キズアトマーキング
※18歳以上の方のみどうぞ↓


























 今、俺と文次郎は繋がっています。

 こんな真っ最中からお話を始めて、申し訳ないのですが。

 それがですね…。

 甘い一時を過ごす俺達ですが、少し問題がありまして。



「もんじっ…ッ」

「ふ、ぅ…っく、」

「声…聴かせて…」

「ゃぁ、だ…ッ」



 さっきからこのやりとりの繰り返し。

 俺は文次郎の鳴き声を、少しでも多く聴きたいのに。



「ほら…ッ、手…退けろ、って…」

「ふぅ、ん…ゃ、」

「だからッ…、声ッ」

「い、っ…や、だッ」



 嫌だ嫌だも可愛いけれど、その甘い声、俺に聴かせて下さいよ。

 なので仕方なく、強攻手段を取る事にしました。

 文次郎の両手首を掴んで、無理矢理俺の首に巻き付ける。

 密着すれば、もう文次郎に逃げ場など無いのです。



「ひゃ、ッんぁ!…ッは、ぁ」

「ん、かわいい、」



 思惑通り、耳元で大きく喘いでくれました。

 ……が、



「っくそぉーッ…あ!、ん…〜〜ッッ」

「!!!いだいぃぃいい!!」

「ぅくっ…ふ、ん…」



 俺の絶叫の後、再び消えた文次郎の声。

 一体、何をしたかって?

 俺の肩に噛みついて、声を殺し始めたんですよ。

 もう、痛いの何のって。

 でも止まれるはずもなく揺さぶるから、力は強くなるばかり。



「ふぁッ…ぅ!!」

「───ッ!!!」



 最後に達した時には、肩が痛いのか、それとも達成感が気持いいのか。

 つまり、痛みと快楽、どちらが強いのか分からなくなる位でした。



「…酷い、あんまりだ…」

「歯形って、こんなにくっきり付くんだな」

「…覚えとけよ、文次郎」










 それから約十日後。

 繋がりながら、文次郎の左鎖骨上に強く強く吸い付いて。



「…仕返し、なんちゃって」



 そう囁いた俺に向かって、文次郎はいつもより数段キレの悪い蹴りを繰り出したのです。


←10,000 hit