もしも雨が止んだなら… | ナノ
34話

白石SIDE

「きっと何かあったんだと思うから…。」

凛としたなまえちゃんの顔を見て、心が痛んだ。
本当に幸村君のことを忘れてしまっとるんや……

確かに直接俺には関係ないかもしれへん。
けど、見てるだけでこっちまで辛くなるってあるやろ?

あとは……
俺にも似たようなことがあったからか……



「ちょっと待て、お前ら」

なまえちゃんが走り去った後残っていたなまえちゃん以外の人々を跡部は呼び止めた。

「…幸村もいないんだ…」
「嘘だろ?」
「なんでなまえの前で言わなかったんだ?」


「なまえが幸村のことを忘れてるからだ」
なんの躊躇いもなく言う跡部君。
「…負担がかかりすぎた……」

場が静まり返る。


「とりあえず今は一刻も早くあの三人を見つけることだ。…行くぞ、樺地」
「…ウス」

跡部は樺地君を連れてその場を去った。
それと同時に仁王君が。

どんどん人がいなくなっていき残ったのは俺一人。
俺は下唇をすこし噛み真っ直ぐ駆け出した。


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