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今更ながらの投稿例がてらのネタ出しです。総統とリーダーのお話ですよ! **** …何をしているんだ、あの人は。 仕事の空き時間に自分用に和菓子、妹とついでに部下用に洋菓子を買った帰り道で、アマリー=ノートが思ったことはこれだった。道行く人々もアマリーが視線を固定しているものと同じものを見て少し怪訝そうな顔をしながらそそくさと通り過ぎてゆく。 正直アマリーも身も知らぬ通行人たちと同じようにさっさと行ってしまいたいのだが、そうするのも少し憚られてしまうのだ。 エレムルス=エーコが雑貨屋のウィンドウディスプレイを無言で睨みつけていた。 エレムルスといえばアマリーも知らない仲ではない。 というかそれぞれKeeper、Tracer、Umpireのまとめ役は初代の子孫たちによる世襲制ゆえに実を言うと昔からの顔馴染みなのである。とは言っても彼の性格上他のまとめ役と仲が良いわけではないのだが。 話が逸れたが、そんなわけでアマリーは通り過ぎづらくなっていたのだ。ディスプレイを見ているのが他の知り合いだったならば彼も普通に声をかけるか無視して立ち去るかをするだろう。 しかし、エレムルスはルックス的に相当目立つのだ。男顔負けにスラリと伸びた身長に凹凸のはっきりした体つき、切れ長の目。しかもそんな可愛さとは無縁な女が雑貨屋のディスプレイの前で立ち止まってガンを飛ばしている(実際にはただ見ているだけなのだろうが)光景など嫌でも目立つ。 そして戦闘ばかりの生活ゆえに背後の気配やら動体視力やらに鋭いのだ。背後を通り抜けようとしてガラスにでも映り込めば気付かれ声をかけられるのが目に見えている。 人目に付くような仕事をしているわけでもない知り合いが目立っている光景は見ていたいものではないし、そいつに捕まって自分も悪目立ちするのは嫌だと、つまりはそういうことだった。 遠回りにはなるが仕方ない、と溜息を吐いて体の向きを変えたのがいけなかった。というか、溜息を吐いたのがいけなかった。 「……ん?お前…双子のアマリーか」 「…どうも」 気付かれてしまったものは仕方ない。 まあ溜息だけで気付くエレムルスもエレムルスであるが。
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