5/23 HAYA春トキ





 一ノ瀬さんとこのトキヤくんが白昼堂々春歌ちゃんに何かを迫っているようです。


「春歌、心は決まりましたね?」
「あっ…あの、一ノ瀬さん…っ、ま、待ってくださ」
「こら、その呼び方はいけないと言ったばかりでしょう。ほら…春歌、呼んでください。私の、名前を」
「や、あの…ち、近いです…!」
「私の名前を呼ぶ君の声を独占したいだけですよ…さあ、遠慮なくどうぞ?」
「う…(その笑顔はずるいです…!)と…トキ…トキヤく…ん…っ」
「はい、よくできましt」
「はい、そこまでー!離れて離れてー!」
「きゃっ」
「なっ…誰ですか私と春歌の間に野球のボールを投げてきたのは!華麗に避けましたが万が一春歌に当たったらどうするんです」
「わぁ、ものすごい説明口調!相変わらずだねトキヤ!」
「HAYATO…」
「はははHAYATO様っ!?どうしてこんなところに…」
「近くで撮影があったから来ちゃった!春歌ちゃん久しぶりだにゃぁ!久しぶりだから抱きしめさせて!」
「えっ!?ええっ!?」
「はい、ぎゅーっ」
「!!!???」
「HAYATO、春歌が潰れます。自重しなさい」
「えーっ?大丈夫だよ、トキヤじゃあるまいし、ちゃんと加減してるもーん」
「では言いかえます。春歌から離れろ」
「やだ!いいじゃんこれくらい〜どっかの誰かさんと違ってボクは春歌ちゃんの側にいられないんだよ?たまの逢瀬なんだから邪魔しないでくれるかにゃぁ?」
「……ただ抱きしめるだけと言うなら私だってこんなことは言いません。ですが…」
「あ、あの…HAYATO様…っ、そこは、ちょっと…ひゃわっ!」
「…っ!私の春歌へのセクハラを見過ごすわけにはいかない!」
「あっ、ゴメンね春歌ちゃん!想いが溢れてついうっかりー☆」
「い、いえ、大丈夫で…、……!?」
「言った側から春歌の胸に擦り寄らないでください!羨ましい!」
「うわっ本音が漏れてる〜」
「うるさいです。最初から名前で呼ばれ、憧れの対象としてキラキラ輝く目で春歌に見詰められ続けてきたあなたに私の気持ちが分かりますかいや分かってたまるか」
「あ、それで名前で呼んでって頼んでたんだぁ〜よかったねぇ、よ・う・や・く・名前で呼んでもらえるようになって!おめでとう!」
「は、HAYATO様…」
「聞きましたか春歌。それがその男の本性です。さあ、早く私のところへ避難してきなさい」
「え、あ、あの」
「ダメだよ春歌ちゃん!トキヤのところに行ったら変なことされちゃうよ!側に寄ったら妊娠しちゃうかもしれないにゃ!」
「に、にんしん…!?」
「HAYATO…嘘を教えないでいただけますか…?私の春歌は純真無垢なので耳を汚す発言は慎んでください」
「嘘じゃないから問題ナッシングだにゃ!ていうか、さっきから私の私のって〜…春歌ちゃんはボクのなの!」
「私のものなのですから当然です。あと夢を見るならベッドの中で見なさい」
「春歌ちゃんと一緒になら大歓迎だにゃ!」
「 一 人 で で す 」
「ケチ」
「ケチで結構。いいから早く春歌を離しなさい」
「ヤダ」
「あなたは小学生ですか。いや、その言い方では小学生に失礼でしたね」
「ひ、ひどい!春歌ちゃん〜トキヤがいじめる〜」
「ひゃ、わわっ」
「いい加減に…!」

「教育的指導ーッ!」

「わぎゃー!」
「…っ!」
「HAYATO!こんなとこで油売って!休憩時間終わるわよっ!フラフラフラフラ歩き回ってアンタを探すこっちの身にもなりなさいよーっ!」
「い、イチコちゃん…踏んでる、HAYATO様を踏んじゃってる…!」
「トキヤもトキヤよ!このロクデナシをまともに相手してたら収集がつかなくなるって分かってんでしょ!全く!学習しなさいよ!」
「イチコちゃん、トキヤさん気絶してる!あんまり揺さぶらないであげて…!」
「それから春歌!」
「はいぃっ!」
「相変わらず可愛いわね…なんて思ってないんだからねっ!」
「え?」
「今度ゆっくりデートしたい…とも思ってないし、いつか春歌の作った曲を歌いたい…とか思ってないから!」
「えっ?えっ??」
「トキヤはそこに転がしといて!適当に回収されるから!じゃあまたね…なんて言わないわよ!」

 イチコちゃん、HAYATO様を引きずりながら去る。

「え、えっと…とりあえず…一十木くんを呼べばいいのかな…?それともSクラスの誰か…?どうしよう〜…」


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 イチコちゃんの性格が掴めません←



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