カヅサ×クラサメ




(FF-0)


クリスタリウムの研究室で久し振りに会ったカヅサはどうやら相当アルコールに酔っているようだった。やあ久し振りだねクラサメくん、最近見かけなかったけど調子はどうだい、何か異変はなかったかい。そんな普遍的な言葉を並べたと思ったら今度は聞いたこともない言語で何かを熱弁し始めた。クラサメは用意された椅子へは座らず、普段はコーヒーが入っているカヅサ愛用のマグカップを隙を見て取り上げる。返してよクラサメくん、腰に纏わりつくカヅサの頭を軽く叩きマスクを外してマグカップの中身を少し舐めると、なるほどそこにはコーヒーではなく限りなく度数の強い酒が入っていた。飲み過ぎだともう一度カヅサの頭を叩く。カヅサは、幸せになるんだよ、呟いた。

「酒で幸せになるのか、お前らしくもない」
「違うよクラサメくん、嗚呼、どう伝えたらいいだろう。幸せになるのは僕じゃなくて」
「……」
「君に幸せになって欲しいんだ。君が幸せになるんだ。僕が」

君を幸せにするんだ。がたりとカヅサは立ち上がりクラサメを覆い隠すように抱き締めた。


同期組も幸せにしたい




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