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見透かして〜幸村SIDE〜


空はこんなにも晴れ渡っている。

普段だったらテニスをしていたところだ。
練習も出来ずに入院する日々。
一日ってこんなにも長かったか。

駅で倒れてから2ヶ月くらい経ったかな?

急に意識が遠のいた。
意識が朦朧とする中、伝えなければならないことだけ連二に伝えた。


なまえには言わないで、と。

なまえは認めたくないが、もう立海のマネではないのだ。

けれどあのなまえのことだから、
俺が倒れたなんて聞いたらすぐに駆け付けてくれそうだから、
自分のことなんて後回しにして心配してくれそうだから、

想像出来そうな話で少し笑みがこぼれる。

俺、変態かも。



――コンコン


「はい、」


この時間の客はテニス部のみんなかな?

だが、そこにいたのはいつものメンバーと予想してなかった人物。


「久しぶりやな、幸村君…。」
「白石……、」


なまえが転校していった先の新部長。


「…まさか来てくれるとは思わなかったよ。…けど、ありがとう。」
「急にすまへんな。あ、これ病室にでも飾っといてや。」


白石が手渡してくれた花束からはとてもいい匂いがする。


「なまえは元気?」

そう質問しると白石は一瞬目を見開いたがすぐに笑いながら元気だ、と言った。


「それはよかった。四天は今年も強豪校になりそうだ。」
「打倒王者立海やからな。当たったらええ試合しよな。」
「そうだね。とりあえず座ってよ。…あと、来てくれて悪いんだが、みんな今は席を外してくれないか?」
「……あぁ、」


みんなは一つ返事をすると病室から出て行ってくれた。


「…言わないでほしいんだ……。今回のことは……。」
「言わへんよ…。」


白石の目は俺の目を見ていながらも、その目は俺を見透かして違うものを見ている気がした。

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『なまえ』と呼ぶ俺と『みょうじさん』と呼ぶ彼




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