もしも雨が止んだなら… | ナノ
40話

柳SIDE


「…全部話します」


麻原はみんなの前でそう言った
幸村のところに行ったのはなまえと跡部だけ。
残りはその場で待機だと。

そんな状況の中、麻原が前に立ったのだ。


「……あたしはなまえ先輩があたしにやってないことをやったといい、なまえ先輩がみんなに虐められるようにしました」


突然の暴露にその場は凍りつく。

「……なまえ先輩が羨ましかった…。なんでも持ってるなまえ先輩が羨ましかった」
「だからってそんなことっ…!!」
「わかってましたっ!!けどっ!!
…だめだ、だめだって思いながらも続けてしまう自分がいた。
止めれなかった。罪悪感で寝れない夜もあったのに、朝になると先輩を傷つける自分が怖かった。
…それで自殺しようとしたけど、幸村先輩に止められました。
あたしは……止めてくれた幸村先輩を……刺しました……。止めてくれて、先輩に謝るきっかけをくれた幸村先輩を…。
…………本当に……ごめんなさい…………」


麻原はそう言って頭を下げた。


「……証拠はいらなかったか…。」

広げたノートをパタンと閉じた。




プルル…
誰かのケータイがなる。

「…すまんな…」

白石が携帯を取りだし少し離れた所へ歩いていった。



「とりあえず今は…幸村がどういう状況かだ。」


手塚の一言。
そして、


「幸村君命に別状はなかったって!」



白石の一言。




窓の外を見るとぽつり、ぽつりと雨が降り出していた。




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