A×9




(FF-0)




「ナインが賢くなる夢を見たんだ」


開口一番、げんなりとした顔でエースはそう言った。




事の始まりは約3分前、教室に入ってきたナインが明らかに元気の無いエースを心配して(勿論心配している素振りなど見せなかったが)、話しかけたことだった。
普段はどれだけ嫌なことがあっても顔には出さずクールに振る舞っている彼が、自分の席で肩を落とし顔を俯かせて溜め息を吐く様はどこか心を揺らすものがあった。

お前知ってるか、溜め息ばっか吐いてっと幸せ逃げんだぜ。そんな調子でナインが話しかけると、エースはナインを見てさらに深い溜め息を吐いた。










 
去年書いたであろう携帯に残ってた未完成の零式文
何を書きたかったのか驚くほど覚えてない




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