二口×茂庭
(HQ)
「茂庭さんは、」
「うん」
「おおみそかとおおつごもり。どっちの言い方がすきですか?」
「おおみそかかなあ」
「やかましいとかしましい、は」
「やかましいって言うね。というか俺、かしましいっていう人見たことないよ」
「俺のじいちゃん使います」
「年代の差が!」
「茂庭さんは一般的ですねえ」
「普通の人だからなあ」
「ちがいますよ」
「ちがくないよ」
「茂庭さんは、俺のヒーローです」
「ヒーロー?」
「ええ、最高に格好良い」
「すごい言い様だね」
「しかも、青根のヒーロー。小原のヒーロー。鎌先さんのヒーロー。笹谷さんのヒーロー。作並のヒーロー」
「ええ?」
「みーんなの愛されヒーローです、茂庭さんは」
「柄じゃないよ、そんなの」
「見た目とかの問題じゃないですからね?」
「うーん?」
「差しのべるか差しのべないかの違いっす」
「だめだ二口、よくわかんない」
「ヒーローってそういうもんですよ」
「なんかでたらめだなあ」
「でも」
「まだあるの?」
「これが大事。茂庭さんはヒーローっすけど」
「なんか腑に落ちないけど、まあ、はい」
「要さんは、俺だけのヒロインですからね」
「…わあー」
「なんですか」
「それ言うためだけに、おおみそかがどうとか聞いたの?」
「…いけませんか」
「いやいや、なんていうか」
「……」
「堅治くん、かわいいー」
「うるさいです!」
どっちもかわいい
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