もしも雨が止んだなら… | ナノ
12話


みんなが乗ったのを確認して、最後にバスに乗る。
1番前に精市が座っていて、その隣に座らされた。

「合宿でもうまく嫌われて下さいよ?あたしを引き立てて下さい。」

合宿でも……

手が震える。
するとそれを察知してくれたのかあたしの手の上に自分の手を乗せてくれた。

「大丈夫だよ……」

「あたし幸村先輩が好きなんです。……――――――」


たとえ、何人の人達に嫌われようとあたしは精市が傍にいてくれれば堪えられる。
苺加ちゃんには譲れない。


「ありがとう」
「寝たらどうかな?合宿ついたらすぐに仕事だよ」
「うん、そうする」
「肩貸そうか?」
「ありがとう」

精市の肩に寄り掛かる。
みんなの話し声が調度いい子守唄になって私は眠りについた。


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