そんな日常





「???」
入学から早三ヶ月。1ーCでは明里が頭に?を飛ばしていた。入学当初から良く聞いていた、明里にはなんだかよくわからない話。最近は前よりも良く飛び交っていて、初めて聞いた時のように明里はまた、ソレ に興味が湧いた。前は聞くような相手は幼馴染の彩しかおらず、だいたいわからないことを聞きに行くと、まず将来を心配される。明里的には解せぬ状態になるのは目に見えている。だが、今は同じ同好会の友達がいる。昼食はその同好会の1年生で集まって食べるのが日常になった。その時に聞いてみよう!と、目を輝かせながら明里はその会話を聞いていた。



「ねぇねぇ!!!ぶりーりんぐって、なに?!」
同好会1年生組、全部で5名。いつもの昼食場所に着き、さぁ、食べようかの雰囲気の中爆弾を投下したのは、今の今まで聞きたくて、でも我慢して、うずうずしていた明里だった。5人の間に冷たい風が吹いた。一瞬の間。すぐさま明里をその場にポツンと残し、4人で小さく円を描き、作戦会議に入る。
「どどど、どうしよ?!こんなことも知らないなんて…??!!」
「彩混乱なーう」
「えっと、とりあえず明里ちゃんに教えるかどうか、だよね」
「明里ちゃんどこで聞いてきたんだろ?」
そしてまともに会議しているのは実質2人だけである。上から彩、翔、冬太、さくらの順で会話しているのだが、ボケてるというか、天然というか、翔とさくらはズレた返事を返す。まぁ、これもいつも通りではあるのだ。あるのだが、こういう時くらいは混ざって欲しい、というのが常識人ポジションにいる彩と冬太の願いである。閑話休題。
「と、とりあえず、教えた方がいいのか、教えない方がいいのか…」
「明里ちゃんはピュアだね〜」
「?!はいはい!俺もピュア!俺もピュア!!」
「いやいやいやいや、翔がピュアとかないからね?!そんなこと言ったら俺のがピュアだから!!」
「なわけwwwwwww」

「もう!みんなして何話してるの?てか、ぶりーりんぐってなにー?」
痺れを切らしたのか、アホに成り下がった2人のせいで脱線しかけた話を少々不満気な顔で身を乗り出し、本題に戻す明里。いや、明里本人はただ、己の知りたいという知識欲ゆえに動いただけなのだが。この行動で本題は脱線をやめ、元に戻る。やはり問題になるのは明里にブリーリングのことを教えるか否かである。
「で、どうする?明里に教える?」
「いや、でもブリーリングとか一応知らなくても生きては行ける、かな?」
「まぁねー」
「うんうん」
「なら、教えない、ということで」
「「「イエッサー」」」
話が纏まると一斉に4人は明里の方に振り向く。効果音にするとグリンッという感じだ。それに若干ビクつきながら、返事を待つ明里。
「明里、よぉ〜く聞いてね?
ブリーリングは、知らなくても、大丈夫」
彩は明里の両肩に手を置き、子供に言い聞かせるように言った。後ろで他三名も頷いている。明里は納得出来ない、と顔に書いたまま、しかし周りの4人全員からの意見により、渋々と頷いたのだった。
その様子に周りの4人も胸を撫で下ろし、お預けにしていた昼食を、改めて食べ始めようとした時だった。

「あ!そういえば!!あのね、ブラインドも知りたいなって!」

またもや、爆弾を投下した明里。先ほどよりも冷たい風が吹いた。そして、
「いや、翔がピュアとか絶対ないから!」
「そうだそうだ!!」
「は?!俺ピュア!ピュアっピュアですから!!」
「いーや!自分でピュアとか言う奴はとかピュアじゃねーしー!」
「ならお前も自分のこと自分でピュアって言ったからピュアじゃねーよな!」
「いやー、冬太は割りかしピュアなところあると思うよ?」
「俺はピュアじゃなくてもいい、だが翔、お前もピュアじゃって、ええ?!何言ってんの彩ちゃん?!」
「えー、だって〜〜〜
「てことは自分で自分のこと言っててもピュアの可能性が〜〜〜
「ないから!ないから!!絶対!てか〜〜〜
明里をおいて、先ほどのピュア談義を勃発させたのであった。ポカンと惚ける明里。しかし、すぐに持ち直し、乱入する。

「えー?!翔ピュアだよ〜?」
「「お前は黙ってろ!」」
「だよな〜!」

それを旗から眺めているさくらは思った。
「(どうしよう、これ)」
一応さくらも常識人ポジションには入るらしい。

そんな日常。


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