▼ 5/28 翔春←薫
特別に思う女の子の心は、大好きな兄のものだった。
僕はどちらを恨めばいいのだろう。兄に思いを寄せた彼女を?それとも彼女と先に出合った兄を?
愚問だ。
羨むことがあったとしても僕はどちらをも恨むことはできない。彼女がいるから僕は兄を失わずに済んだ。兄がいたから彼女と出会えた。誰を恨めると言うのだろう。
ああ、でももし恨むとするならば、それは。
(出会うのが遅すぎた、その運命を)
神様感謝します。僕に兄をくれたこと、彼女に巡り会えた偶然を。でも、僕は貴方を許せない。貴方を恨まなければ、僕は嫌な子になってしまいそうだから、許せないことをどうか、許してください。
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二人を祝福したくもあり、寂しく思う部分もあり、何かを恨みたくなるような気持ちでいる。心の中でそんなことを思っている薫くんのお話を今ちょっと考えています。
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