少しの苛立ち〜白石SIDE〜
「嘘々、明日に善哉でも食べに行こっか。奢るよ。」
「奢りはいいッスけど、善哉は食べに行きたい。」
「ん、まぁ、早くいってらっしゃい。」
「先輩絶対ですからねっ!」
「うんうん。」
そんなみょうじさんと財前の会話を聞き少しの苛立ちを覚える。
デートっちゅうやつか。
ってか財前、みょうじさんの事名前で呼んどるし。
「どないしたんや、白石?」
「別に…、」
あの謙也にさえばれるくらいだから相当顔に出てるんだろう。
みょうじさんに気にかけてもらいたい。
そう思うのはやっぱりおかしいか?
こうゆう時の四天宝寺はあかん。誰も相談出来る奴がおらへん。
「うわっ!」
急に肩を捕まれる。
いや、肩を組まれたと言う方が正しいのかもしれへん。
「どーしたー、白石。恋か?恋か!?」
正体はオサムちゃん。
ほんまにあかん。
「ちゃうわ。」
「そないなことあらへんやろ。」
「やから、ちゃうって。」
「恋するとな、少なからずとも人は変わるもんや。」
「………。」
「青春やなぁ。」
それだけ言うとオサムちゃんは俺の肩を二回叩き去って行った。
「惑わせるようなこと言いおって…。」
チラッとみょうじさんを見る。
走り終えた人達にタオルを渡し声をかけていく。
「んー?白石ケータイ光っとんでー。」
「ほんまか。」
ケータイを取りに一旦部室に戻る。
それは思いがけない人物からだった。
「……柳…蓮二?」
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それは去年の全国大会でメアドを交換した人からだった。
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