告白の仕方
だんぼーるのネコのみこう様から頂物



告白、告白。
俺に、そんなこと出来るのか?






俺、食満留三郎は悩んでいた。
俺の想い人、潮江文次郎にどうやって想いを伝えようか、で。
俺達は俗に言う犬猿の仲だ。
喧嘩ばっかしている俺達だが、俺は密かに前々からあいつを恋愛対象と見てた。
あいつは気付かずにいた。
が、もうすぐで冬休み。
卒業にも近い。
それならば当たって砕けろと伊作が背中を押すのだ。(あいつに当たって砕けろとか言われたら洒落にならんが。)




文次郎の好きな所を挙げて言っても結局は言い切れず、と、いうか全てが好きな訳なのだが…………。
自分で出来るだけ言葉は考えているが言うのが小っ恥ずかしいくて堪らない。
どうにか良い方法は無いのだろうか?


…………駄目だ、頭痛くなってきた。
やーっぱり俺には無理なのかな、と諦め半分の状態で寝っ転がったと同時に廊下に繋がる襖が開かれた。






「何だぁ?昼間から暇そうな奴だな。」

「も、文次郎…………。」







フッと鼻で笑う文次郎を見て少しイラッとくる。
寝っ転がった体制を先程のように胡坐をかく体制に戻す。






「何の用だよ。」

「安藤先生から戴いた茶菓子、俺一人では食えんから手伝ってもらうことにしたぜ。」

「勝手な奴だなお前。」






でも、まぁ、嬉しかったりする。
お茶も渡され、少しだけ飲む。
折角だ、物は試しと言うし色々な方法で文次郎に伝えてみよう。






「な、なぁ文次郎、しりとりしないか?」

「あ?あぁ、別にいいが…いきなりだな。」

「負けた方が好きな奴をいう約束な。」

「お前っ、」

「はい、しりとりの、り!」






作戦一、しりとり

これでどさくさに紛れて、好き。と言えるしもし文次郎が負けたら好きな奴のことを聞けるし!一石二鳥だ!!

ニヤニヤと笑いながら文次郎を見つめていたら不信そうな顔をしながら返答した。






「り………りす?」





待ってましたその単語!!
心の中でガッツポーズをとって、真剣な顔付きで文次郎の目を見ながら答えた。




「す、すき!!」

「すき…鋤か。キツネ。」






あ、あれ?
無反応ですかそうですか?
ポカーンと開いた口を頑張って塞いで文次郎に問い掛けた。





「え、そこは少しだけでもいいから動揺しようぜ?」

「何でだよ、あれだろ、綾部がよく持ってるあの踏み鋤のことだろ?」






作戦一、失敗。

くっそー…………。
何でそっちにいった!!
普通すき、は、好き、になるだろ!!




仕方ない、次の作戦は…………。






作戦ニ、あべこべ言葉





いくら鈍い文次郎でもこれだったら分かるだろう。
意を決して文次郎にこう伝えた。






「も、文次郎!」

「何だよ次は。」

「俺が今から言う言葉はあべこべ言葉だからな!!」

「あー、はいはい。」






軽くあしらわれた…………。
何か、もう、泣ける。
いや、ここで諦めるな留三郎!
もしかしたら、もしかしたらいけるかもしれないじゃないか!!






「お、俺!」

「あぁ。」

「お前、文次郎が、」

「うん。」

「だ、」

「言うなら早くせんか。」

「大っ嫌いだぁあああああ!!!!」







俺の叫び声が部屋にこだました。
長い沈黙。
もう、空気が重いっていう基準じゃないぞこれ。
ハラハラとしていたら文次郎が俺の肩に手を置き、俺の顔を見てニッコリ笑っている。







「も、文次郎!」

「留三郎…………。






喧嘩売ってんのかお前ぇえええ!!」







作戦ニ、失敗。






その後ボコスカと殴られ蹴られ。
このままじゃやべぇ。
てか、あべこべ言葉だって言ったじゃん。何でそんな鈍いんだよ文次郎。

こうなったら、最終手段にいこう。







最終手段、正直の告白





この鈍ちんに想いを伝えるにはきちんと正直に言わないと伝わらないということがわかった。

文次郎は落ち着きを取り戻し、お茶を啜っている。
タイミングなら、今だよな俺!





「も、文次郎!!」

「次変なこといったらぶっ飛ばす。」

「ちょっ、今から正直に伝えたいことがあるんだ!」






なんて伝えたらいいかな?
かっこよく言いたいな。




なーんて思っても口が先に開いてしまった。



「文次郎、俺は文次郎が大好きだ!」








告白の仕方


(正直に言った後、文次郎を見ると真っ赤な顔をしながら俺に抱きついた。)
(色々考えるより、最初からこうした方がよかったんだな。)
(今となっては良い思い出だ。)




だんぼーるのネコのみこう様から頂きました。
一所懸命な留三郎と鈍感文次郎、ドストライク好みです。
二人とも頭撫でてやりたい…!

みこう様、ありがとう御座いました!





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