すべてのことを頭の隅に
「オサムちゃんっ、」
「おぉ、白石。どないしたん?」
「明日の部活ないよな?」
「どないしたん?」
「ちょっと、神奈川に用があってな。」
「神奈川?また、遠いところに行くんやなぁ。」
「行かなきゃならん用事ができたんや…。立海の―――。」
「…ほんまか。ん、わかった。お大事にって言うといてや。」
「白石君、神奈川行くの?」
「おん、ちょっとな…。」
「…何か用事?」
「まぁ、そんなとこや。」
「そっか。…気をつけていってらっしゃい。」
「おおきに。」
白石君が神妙な顔をしていた。
それ程重要な用事なのだろう。
考え始めると関係ない事までが出てくる。
立海のみんなは元気でやってるのか。
みんな毎日のようにメールをくれるのがありがたい。
でも…、
あの日以来幸村からのメールだけが来ない。
みんなのメールも幸村には触れられてない。
「あ、次の仕事しなきゃ。」
あたしは考えていたすべての事を頭の隅に置いた。
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「……幸村君が?」
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