11/30 ジョルフェリ←ファミリー(アルカナ)



・ジョルフェリ
・ジョーリィじゃないよジョルジョさんだよ
・剣のセリエの王様の彼×お嬢


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 破裂音、破壊音、銃弾の飛ぶ音、怒号に悲鳴、そして破壊音、破壊音、破壊音。
 館のそこかしこから聞こえてくる音に、フェリチータは小さく嘆息した。その音はすべて彼女のいる部屋から遠いところで発生していたが、その余波はきちんとここまで届いている。
 びりびりと部屋に走る振動、殺気立つ気配、そしてカップに満たされたコーヒーに浮かぶ波紋。はぁ、と息を吐いて肘をつく。

「みんな、何をやってるんだろうね」
「さあ?」

 フェリチータの目の前にいた彼が言う。その口には苦笑が浮かんでいて、多分彼は、この騒ぎを理由を知っているのだろうとフェリチータは思った。彼が言うつもりもないことも分かっていて、それでも彼女は問う。
 みんなが何をしているか知ってるの、と。
 彼はカップの持ち手をなぞりながらこう言った。

「そうだな、オレに言えることがあるとするなら…皆、愛のために闘っているんじゃないか?」
「愛のため?」
「そう、愛のため」

 一際大きな破壊音が走る。ああ、今のはルカかパーチェ辺りの攻撃かなぁ。あんな音を響かせているけれど、館は大丈夫かなぁ、なくなってしまわないかなぁ。止めに行くべきだろうけど、行ったら行ったできっとこう言われるのだ。「お嬢は少し黙っていて」と。そうして再び闘いが始まる。フェリチータの理解できない闘いが。
 ため息がまたひとつ。ダンテが島を離れている上にマンマであるスミレは傍観を決め込み、パーパであるモンドは参戦中とくれば、止める人間はいない。館は今、未曾有の危機に面していると言っても過言ではない。
 住むところがなくなったらどうするつもりなのだろうと眉間に皺を寄せる。つらつら考え事に沈む彼女は、気付かなかった。
 目の前の男が、オレのお嬢は本当に愛されているんだなとため息混じりに呟いたこと。彼女自身が館を戦場に変身させている当人であることにも、気付くことはなかった。


【戦場のティータイム】






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