恋せよ少年少女 | ナノ

二期
鬼道→夏未→(←)円堂(→)←秋←土門+一之瀬←リカ

鬼道→夏未
「雷門」
「あら鬼道君」
「円堂が呼んでいたぞ」
「…そう」
頬が赤く染まった。
「知らせに来てくれて、ありがとう」
「いや」
ゴーグルを付けていて良かったと思う。笑顔でお礼を言う彼女に嫉妬で醜く濁った瞳など見せたくなかった。

夏未→円堂
「円堂君!」
「夏未!走って来たのか?」
「え、ええ、用件は?」
「秋が」
「木野さん?」
「ああ、秋が探してたから」
「…そう」
彼女の名前が出る度、胸が痛む。彼がサッカー以上の熱意と好意を彼女に向けていないことは明白だったが、彼が彼女を一番に信頼していることも明白だった。
「夏未、急に立ち止まってどうしたんだ?」
はあと溜め息を吐き、何も気付いていない彼の背を追いかけた。

夏未←円堂→秋
さっきから夏未の元気がない。声をかけてみるが、心ここにあらずという様子で曖昧な答えしか返ってこなかった。
「秋!」
「円堂君、夏未さん」
「ああ。夏未探してたんだろ?」
「うん、ありがとうね」
「いや俺練習に戻るから」
「頑張ってね」
「おう!」
秋に任せれば大丈夫だろう。手を振る秋に大きく手を振り返した。

夏未→円堂←秋
「木野さん」
「夏未さん、おにぎり作りましょ」
「あらもうそんな時間だったかしら」
「うん」
意図してなかったとはいえ、彼と彼女の時間を邪魔してしまった。申し訳なく感じ、目を伏せる。
「…ごめんね」
「え?」
「ううん」
後輩の呼ぶ声が聞こえ、はーいと返す。
「夏未さん急ぎましょ」
「そうね」
二人で顔を見合わせ笑う。ごめんなさいともう一度心中で謝り、手を差し出した。

土門→秋←一之瀬
「人は三回本当の恋をするらしい」
「へえ」
「俺は今二回目」
「俺も」
「秋は」
「秋も二回目だろ」
「え?…一回目は?」
「一之瀬って意外と鈍感だよな」
「どういうこと?」
「自分で考えろ」
「みんなーおにぎりできたよ」
「おっ!」
「行こうか」
「ああ」

一之瀬←リカ
「あれ嫌みやろか」
ダーリンはいつも一番に秋のおにぎりを取りに行く。そして秋のおにぎりしか食べない。
「リカさん」
「秋」
「おにぎり苦手だった?」
おにぎり苦手ってなんやねんとツッコミたくなるが、おにぎり片手に長時間ぼーっとしてたら、おにぎりが嫌いだから食べるのを苦悩していると見れるのかもしれない。
「いや好きやで!でもなーおにぎりに巻く海苔といったら味付け海苔やろ」
「そうなの?」
「ダーリンもそう思うやろ」
「うわっ」
ぎゅっと腕に抱き付く。
「ダーリン、ウチ負けへんから!」
「え?」
声高く宣言する。このおにぎりより魅力的になってみせると心の中で決意し、おにぎりにかぶりついた。

2011/02/08
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