笹谷×茂庭+弟
(HQ)
!笹やん弟(高1)捏造
少し長いです
兄ちゃんの恋人は男だった。名前は茂庭要、すごく優しく笑う顔と、それにそぐうすごく優しい性格。兄ちゃんが入っているバレー部の主将らしい。頼りなさげに見えるけど、男同士の恋愛が普通のもの程自由ではない覚悟を時折見せる瞳から主将たる所以が伺えた。
要さんは俺にすごく優しかった。なんと言って表現したらいいかわからない、日本語を上手く扱えなくてもどかしい。愛しいと思うものに対して感情を隠さない様が、慈しみを感じさせる様が、なんだか庇護欲というものを掻き立てた。
だからだ、俺がこんな、間男の真似事のようなことをしてしまったのは。
彼の親愛を勘違いして、いい気になってしまったのは。
「………どうしたの?」
「……………」
「……退いてくれないかな」
「…………いや、です」
母さんに頼まれて大通りを挟んで向こうにある婆ちゃんちに兄ちゃんが野菜を貰いに行っている間、泊まりに来た要さんを俺は押し倒した。母さんは買い物に出かけてしまったし、要さんと二人きりになれる機会なんてそうそう無い。要さんは最初は驚きはしたものの、あとは一切動じなかった。掴まれた腕を振り解くどころか身じろぎひとつしない。静かに俺を見つめて、静かに制した。俺の心臓ばかりがドクンドクンとうるさい。
「……君は、」
「……………」
「……このあと、どうするの」
「どうする、って、そりゃ」
「そりゃ?」
「……、」
「……俺を犯す?」
犯すという単語にビクリと反応したのは俺だった。要さんは相変わらず優しく微笑んだままだった。いつも通りのそれがこの時はわけが解らないほど癪に触って、唇を噛むようにしてキスをしてやろうと顔を近付ける。それでも要さんは動じない。だめだよ、優しさの温度を含む声で言った。零距離に果てしなく近い。
「ひょっとしたら君は、俺のこと好きになっちゃったのかもしれないけど」
「……そうですね」
「勿論その感情が勘違いだとまでは言わないよ」
「勘違いなんかじゃない」
「だったら余計にだめだよ、俺に手を出すのは」
「……………」
「愛されてる自覚は、ある」
「愛してる自覚もな」
突然の後ろからの声に上半身だけを捻ると、いつから居たのかそこには兄ちゃんが立っていた。真顔で俺を睨む姿が恐ろしくて視線をそらす。
「お前、今すぐ茂庭放して自分の部屋戻れ」
「、兄ちゃん、俺」
「茂庭が賢明で良かったな。下手したらお前のこと殺してたわ」
「………ッ!!」
「なぁ、兄弟間で殺人とかやだろ」
とっとと出てけよ、地を這うような低い声で言われて慌てて部屋を出てドアを閉めた。閉める瞬間に見えた要さんの表情を俺はきっと一生忘れないだろう。
俺の心臓ばかりが、うるさい。
しぐまちゃんとこのチャットからネタ強奪しました(笑)設定上弟くんの年齢変えましたが…捏造がすごすぎて霞むね笹谷家1人も下の名前出せなくて笑う
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