序幕、おわかれ ずっとキミの隣にいた。キミの隣はとても温かかった。このままずっとキミの隣で君と一緒に笑っていられると、そう信じて疑わなかった。 だって、ボクらは一つだから。キミはボクで、ボクはキミだから。 いつからだろう。ボクはボクで、キミはキミと意識するようになったのは。以前キミに問いかけてみたけれど、キミは首を傾げて「あそぼう」とそう言った。キミが知らないことならきっとボクも知らないはずだ。そう思うことにしてボクはそのことを考えないようにしてきた。ずっとキミの笑顔をすぐ近くで見られるなら、それでいいと思った。 だけど、もうおわかれだ。 とっても楽しかった夢のような時間は、ここでもう終わり。キミはきっとボクがいなくたって生きていける。ボクは、わからないけれど。 未だ浴びたことのない、これから浴びるであろう太陽のような温かさの手をボクは離す。いつも笑顔だったその顔はしわくちゃに歪み、目からはぽろぽろと雨のように涙を落としていくキミ。 その時、ボクは初めて悲しいと思った。ボクは初めて涙を流した。ああ、おわかれというのはこんなにも苦しいものだったのか。 キミはボクに届くようにと必死に手を伸ばしてくる。もういい。もういいんだ。もう、十分だ。 これからボクはキミのいない世界を生きていくよ。でも、いつかはまたキミの笑顔を見たいな。 さよなら! さよなら! また逢えるその日まで! BOND OF HOPE |