小話
2011/12/25 20:20

「文次郎、今日は『くりすます』だ!」

「ああ、くのたまが騒いでいるのを聞いた」

「『くりすます』は好きな人と一緒に過ごす日らしいぞ」

「知ってんなら何で俺といるんだよ」

「…お前、ホント鈍いよなぁ」

「?」

「だーかーらー!『くりすます』は好きな人と過ごす日らしい、ぞ!」

「それはさっき聞いた」

「…何で今、俺が文次郎と一緒にいると思ってんだ?」

「それが分からんから、こうして訊いてるんだろ」

「…はぁ」

「何だよ…」

「お前、自分が俺の好きな人だとか考えないのか?」

「…………………………は?」

「……」

「…はっ…ぇ、ちょ…えぇ?それ…ってことは……」

「そーいうこと…です」

「っ…」

「…なぁ、俺と一緒に『くりすます』過ごさねぇ?」

「………」

「駄目か?」

「……普通に…言え」

「普通?普通って?」

「……だから、その…」

「……あぁ、そぅいうことか」


留三郎がふわりと笑って、はっきりとこう告げた。


“俺と、付き合って下さい”