場所。または十カ所以上にお菓子を食らわせること。判定は僕とリリスがホールに設けた特設ステージのモニターで判断します。これは一つの余興ですから、他のお客様にも見て頂きますからね。」 「・・・分かりました。それにしてもチームが審判と事務とで分かれるには余りにも此方の分が悪いですが。」 「ハンデはとっくにあげましたよ?」 「・・・成る程。」 言われて、スピリットはマントの下に下げているホルダーに閉まった玩具のミニ拳銃に軽く触れた。 昨夜。アマリーが引っ張り出してきたカートの上に並べられた奇天烈な銃の数々。 その銃は火薬によって鉄の塊を吐き出す様な普段から慣れ親しんでいる物ではなく。 バネによってタンクに詰め込まれた甘いクリームが噴射されるショットガンや、毒々しい色に染められた直径2、3センチの飴や砂糖でコーティングされたチューインガムが出てくる様な代物だ。 「それから、向こうの情報はコレでおおかた分かりますし。」 アマリーは歩きながら、漆黒に染まった首輪と。補聴器に似た機械を取り出す。 「・・・分かりました。出来るだけ盛り上げましょう」 スピリットは漆黒の首輪と補聴器を装着する。 「─マイクテスト。マイクテスト。此方ミシェルです、聞こえますか?─」 スピリットが補聴器の装着を完了させた直後、もう一人のチームメイト、シェルの声が耳から直接脳へ届く。 「スピリットだ。此方からは音声に問題は無い・・・聞こえるか?」 スピリットは首輪を装着した後でミシェルに応えるよう独り言を呟く。 「─了解です。こちらも問題有りません。伝わりました。─」 「上等だね。こっちも二人の会話が良く聞こえる。後は任せたよ、ミシェルさん。」 スピリットとミシェルのやりとりを同じく補聴器から聞きながら、アマリーは満足げに歩を進めて行く。 「─了解しました。私は、モニタールームからスピリットさんをサポートさせて頂きます。よろしくお願いしますね。─」 「あぁ。此方こそ宜しく頼む」 「じゃぁ行きましょうか。くれぐれも負けないように」 「「─了解─」」 アマリーにミシェルとスピリットは揃って勝利を約束する。 ホールの入り口で先に待って居たリリスと合流し、ホールの中心でパーティーの始まりをアマリーとリリスが告げる中。 スピリットの視界に入り込んだのは、悪戯っぽく笑って見せるアラモードの姿だった。 「嗚呼。楽しもうじゃないか」 スピリットはアラモードの宣戦布告に受けて立つ。
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