がちゃ、
俺はお前への感情に大きな蓋をした、自分がその感情を忘れてしまえばそれで全ては平和にそして安全に終わると思っていたから
思い立ってそろそろ1ヶ月くらい経つ。タイムリミットまであと何日だっけな、忘れちまったよ
今日もまだ相手のことが気にかかる自分が居たことを思い出した
いくら頭で考えて相手のことを忘れようとしても大きな蓋の下にある気持ちには嘘がつけなかったみたい
俺は人間だったのかと洗面所にある鏡に映った自分に問い掛けてみた。
普段は冷たい人間である自分の頬には涙が伝った跡と腫れぼったい目蓋から覗かせる充血した瞳がその答えとなりそうだ。
(俺はお前が幸せにだったらそれでいいよ。おめでとう)
声に出して嘘をつくことがこんなにも難しいことだなんて生まれて初めて知ったよ。いつもは簡単につけるはずなのに
(南沢さん、南沢さん、聞いてください)
(俺、結婚することにしました)
ああ、もうごめん。
お前の幸せを祝うなんてかっこいい嘘なんてつけねえよ、ばーか
▼ ぬるい嘘ごと飲み込んで
さよならは君だけにへ
企画提出完了。
神崎さま有難うございましたっ
20120103_ 兎御