小話
2011/12/05 05:57

「お前は…アレだな」

「ん…?」


勝手に人の家に来て、勝手に部屋の掃除を始めた留三郎。

それから勝手に洗濯をして、勝手に昼飯まで作ってくれた。


「便利」

「せめて『通い妻みたい』と言ってくれ!…あ、この場合は『通い夫』か?」

「俺が妻なのかよ」

「え、そうだろ?」


そんな言い合いをしながら口に運ぶ料理は美味しくて、目の前にはお前の笑顔があって、


うん。

それも、悪くない。





「一家に一台」

「俺は文次郎の家にしか来ないよ」

「じゃあ、潮江家に一台」

「つまり、俺が潮江家に婿養子?」

「…とりあえず、『まだ』いらないな」


ぎゃーぎゃー騒ぐ相手はどこか楽しそうで、口に運ぶ料理は暖かくて、





うん。

やっぱり、悪くない。