小話
2012/07/18 10:30

「あ」
「ん?どうしたんだ、文次郎?」
「何かお前に言いたいことがあったんだけどな…」
「え?なに?」
「忘れた」
「えええええ!何だよそれ、気になるだろ!」
「そんなこと言っても、忘れたもんはしょうがないだろ」
「……まあ、忘れるぐらいだし、そんな大した話じゃない…よな?」
「んー…お前が好きだ!…とか?」
「………」
「愛してる!…とか?」
「…………」
「一生そばにいたい!…とか?」
「そんな大事で貴重な言葉を、大したことない言葉に分類するなよおおおおおお!」
「うーん…それにしても何だったっけな…」
「…わかんねーよ、もう」
「うーむ…」



「あ、思い出した!」
「え?」
「昨日、変な顔の犬を見た話がしたかったんだ」
「………」
「何かおっさんみたいな顔してたんだよ、その犬」
「…ほ…本当に大したことない話じゃねぇか!ふざけるなよ、このギンギン野郎!」
「だから大したことじゃないって言っただろうが、このアヒル野郎!」
「やるか!?」
「やらいでか!?」
「「勝負だあああああ!」」


残念、甘くならなかったよ!\(^o^)/