闇の住人、道の先 さっきまでこの道を通っていたらしいテラが倒してきてくれたのか、行くときよりはアンヴァースも少ないがまだまだ多い。そして、テラはきっとあのオーロラ姫が眠る部屋であの人外に唆されているだろう。もしもテラがあの人外に唆されて心を取り出したとしても、アクアが後始末をしてくれるだろうが。 ボクはしないけど。 さっきの無駄にだだっ広い部屋まで来たところで小さなアンヴァースを倒しきってから城を出ようと大きな扉に手をかけた。途端に、地面が大きく揺れる。地震かと思って後ろを振り返ると、さっきまでのアンヴァースとは桁違いの大きさのアンヴァースがいるではないか。さっきの揺れはこのアンヴァースが上から落下してきた音だろう。 (いいじゃんいいじゃーん) やりごたえがあるじゃないか、と思ってキーブレードを握り直す。それから飛び掛かろうと思って直後。階段から出てきたのはまたしてもテラ。逃げ切れなかったか。 「君は…!」 「黙れ!」 アンヴァースの集中がテラに向いたところでボクは跳躍した。そのまま、真っ二つ。テラは固まっているままで、ぽかんとしている。ボクが着地した頃にはアンヴァースは消えていた。 「君は、一体…?」 「………」 何と言えばいいものか。何か言ったら言ったでボクはボク自身の墓穴を掘りかねない。 「闇の、住人」 今はこれで十分か。いつかはバレたりボク自身が明かしたりするのだろうか。 闇の回廊を開いてテラに背を向ける。 「待ってくれ!」 制止も聞かずボクは闇の回廊へと歩を進めた。 きっとまた会える。 その時にまた、話そうよ。 キミの夢のこととかね。 闇の回廊の入り口が徐々に閉まっていく。テラの姿が見えなくなった。 次にボクはどこに行くのだろう。 また何かが導いてでもくれるのだろうか。 次のボクの行き先。 ボクの進むべき道。 その先は、光か闇か。 |