小話
2012/08/12 10:58

「おお!夏祭りだ!」
「随分騒がしいと思ったら、もうそんな時期か」
「結構露店も出てるな。…なぁ文次郎、かき氷食べたくないか?」
「奇遇だな、いま俺もそう思ったところだ」
「よし、じゃあ買ってくる!」
「俺、いちご味」
「りょーかい。…すみませーん、いちごとブルーハワイ下さーい」
「(お前ちょっとは時代考証とか考えて注文しろよ…)」

「甘い!」
「うまい!」
「冷たい!」
「やっぱ夏はコレだよなあ」
「うんうん。あ、文次郎」
「ん?」
「ベロ、赤くなってる」
「何言ってんだ。お前のベロなんて、青くなってるくせに」
「あ、そっか」
「夏の風物詩だな」
「ああ、夏の風物詩だ」

ドンドン

「おー、花火か」
「夏の風物詩その2だな」
「……?どうした留三郎?俺の顔をじっと見て…」
「花火より文次郎の方が、ずーっと綺麗」
「………」
「使い古された台詞だろ?」
「夏の風物詩その3だな」
「何か俺たち、夏満喫してるみたい」
「みたいじゃなくて、してるだろ、実際」
「ああ、確かに。それじゃあ、せっかくだから」
「ん?」

ちゅっ

「…………」
「あれ、反応なし?じゃあ次は、」




“口の中、色が混じって紫色になるくらいの強烈な奴、してもいい?”