もしも雨が止んだなら… | ナノ
33話

「…なまえ……」

振り返るとそこにいたのは立海メンバー。
久しぶりに面と向かって会う気がしたのは気のせいざないと思う。

「今まですまなかった…。
1番お前を信じなくてはならなかった俺達が信じてやれなかった……」
「なまえ…ほんとごめん……」
「今までの事をなしにできるとは思ってません」
「…ほんとにすまなかった…」

「…ううん……、今、信じてくれただけで嬉しいよ……」

みんなが信じてくれて嬉しいはずなのに…
どうしたんだろ……

「おいっ!!!」


跡部さんが血相を変えて走ってきた。


「…お前ら、麻原見てねぇか……?」
「…見てないよぃ……。いないのか…?」
「朝から姿が見あたらねぇ…。切原もいない……」
「切原君も……?」


「みんなで手分けして探そう。」
「おう」

「なまえちゃん…無理しなくてええで?」
「…大丈夫です。きっと何かあったんだと思うから…」
「…そうか……。」

白石さんはふっと微笑む。
あたしはその笑顔を見て、廊下を駆け出した。

「なまえっ!」


しばらく走ると後ろから聞こえた仁王君の声。
途端仁王君はあたしに抱き着いてきた。
あたしより広い肩。

だけど……
何なんだろう……
目を覚ましたときからぽっかりと開いてしまった何か。

「…仁王君?…どうしたの?」


何も言わない。

「…仁王君?」
私の二度目の問い掛けを合図に仁王君は私から離れた。

「…充電じゃき」
「ふふっ」

ドンッ

途端、
どこかから物音がした。

「…見に行こうか……」
「…うん」

私達は物音のするほうへ駆け出した。



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