響野×成瀬




(ギャング)



「成瀬、聞いて欲しいことがある」

「なんだ」

「私と不倫してくれ」

「すまないが意味が分からない」

「妻帯者である私と恋愛をして欲しい」

「分かり易く言い直すな、理解したくないだけだ」

「いいじゃないか成瀬、お前は私が好きだしもちろん私もお前が好きなんだから」

「ちょっと待て今のは聞き捨てならない」

「ん?好きってだけじゃ足りないか?では言いかえよう、私もお前を愛しているんだから!」

「いやそこじゃないいやむしろそこなんだが。俺はお前を好いた覚えも愛した覚えもない」

「十年以上私の親友をやっていながら何を言ってるんだ成瀬!長い付き合いの中で愛を育んできたじゃないか!!」

「初耳だ」

「自分では気付いていないだけだ。お前は私が居ない生活なんて寂しくて生きていけないぞ、不味いと言っているコーヒーも飲めなくなったら恋しくなる。しかし私はお前の隣から居なくなる予定は無いしコーヒーもいつだって淹れてやれる。だから結婚しよう成瀬」

「響野の淹れたコーヒーが飲めなくなるのは涙が出るほど嬉しいんだが不倫からさり気なくグレード上げるな」

「指輪だって祥子のものより良いものを買ってやるぞ。この間の報酬全てかけてもいい」

「いらん。そもそもそうだ、お前には祥子さんが居るだろう」

「ああ確かに私には素晴らしい妻がいる。その素晴らしい妻は私が成瀬とも結婚しておけば良かったとボヤいたら『すればいいじゃない』と快活に言ったんだ。本当に私は良い伴侶を持った、だから気兼ねすることはないぞ成瀬!さあ!さあ!!」

「やめろ近付くな響野俺に近付くな」

「最大の関門であろう祥子の許可だって出てるのに何を戸惑うことがあるんだ成瀬!私達に子供は居ないから妙な気を揉むこともないし毎日祥子の美味いコーヒーが飲めるし私の特製ブレンドコーヒーも飲ませてやれる!何を迷うんだ!」

「迷いも戸惑いもプロポーズを受けるつもりが無いから端から無いが最後のは断固お断りだな」

「むしろ最後が決め手だと思うんだが」

「出直してこい。それに普段ロマンだのと言っておきながら響野、不倫にロマンがあるのか」

「不倫じゃない結婚だ。ロマンは私とお前が今より更に愛を育み深め一つになることでいくらでも生まれる」

「わかった黙れ」






響→→→→→→←成ぐらいが個人的にベスト





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