岩淵×近藤




(GK)



くしゃりと泣きそうに顔を歪めて、潤んだ大きな瞳に俺を写して、いわぶち、小さく名前を呼んで、俺にすがった。いわぶち、いわぶち。いわぶち。何度も確かめるように俺の名前を紡ぎ続ける唇を自分のそれを当てて塞ぐ。
長い時間そうやって過ごした。苦しそうに胸を叩くのに、辛そうに息を吸おうとするのに、顔を離そうとすると逃すまいと隙間がなくなるぐらいに口づけて。
あぁ、彼は、この人は。

「…‥、っは、ぁ」

「……近さん」

「…いわぶち、」

「近さん」


俺は、ここにいるよ
そんなに強くしがみつかなくても、どこにも行かない
だから近さん、だから


(声をあげて、泣いてもいいんだ)



過去log(一部加筆修正)
 




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